デジタル・フォレンジック -「確認したら、このメール削除ね」は通用しない-

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こんにちは、金次郎です。

 前の記事で書いた様に、3月26日〜4月4日の間は入院しており、手術後は点滴を打ちながらベットでテレビを見ておりました。
 ちょうど、中居正広氏とフジテレビに関する第三者委員会の調査結果報告の報道番組をやっていましたので見ていました。
 その中で、メールでのやり取りの内容を報告する場面が有りました。
 送受信したメールの内容がフリップに書かれていましたが、文章の最後に「見たら削除して。」という一文がありました。

 私は「削除されたメールの内容が何で分かるの?」と思いながら見ていました。
 それで、退院後に自宅でこの報道番組に関する情報を色々と検索して見たところ「デジタル・フォレンジック調査」と言う記事を見つけました。

 今回は、近年多発しているデジタル犯罪の調査にも使われている「デジタル・フォレンジック」と言う技術について書いてみます 

「デジタル・フォレンジック調査」ってなに?

「デジタル・フォレンジック調査」とは、どの様な調査をするのでしょうか?

デジタル・フォレンジック調査では、
 ・コンピュータ
 ・携帯電話
 ・サーバ
 ・ネットワーク
などのデジタルなメディアに埋め込まれているデータの解明を中心に、電子的なデータを調査し、そのデータを保護して復元する事です。
 ただ単に「削除ボタン」を押しただけでは、データやメールの内容は「見えなくなった」状態なだけでして、保存されている領域が分かれば復元出来るそうです。

これらの調査は、
 ・サイバー犯罪
 ・セキュリティ侵害
 ・デジタル不正行為
等の解明に貢献しています。

参照元:(servicenow)デジタルフォレンジックとは?

調査したデータ

 今回の中居氏とフジテレビの問題で、調査を担当したのは東京にある「デジタル・フォレンジック」を専門に行っている「foxcale(フォックスケイル)」と言う会社です

参考元:(foxcale公式) コミュニケーションから見えてくる不正の原因を”科学”する What’s foxcale

 同社は、フジテレビが社員に貸与しているパソコンとスマートフォンの全てと、一部の対象者に対しては私有スマートフォンも、本人同意のもとにメールやチャットの内容を調査しました。
 調査の過程で「データの一部を意図的に削除しました」と言う、フジテレビ社員の供述があったため調べてみたたところ

中居氏がフジテレビ社員に送った「見たら削除して」と要請したメールなど、
 ・ショートメール 437件
 ・LINE       86件
 ・Teams      1427件
合計1950件の発言が、2025年1月9日から2月1日にかけて削除されていた事が分かったそうです。

参照元:(ITmediaNEWS)中居氏のSMS「見たら削除して」→デジタルフォレンジックで復元 フジ第三者委、20万件以上のデータを調査(2025年4月2日)

この技術を使うのは、犯罪捜査だけじゃ無くなるかも

 「デジタル・フォレンジック調査」と言うあまり一般に馴染みのない調査技術ですが、実はもう日本の警察ではサイバー犯罪や個人情報流出事件などの捜査で活用していたりします。

また、一般企業も
 ・情報漏えいの調査
 ・サイバー攻撃を受けた時の被害調査
 ・何らかの事情で削除されてしまったデータの復元
などの案件で、デジタルフォレンジック調査をする会社に対応してもらっている様です

 更には、この技術を使ってスマートフォンのチャット履歴を調べ、「伴侶の浮気調査をします」なんて言う探偵事務所も出てきているそうです。

参考元:(zakzak)中居正広氏「見たら削除して」復元に威力 デジタルフォレンジックって?(2025年4月2日)

終わりに

 ・技術は進化する方向にしか進まない

 まさにそれを実感するような調査技術です。
 今回は民間テレビ局の問題で使われましたが、日本の警察は既にサイバー犯罪等の捜査で活用していると言うのも流石と思いました。
 今の日本では、著名人の色々な発言に対して誹謗中傷するコメントが多発しており「名誉棄損」で訴えられる事案も出て来ています。

 その様な場合も、
  ・誰がどの様な誹謗中傷コメントを書いたか?
を、調査で直ぐに特定されてしまう時代です。
 ネットで手軽に発言が投稿出来る時代になりましたが、あまり変なコメントを書きこまない方が良いですよ。

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