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小学6年生のある日から、私の生きている世界が変わった。
現実感がない。
起きていても、まるで夢を見ている気分。
夢の世界にいるよう。
もっと言うなら、目に映る光景全てが、映画やテレビを観ているような感じになったのだ。
怖くて仕方なかった。
あまりにも怖かったから、嘘じゃなく本当に頬をつねったりしてみた。
でも、痛かった。
夢じゃないんだ。
じゃあこれはなんなんだ?
自分の中で、一体何が起こっているのか本当に怖かった。
大きくなり、インターネットで調べてみた。
「現実感がない 原因」
そんな言葉で調べてみた。
『離人症』
検索結果に、その言葉が出てきた。
ああ、あの現象には名前がついていたのか…。
一体何が起こっているのか意味が分からなくてずっと苦しくて怖かったから、少し気持ちが楽になった。
大人になり、初めて心理の先生に『離人症』を抱えている事を打ち明けた。
心理の先生は、「心がストレスで壊れないように、現実感をなくす事で心を守っているんです」と教えてくれた。
その時初めて、どれほど自分がストレスに晒されながら生きてきたのかと気づいた。
考えてみたら、初めて離人症が始まったあの時、小学6年生の時は、壮絶な毎日を送っていた。
心が心を守らなければいけないほどに、私は苦しかったんだ、と初めて気づいた。
今でも、たまに離人症の症状が起きる。
大抵、疲れている時とか人混みの中やストレスが溜まっている時。
視界がぎゅーーっと狭くなる感じがして、生きてる実感がない。
これを書いている今だって、なんだか現実感があまりない。
まるで、映画を観ている気分なのだ。
今度は、主治医に打ち明けてみた。
「離人症があるんです。どうしたらいいでしょうか?」
主治医は、心配してくれるだろうと思った。
主治医の口から出た言葉は、予想外の言葉だった。
「つまらない授業を聞いている時や眠い時、ぼーっとする事がありますよね。離人症はそれと同じようなものです。離人症が起きたら、ああ、今疲れているんだなとか思ってください。」
少しびっくりした。
冷たいな、と思ってしまった。
もっと寄り添ってくれるかと思った。
私はこの謎の現象に子供の頃から10年くらい悩まされているというのに。
それを、つまらない授業を聞いている時、眠い時と同じにされた事。
随分冷たい先生だ、と少し怒ってしまった。
でも、家に着くと、その主治医の言葉が妙に安心感に変わっていた。
そっか、この現象は大した事ではないんだ。
その事が、なんだかすごく安心になった。
10年近く悩まされていたこの症状。
その10年の苦しみのトンネルの出口が見えた気がした。
あの時、主治医がもしも「それは辛いね」「苦しいね」と寄り添ってくれるだけだったら。
もしかしたら、私はもっと苦しかったかもしれない。
いや、苦しかったと思う。
一見、優しそうな言葉だけれど、私の事を苦しめたと思う。
悲劇から抜け出せなかったと思う。
やっぱり主治医はすごいな、と思った。
今でもやっぱり現実感がなくなる事はある。
でも、もう私は強くなった。
「あー、今すごく疲れているんだな、休憩しよう」と自分の心の状態を知るバロメーター的な感じで使っている。
そう考えると、離人症は便利なものでもあるな、とさえ思えるようになってきた。
私は、10年間の離人症による闇から少しずつ抜け出せてきている。
あとがき。離人症について。
より多くの方に離人症を知って欲しいと思い、今回この記事を書きました。
離人症とは、このような症状の病気です。
離人症性障害とは、一時的に自身が感じている現状が現実であるかどうかの現実感が得られず、また、自分の感覚が普段と異なるように繰り返し感じてしまう離人症状といわれる症状が特徴の病気です。解離性障害のひとつに分類されています。
引用元:離人症性障害について
離人症についてもう少し知りたい人は、是非こちらの動画もご覧ください。
離人症について詳しく優しく説明されています。
離人症とは?症状と治し方を解説~臨床数15000回超の心理カウンセラー 竹内成彦
今回の記事で、色々な方が「このような病気があるのか」と知ってくれたら嬉しいです。
また、同じような症状で苦しんでいる方が少しでも楽になったらいいなと思っています。
最近はnoteでも記事を書いています! よければこちらも読んでみてください! TANOSHIKA piasu|note
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貴女の記事を読ませてもらいました。人生の中でいろんなことがあるけど自分を見失わないようにしてくださいね。
パグさん、コメントありがとうございます。「自分を見失わない事」。とても大切ですね。コメントを読ませてもらい、気付きがありました。そうしたいと思います。大切な事を教えてくださってありがとうございます。