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改めまして、M.Jです。
「腰と膝が悪いのに立って並ぶのはキツイ・・・」
「スーパーで仕事をしている、なぜずっと立っていないといけないのだろうか・・・」
「車いすの人や高齢者がいるのに対応した受付が少ないのはなぜなのか・・・」
「昔からの風習なのか、おかしいと思っている人がいてもいいのだが・・・」
このように思っているかたにとって、今回の記事はかなり参考になると思います。
スーパーなどのレジの業務は「立ち続けないといけない」ことに加えて、客として「車いす使用者が来たとしても対応することが難しい」といった状態がずっと続いています。
また、市役所や銀行の書類の「記載台」、郵便局の「受付」、一部の病院の「外来受付」の机は、ものすごく高い位置にあるので、車いすの使用者や身長の縮んだ高齢者にとっては「使いづらく、厳しい環境」です。
車いすの人にとっては「受付の人がすぐに来てくれない」、身長の縮んだ高齢者にとっては「高いところでの作業を余儀なくされる」という「すごく厳しい世界」があるのです。
本当の意味で「バリアフリー社会ではない!」と痛感しています。
外出した時の「バリアフリーではない状況」によって、さまざまな悪影響が発生します。
「レジ職員が長時間立つことの膝の痛みの悪化」
「受付で勤務できる身体障がい者が少ない」
「車いすの人や高齢者にとっては外出しづらい環境」などです。
この問題、意外とスルーしている人が多いのではないでしょうか!
今回は、スルーしてはいけない問題「受付のバリアフリー化」について、以下の項目に沿って書きます。
⚫︎長時間立ち続けることの悪影響
⚫︎レジの職員などにとっては・・・
⚫︎車いすの人たちなどにとっては・・・
⚫︎どうすればバリアフリー化できるのか!
長時間立ち続けることの悪影響
スーパーやコンビニのレジの職員、ホテルの職員など「立ち続けないといけない」職業の人たちは、仕事で「苦痛を強いられている状態」です。
一方で、繁忙期の商業施設で「立ったままずっと並ばないといけない」お客様は、生活で「苦痛を強いられている状態」です。
仕事や生活の中で「長時間立ち続けないといけない状態」を強いられている人は多いように感じられます。
ただ、長時間立ち続けるという「苦痛を伴う同じ姿勢」をしてしまうと身体への悪影響は大きくなります。この「長時間立ち続ける状態」は、どのような悪影響を及ぼすのでしょうか?
①膝の痛みが強くなる
⚫︎立ち仕事を続けることで「変形性膝関節症」になる危険性がある
⚫︎ひどくなると「O脚」や「歩くたびに激痛」に悩まされるなど日常生活に支障をきたす
◎「進行」すると、歩いた時や立って仕事をしている時にも「激痛」が襲う
◎さらに「進行」すると、人工関節を入れる必要が出るなど、日常生活に支障を来たす
②腰の痛みが強くなる
⚫︎「筋肉・椎間板・靭帯」へのダメージが蓄積し「腰痛」が発生しやすくなる
◎「身体のゆがみ」「姿勢の変化」が起こる
◎姿勢の変化によって「痛みの増強」が起こり「病気が悪化」する
◎腰痛が「悪化」すると、日常生活に支障を来たす
③下肢静脈瘤になる危険性が高い
⚫︎立ち仕事を続けることで「下肢静脈瘤」という病気になる危険性がある
⚫︎「脚の血管が浮き出る」「脚にコブができる」などの症状が発生する
⚫︎動脈瘤ではないため生命に直結するリスクは低いが、「皮膚の炎症」が起こり、皮膚がえぐれたようになったり、「感染症」になる危険性が高くなる
参照:株式会社ミライズ(ジョブシフト):立ち仕事の腰痛や足の痛さは危険サイン!体への影響と対策とは《2024年11月28日》
上記の中でも特に「膝への負担」が大きいようです。
【長時間立ち続けることによる膝への負担】
《1》膝の「関節軟骨のすり減り」を加速させてしまう
《2》片方の膝に大きな荷重がかかる《例:体重50Kgの人→片方の膝に50Kgの負荷》
《3》膝のクッション機能が低下する
《4》膝の炎症が起こる危険性が高くなる
【⚠️注意】
◎軽度ー立ちっぱなしや歩行のしすぎで痛む
◎中等度ー安静時に痛みが出る
◎重度ー日常生活に支障をきたす《更衣や排泄の動作に支障》
参照:シンセルクリニック:立ち仕事で「膝が痛い」女性のための解決策!膝の痛みを和らげるための簡単な方法とは?《2024年10月26日》
スーパーやコンビニのレジの職員、ホテルの職員は「長時間立ち続けている」ので、膝痛と腰痛による「日常生活への支障」は想定しておかないといけません!
