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こんにちは、nonoです。
最近急に冷え込むようになって、いよいよ冬が近づいてきた気がしますね。
冬は暖房で部屋を温めて、ご飯も熱々のお鍋やおでんを食べて、お風呂も熱い湯船につかる!…といった方法で寒さ対策をする人が多いかもしれませんが、冬に対策するべきものは寒さだけではありません。
ということで、今回は冬になると増えていく「ヒートショック」についてお話ししたいと思います。
寒暖差に潜む危険「ヒートショック」とは?
この頃、テレビやインターネットで目にするようになった「ヒートショック」という言葉。聞いたことはあってもどんなものかは知らない…という人も多いはず。
ヒートショックとは、簡単に言うと「急激な温度変化によって、血圧が大きく上がったり下がったりする」現象のこと。
冬は寒さをしのぐために、リビングは暖房を効かせて暖かくしているもの。でも、廊下やトイレ、お風呂場など暖房をつけていない場所はリビングと比べてずいぶん気温が低くなってしまいます。
暖かいリビングから出て寒い所に行くと、血管が縮んで血圧がぐっと上がります。その後、また暖かい所に行くと血管が広がり、今度は血圧ががくっと下がります。この急激な血圧の変動によって体に及ぼされるさまざまな悪影響が、俗に言うヒートショックなのです。
知っておきたい、ヒートショックのあれこれ
ヒートショックは脳卒中・心臓発作につながる!?
ヒートショックの主な症状はめまいと立ちくらみですが、さらに重症化すると失神・脳卒中・心筋梗塞などにつながって命に危険が及ぶ場合も。
特に入浴中は失神して溺れてしまうケースが多いそうなので、お風呂から上がった時などにくらくらすることが多いなら気をつけたほうがよさそうです。
寒い時期は入浴中の事故が急増!
家の中でヒートショックが一番起こりやすい場所は「お風呂場」だと言われています。
理由はもちろん、寒暖差が大きくなりがちだから。暖かい部屋から寒い部屋に移動し、さらに服を脱ぐことで体が冷えて血圧が上がります。そして間をおかずに熱いお風呂に浸かることで血圧が下がり、急激な血圧の変化が起こってしまうのです。また、お風呂に浸かった後も寒い脱衣スペースに戻る際にまたヒートショックのリスクが生じます。
現に、高齢者の入浴中の事故の発生率が高くなるのは11月から翌年3月までの寒さが続く時期。平成28年度の統計では、1年間の事故の約7割がこの5ヶ月間に発生していたというデータも出ています。
この入浴中の事故が全てヒートショックのせいで起きたものとは限りませんが、少なくともヒートショックがお風呂中の事故の危険を高めるのは確かなようです。
危険なのは高齢者だけじゃない!
お風呂場の事故で亡くなるのは高齢者が多いイメージがありますが、実は50歳以下の人でもヒートショックで死亡している例があるんです。
肥満・糖尿病などの疾患・循環器系の不調を抱えている方はヒートショックに要注意!また、健康な方でも食事や飲酒の直後の入浴は避け、しばらく間を置いてからお風呂に入るとよいでしょう。
今からでもできる!ヒートショック対策
最悪の場合命に関わることもある、危険なヒートショック。
特に高齢の父母などと同居しているお家では、お風呂場での事故には気をつけていきたいものですよね。
ということで、ここからはお家でできるヒートショックのリスクを下げる方法をいくつか紹介していきます。
部屋の寒暖差をなくす
ヒートショックの原因は、冬の室内での寒暖差。なのでなるべく温度差を作らず、家全体を温めるのが有効です。
床暖房や浴室暖房、さらにトイレにも小型のヒーターを設置するなどして寒い部屋をなくせば対策は完璧…ですが、それは予算的にも厳しいですよね。
リフォームは無理!という場合はお風呂場の脱衣スペースにだけでも暖房を置いて、入浴の数分前にあらかじめ電源を入れて温めておくとよいでしょう。暖房が届かない廊下やトイレでは、厚い上着やふかふかのスリッパなどで体を冷やさないように工夫するとOK!
お風呂の入り方にも一工夫!
ヒートショックの危険が一番高いのは、お風呂に入る時。
お風呂に入る時は以下のことを心がけてみると、ヒートショックの発生を抑えることができますよ。
・食事、飲酒の直後の入浴は避け、一時間以上経ってからお風呂に入る
・入浴の前後にはコップ一杯の水を飲んで水分補給
・入浴前に浴槽の蓋を外したり、シャワーでお湯を張ったりして浴室を温めておく
・湯船につかる前に、手足→胴体の順番で末端から体を温めていくイメージでかけ湯をする
・お風呂は熱々ではなく、41°以下のぬるめのものにする
・長湯をせず、10分以下で上がる
・湯船から出る時はゆっくり立ち上がる
・浴室の外へ出る前に体を拭いておく
入浴の際は誰かに知らせる
ヒートショックは対策をすることで大幅にリスクは下げられますが、完全に防げるとは限りません。
そのため、もしもの時に備えて「入浴の際は家族に声をかける」「家に一人でいる時はお風呂に入らない」といった習慣を作っておくことをおすすめします。
ヒートショックで倒れたり溺れたりしてしまった場合、生死を分けるのは発見の早さ。異変に素早く気付けるように、日頃から声かけなどを心がけていきましょう。
ヒートショック対策を万全にして、冬を乗り切ろう!
ニュースなどで話題にされ始め、少しずつ知られるようになったヒートショック。
その影響で亡くなったと思われる方は大勢おり、日本の「入浴中の事故・病気での不慮の死」の件数は世界でもかなり多いそう。また、過去の人口動態統計によれば河川・海でのものも含んだ「溺死」の死亡者数が「交通事故」の死亡者数を大幅に上回っているというデータも出ています。
そんなヒートショックの脅威を減らすために、複数の企業が協力して行っているのが「STOP!ヒートショック」の啓発活動。STOP!ヒートショックのサイトではヒートショックの対策法などをコラム、クイズ、動画でわかりやすく学ぶことができます。
また、tenki.jpのヒートショック予報でも全国各地の冷え込み具合をわかりやすく確認できるので、対策の際の目安にするとよいでしょう。
家族みんなで安心して冬を越せるように、ヒートショック対策は十分に行っておきたいものですね。
参考元:福岡県庁 消費者庁—冬季に多発する入浴中の事故にご注意ください!
Yahoo!ニュース STOP!ヒートショック tenki.jp
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