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つい最近TVを見てたら人間ドックの企画で、ある方がセロトニンが不足していると注意を受けていました。セロトニンが足りないとやる気が出にくくなり、何かやろうという気も削ぎ、忘れっぽくなってしまうということをお医者さんが、仰っていました。
そんな悪いことだらけなのかというのを半信半疑に調べてみると、セロトニンが不足してしまうとうつ病になりやすい、などの例もあるそうです。逆にセロトニンとはそれだけ人間に良い効果をたくさんもたらしてくれるということでもあります。
今回はそんなセロトニンも含まれる「三大神経伝達物質」を中心にセロトニンとは何なのか、どうすれば増えるのかを紹介します。
1.やる気の正体は「三大神経伝達物質」
「やる気が出てきた」とか「やる気がない」といいますが、そんな「やる気」の正体は、三大神経伝達物質のドーパミン、セロトニン、ノルアドレナリンと呼ばれています。これらは精神を安定させる、生産性を上げるというのには必要不可欠で、この三大神経伝達物質がたくさん出ている状態を「やる気がある」ということです。
ドーパミン
やる気の分子とも言われるドーパミンは、脳の真ん中にある「側坐核(そくざかく)」という器官から放出している物質で、幸福感や楽しみを感じさせます。私たちがなにかで興奮したり喜びを感じるのは、このドーパミンがでているからです。
しかしドーパミンが欠如してしまうと、無気力になったり抑うつ感さえも感じてしまいます。食べ物からも摂取できるアミノ酸チアシンでドーパミンを増大できます、アーモンド、りんご、チョコレートなどを食べてみるのも効果が期待できます。
ノルアドレナリン
ノルアドレナリンはストレスに反応して分泌される脳内物質で、基本的な効果は心身の覚醒、興奮、集中力、判断力、身体能力を向上させます。ゲームや運動、恋愛などによって適度に分泌されると血が体に巡り、やる気のある状態になります。
これが不足してしまうとストレスに弱い体になってしまいますが、過剰分泌すると血圧が上がり、不安感が高まってしまうという症状がみられるので、コントロールが必要です。
セロトニン
セロトニンとは90%が小腸などの消化管に存在しており、脳にはわずか2%しかありません。しかし2%でも役割は重要なのを担っており、セロトニンの働きは不安感を失くして、精神を安定させます。ですのでセロトニンが不足するということは、イライラしたりボーっとしてしまいます。
セロトニン不足をどう解消するのかは後ほど説明します。
以上この3つの要素から「やる気」というものが、成り立っていました。この中のセロトニンに注目して掘り下げていきます。
2.セロトニンが不足すると出るサインとは
脳内に適切な量のセロトニンがあると前向きで幸福感が強くあって、心が落ち着き安心感に満たされた気持ちになります。逆にセロトニンが欠乏していると、ネガティブな気持ちから不安感やイライラが沸き起こってしまいます。それが続いてしまうと、うつ病や不安症などの精神疾患を引き起こしてしまいます。
セロトニンの働き
引用・神経伝達物質でもあるセロトニンは、神経から別の神経へと情報を伝達している化学物質です。脳内の強力な化学物質で、その存在の有無は私たちの気分を大きく左右します。この神経伝達物質は体内、脳内でさまざまな働きをしています。脳内においては、気分の調整、社会的行動、性欲、睡眠、記憶、学習に深く関わっています。
そんなセロトニンが不足するサインは、いくつかありますので紹介します。
甘いものや炭水化物を欲する
お菓子やチョコレート、フライドポテトなど甘いものやでんぷんを多く含む食べ物は、セロトニン値に大きく影響します。セロトニンが不足すると、炭水化物を多く含んだものを異常に欲します。
しかしこれらは一時的に値を上げて気分を向上しますがその後、急激に数値は下がってしまいます。このようなセロトニンの急激な減少は眠気、怒り、不安感、うつを引き起こしてしまいます。
眠れなくなってしまう
セロトニンはメラトニン生成にも深く関わっているので、セロトニンが低いとメラトニンも低くなってしまいます。睡眠に必要なメラトニンが低いと、体内活動のリズムも変わってしまいます。
こういう状態になってしまうと、自然な睡眠のリズムを維持するのが非常に難しくなってしまい、入眠や中途覚醒が頻繁に起こってしまい不眠症を引き起こしてしまいます。ただ1つの原因なので必ずしも、セロトニン不足だけじゃない可能性もあります。
不安がつきまとう
セロトニンを含む神経伝達物質は感情にも関わっているので、不足してしまうとなぜか、不安が拭えないようになってしまいます。人によっては不足はしていないのに、分泌ができない体質の人もいます。
