この記事は約 4 分で読むことができます。
1.はじめに
iPhoneが登場して約10年あまり。その間に、iPhoneは様々な進化を遂げました。今ではiPhoneは、障害を持つ人でも使いこなせるように、様々な機能が搭載されています。ここでは、iPhoneにどのような障害者向けの機能が搭載されているのかまとめてみました。
2.VoiceOver
VoiceOverの機能を有効にすると、iPhoneの画面に今何が表示されているのか、読み上げてくれます。
例えば、ホーム画面が出ているときに指で画面をなぞると、今触れている場所にあるアプリの名前を読み上げてくれたり、safariなどのブラウザ上でウェブサイトを見ているときは、そのサイトに書いてある文章を読み上げてくれたりもします。
他にも、バッテリーがどの程度残っているのか、誰が電話をかけてきたかなども読み上げてくれ、また読み上げてくれる速度も変更することが可能です。
3.VoiceOverの入力サポート
文章入力の際も、VoiceOverの機能は便利です。今、指で触れている画面上のキーボードの文字を一文字ずつ読み上げ、さらに入力するともう一度読み上げてくれます。iPhoneは点字入力も可能です。
4.VoiceOverの画像認識機能
VoiceOverの画像認識機能も優れています。写真に写っているのものが何なのか、読み上げてくれるのです。それが木なのか、4人の笑顔なのかを、読み上げてくれます。さらに標準の写真アプリ機能では、写真に写っている人々の表情も読み上げてくれるのです。
5.ディスプレイ調整機能
色覚異常などを持つ視覚障害者に対するサポートとして、iPhoneでは画面の色を反転させたり、見やすいように様々なカラーフィルタを選ぶことができます。色合いを微調整して、見やすいようにすることもできます。
6.表示機能
ズーム機能を使うと、App Storeからダウンロードしたすべてのアプリの画面を拡大することができます。また、フォントの調整もすることができ、表示される文字を太くすることもできます。
iPhoneのカメラを使い、レンズに写ったあらゆるもののサイズを拡大することもできます。フィルタを調整して色を識別しやすくしたり、写真を撮って写った物をクローズアップすることもできます。
7.Siri
標準搭載されているSiriの機能も便利です。
SiriはVoiceOverの機能と統合されているので、例えば、メールを送る、電話をかける、会議のスケジュールを設定する、VoiceOverの有効、色を反転させることなど、すべてSiriに語りかけることで、いろんなことができるようになります。
Siriに一番近い寿司屋の場所を訪ねて、その答えを音声で聞くこともできるようになります。
8.音声入力
音声入力を使うと、文字を打つ代わりに声で文字を入力することができます。キーボード上のマイクボタンをタップすると、入力したい文字を言葉で教えることができます。そのため、キーボードもまったく使わずに、メール、メモ、ウェブアドレスなどを簡単に入力することができます。
9.まとめ
以上、iPhoneの障害者向けの機能についてまとめてみました。これらの機能は、iPhoneではなくとも、最近ではあらゆるスマートフォンに搭載されています。そもそも、これらの機能は、ユニバーサルデザインの精神に基づいて搭載されているのです。
ユニバーサルデザインとは、「特別な調整なしで、最大可能な限り、すべての人々が利用しやすいように設計された製品、サービス、環境のデザイン」のことを言います。例えば、髪を洗うシャンプーの容器には、触っただけでリンスの容器と区別できるように突起が付いています。これが、よくいわれるユニバーサルデザインの例です。
IT製品が進化するなか、これからも様々なユニバーサルデザインの機能が搭載されていくでしょう。ユニバーサルデザインの視点に立って、様々な製品やサービスを見てみると、今までになかった新しい発見や、新たな課題が見つかるかもしれません。
コメントを残す