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『モノづくりをする障がい者施設を訪ねる“オンライン・スタディーツアー”』
先日、AKARIのTwitterのDMに、こんな素敵なタイトルのイベントの紹介が届きました。
イベントの主催者は、東京都武蔵野市に本社を構える一般社団法人マジェルカの代表理事 藤本光浩氏。
マジェルカは、“福祉と社会のパイプ役”として、障がい者が作る雑貨製品の中から魅力の高いモノを日本全国から集めて販売するセレクトショップを2011年から運営されており、障がい者の制作したアート作品を適正な価格で販売する「ウェルフェアトレード」に取り組まれています。
以下はマジェルカさんのショップの様子や理念、ウェルフェアトレードについてなどの紹介動画です。
動画引用:(ショートver)ウェルフェアトレードショップ「マジェルカ」のご紹介 – YouTube
そんなマジェルカさんが、このたび日本財団の助成事業としてこのイベントを開催されています。
リアルタイム配信で利用者との交流を
マジェルカスタッフが、日本各地のモノづくりに挑む障がい者施設を訪問し、実際のモノづくりの様子や、支援するスタッフとのやり取りをビデオ片手にリアルタイムで配信。
オンラインで視聴するツアー参加者は、障がい者施設の様子を見学し、メンバーや支援スタッフ達と画面越しに交流することで、普段交流のない人達や施設の様子を知ってもらうことができます。
イベントの様子
4月23日に開催した第一回ツアーでは、神奈川でアート活動をしている福祉施設《スタジオクーカ》(就労継続支援B型事業所)を訪問されました。
大学生など約50名がZOOMで参加し、普段訪れる機会のない福祉の現場の様子を見学し、交流を行いました。
当日の映像の一部をアーカイブでも配信中です。
下記はダイジェスト版ですが、フルバージョンもマジェルカさんのHPにございます。
動画引用:「マジェルカHP」特設ページhttps://www.majerca.com/studytour-cooca/
イベント参加者の声
画像引用:スタディツアー第1回 スタジオクーカ (majerca.com)
イベントの参加者からは以上のような感想が寄せられました。
新たな気づきや意識の変化につながったようです。
こちらはスタジオクーカさんの製品が買えるマジェルカさんのオンラインショップのページです。
もし興味が湧きましたらこちらもどうぞ
商品検索 – 障がい者が作る雑貨専門店「マジェルカ」オンラインショップ (majerca.com)
『無意識の偏見』の解消が目的
「障がいのある人に対して、障がいを理由とする差別や偏見はあるか」という2017年の内閣府の調査では、8割以上の回答者が「あると思う」と答えたそうです。
《障がい者を知らないことによる無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)》は「知らない」ことから生まれます。しかし、私たちが日常の中で障がい者と関わったり、知る機会はあまりありません。
ダイバーシティが叫ばれる中、私たちに必要なのは“障がい者に対する正しい理解”であるのはもちろんですが、そもそもそのために必要なのは”障がい者との接点”だとマジェルカの皆さんは考えておられます。
今回のイベントを通じて、接点を持つ機会を創出し、そうした無意識の偏見を解消することを目的としています。
今後の予定
今年度は“アート活動”“木工製品製作”“織り製品製作”“陶芸品製作”などを行う日本全国の6つの障がい者施設を訪問する予定です。
8月には、AKARIの運営元のTANOSHIKA CREATIVEのある福岡で、アートを中心とした活動をされている工房まるさんにも訪問されるご予定だそうです。
工房まるさんについて
工房まるさんは長い歴史を持つ就労継続支援B型事業所です。
およそ23年前の1997年に無認可で工房を開かれたのをきっかけに、これまで数々のアートに関するイベントやワークショップを行ってこられました。
以前AKARIでも下記の記事で少し取り上げさせていただいたこともありますが、同じ久留米にある事業所として、とても刺激を受けております。
障害者だって働けるよ | AKARI (akari-media.com)
下記は工房まるさんのHPにあった工房まるについての文章の一部です。
「障害のある人、ない人」と区切らない社会にしたい。障害のある人を「かわいそう」としか思えないような、腫れ物に触るようにしか関わることができないナイーブな存在にせず、「人と人」というとてもシンプルな関係を、ふつうに育められる世の中にしたい。そんな社会に変える「場」にしたい。
なぜならば、そこは思い切ってオープンにして広げてコミュニケーションしていかないと、居心地の悪い社会が続いてしまうと思ったからです。
引用:about maru – まるについて|工房まる – maru (maruworks.org)
自分は冒頭のこの文章にとても頷くところがあります。
最近よく言われているのが、テレビ番組の中での取り上げ方によっては、かえって誤解や偏ったイメージを視聴者に植え付けているのではないかということです。
多様性を大切にする、認めていく考え方は必要ですが、分かったつもりになってその人自身のことを見ずに勝手にこんな人だろうと決めつけてみたり、勝手に作り上げたイメージと違うことをすると急に批判したり。
そんな一方的な関りではなく、今回のイベントのような双方向的なやり取りによって、初めてその人のことを理解できたと言えるのではないかと思います。
まとめ
今回、縁あってマジェルカさんより直接告知の協力を要請していただき、ただTwitterでイベントの告知文をリツイートするのだけではもったいないと感じ、AKARIでも記事化させていただくことに致しました。
AKARIを運営しているTANOSHIKA CREATIVEでも、少し毛色は違いますが、PCを使ったWebサイトやチラシ・パンフレット・名刺等のデザインも行っています。またいつかうちにも覗きに来てくださればと思っています。
近年は、障がい者アートもマジェルカさんのように地道にそのよさを広めてくださる方や、ヘラルボニーさんのようなアートによるソーシャルグッドな活動により、以前よりも注目度が高まってきています。
彼らの芸術性や並外れた集中力によって生み出されるアートをきっかけにして、無意識の偏見を取り去ってくれることを心より祈っています。
暗闇を照らすメディア「AKARI」編集長 島川
参照:モノづくりをする障がい者施設を訪ねる“オンライン・スタディーツアー”|一般社団法人マジェルカのプレスリリース (prtimes.jp)
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