もの忘れがひどくなる
セロトニンは認知機能にも大きく関わっています。適切な量だと認知力を大きく改善すると同時に、最大限に引き出します。思考力や記憶力にも影響しているので、欠乏していると記憶の整理に問題を抱えていると考えられます。
消化器系の不調
脳と消化器官の情報伝達に最も重要な役割を果たしているのが、セロトニンです。先ほども出ましたがセロトニンの95%は腸で生成されていますが、脳にいくことはありません。ですから脳内で使うセロトニンは、脳内で生成しなければいけません。
腸内のセロトニン研究はまだ比較的新しいのですが、これが食欲と消化に関わっていることは分かっているのですが、なぜたくさんのセロトニンが生成されるのかはいまだ謎です。また過敏性腸症候群とセロトニンの間に繋がりがあることが、科学的に証明されているので欠乏すると過敏性腸症候群の症状が現れます。
疲れが抜けない
エネルギー生成にも関わっているセロトニンは、新たに作られるたびエネルギーが沸いて疲労感も自然と消えます。さまざまな原因があると思いますが、慢性的な疲労感を抱えている方は、セロトニン不足かもしれません。
心の繋がりを持とうとしない
セロトニンは性欲にも関係していて、不足してしまうと性欲も無くなってしまいます。意外にも性欲というものがなくなってしまうと、人との心の繋がりを持とうとする力が減少してしまいます。
以上7つのサインでした。セロトニンが足りなくなるとここまで体や心に影響するぐらい大事な、化学物質だということが分かります。ではセロトニンが不足するのをどうやって補えばよいのでしょうか。次章で解説していきます。
3.セロトニンを補う方法
セロトニンは薬だけじゃなく自然療法でも補うことができます。誰でもできる3つの方法を紹介していきます。
食べ物
セロトニンは脳内で作られますが、必須アミノ酸の一種「トリプトファン」「ビタミンB6」「炭水化物」が必要です。トリプトファンは体内で作ることができないので、食事から摂る方法があります。食事から摂取したトリプトファンは、日中は脳内でセロトニンに変化し、夜になると睡眠を促すメラトニンへと変化します。
その主な食材はチーズ、豆腐、卵、牛乳、バナナなどに多く含まれていて「ビタミンB6」を合わせてとるようにすると、セロトニンの生成を促すので効果的です。ビタミンB6はレバー、マグロ、カツオ、にんにくなどに多く含まれています。
特にバナナはトリプトファン、ビタミンB6、炭水化物の3つを含み、手軽にとりいれることができます。
日光を浴びる
起床後に日光を浴びることで、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌が止まって、セロトニンのスイッチが入るといわれています。夜勤などのお仕事をされている方は、生活のリズムが不規則になりがちですが、起床後に日光を浴びるということを意識すると、セロトニンが分泌されるので、なるべく日光を浴びましょう。
運動をする
規則正しいリズムを繰り返す運動は、セロトニンの分泌を高めることが分かっています。運動といっても激しいものではなく、ウォーキングやスクワット、軽い体操で大丈夫です。
また運動とは違いますが一定のリズムを繰り返す日常的動作も良いです。例えば歯磨きやガムを噛むなどの動作でもセロトニンを増やす効果が期待できます。
運動においてはこの動画をご覧ください。自らが実験となって、運動をすることの大切さをとても分かりやすく説明してくれています。
まとめ・セロトニンを意識すれば自然と健康な暮らしに
今回「やる気」の正体は、セロトニンなどの神経伝達物質ということが、分かりました。促されたり増減することによって、人体にさまざまな影響が出てしまいます。不足するとうつ病なども発症してしまうというほど、セロトニンは欠かせないものです。
規則正しい生活を送れば自然と分泌されるものですが、現代社会はそうもいかないのも現状です。仕事が忙しくて時間が足りない、なんだか眠れないなど自分のことを追い込みがちですよね。
セロトニンを意識するということは、自分の体を癒す、健康にするということでもあります。まとめると「よく食べて、適度に運動して、睡眠をしっかりとる」ということが、セロトニンを生成、分泌するということなので、生活の当たり前を見直す機会と私は捉えました。
すべての体の好不調がセロトニンの有無だけではもちろんありませんが、意識することによって、ちょっとでも好調な生活を送りましょう。
参考元・ナースネット つなげる、やさしさ Medical Note FORZA STYLE
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