特に、膝においては「関節軟骨のすり減り」や「関節のすき間が狭くなる」などで「痛みや炎症を発生しやすい状態」になってしまいます。
膝の痛みがひどくなると「長時間立つことができなくなる」ので、仕事ができなくなります!
会社の経営者や管理職を含めた皆さんの中には「長時間立ち続けていることによる悪影響」をご存じでないかたもいるかと思います。
膝痛や腰痛が悪化すると「日常生活に支障を来たす」ので、何時間おきに「移動する」「座る」などの配慮が必要となってきます。
膝痛や腰痛の原因は「加齢」だけではないので、会社の「働き方改革」の中でも議論があってもいいのかもしれません。
【補足】
買物を含めた外出先で膝や腰の痛みが強い人にとっては「行列で並ばないといけない状態」が長時間続くと前述したレジの職員やホテルの職員と同様「外出が困難になる」といったことが簡単に起こります。
レジの職員などにとっては・・・
スーパーやコンビニのレジの職員、ホテルの職員などの職員は、雇用される条件として「長時間立ち続けられること」とされているようです。
ということは、「長時間立ち続けることができない」と仕事ができません!
簡単にいうと「座った状態でレジの業務」「座った状態でホテルの業務」はできないのです。
これは「社会的な損失」と言えるのではないでしょうか!
立ち続けなければならない業務は「腰痛や膝痛のあるかた」や「身体障がい者」にとって、すごく「ハードルが高い」です!
今後、日本は少子高齢化になるので、社会として「労働者を増やしていく」ことをしないといけないのですが・・・。労働する人数が「減少してしまう」という危機的な状況となっています。
「腰痛や膝痛のあるかた」や「身体障がい者」が、レジの職員やホテルの職員といった業務ができる方法としては、病院の事務のように『座った状態で業務ができるようにする』ことが考えられます。そのためには『心のバリアフリー』が欠かせません!
『心のバリア』は、どのようにすれば解消していくのでしょうか?
①共生社会の実現
⚫︎希望や能力に応じて、誰もが職業を通じて社会参加ができる
②労働力の確保
⚫︎できないことではなく「できること」に目を向ける
⚫︎活躍の場を提供する
③生産性の向上
⚫︎能力を発揮できるよう職場環境を改善する
⚫︎安全で働きやすい職場環境を整える
【心のバリアを解消する方法】➡︎ 企業で労働者を増やしていく方法
①雇用について理解を深める
◎バリアフリー雇用をイメージする
《『座った状態でレジ業務をする・座った状態でホテルの業務をする』》
◎バリアフリーについての社内の研修の実施
◎社内での検討
《『座った状態での業務』に対して積極的に取り入れること》
②受け入れ体制を整える
◎施設などの改造
◎担当者の配置をする→社員やお客様に対して説明する人の配置
《「腰痛や膝痛のあるかた」や「身体障がい者」に対する理解のある担当者の配置》
これに加えて雇用される障がい者数もまだまだ少ないです。法定雇用率における「障がい者の割合」が少ないのです。
法定雇用率における障がい者の割合は、どのようになっているのでしょうか?
【基準】
《1》民間企業➖2.2%
《2》国・地方公共団体など➖2.5%
《3》教育委員会➖2.4%
参照:厚生労働省:障害者雇用のご案内~共に働くを当たり前に~(PDF)《2018年4月1日》
今後は、レジの業務も「多様性」があってもいいと思います!
レジの職員が「座った状態でできる」ような配慮、座って行なっても「クレームがつかない社会」になれば、膝や腰の痛い人に加えて「身体障がい者」の雇用も進んでいくと思います!
そのためには、会社内で「1に理解、2に理解、3・4が無くて、5に理解」というように「座って業務ができるシステムへの理解」が必要となってきます。
膝や腰の痛い人、身体障がい者にとって「働きやすい社会」は、皆んなにとって「働きやすい社会」なのではないでしょうか!
車いすの人たちなどにとっては・・・
家から外出していくと、意外と「バリアフリーではない環境」があります。
車いす使用者や身長の縮んだ高齢者からみると「厳しい世界」が待っています。
市役所、銀行・病院など(以下、公共機関など)の受付は「立って作業する人に適応した配置」になっています。
車いす使用者や身長の縮んだ高齢者からすると「不便な構造」になっています!
実際にはどのような課題があるのでしょうか?
【公共機関などの建築物の課題】
①サービスへの対応
⚫︎窓口がわかりにくい《すごく高いところに案内板がある》
⚫︎記載台が高い《立って作業しないと書類が書けない》
②建物の狭さ
⚫︎車いすが通れるスペースが確保されていない
《1人の車いす利用者が通る時:90cm以上必要!》
《車いす利用者同士が通る時:180cm以上必要!》
③ユニバーサルデザインへの対応不足
⚫︎段差の解消はできているものの・・・
⚫︎手続きなどで「人が多い」と車いす使用者や押し車の人は通行が難しい
⚫︎受付の人がすぐに対応することができない《構造上の問題》
参照:筑後市:筑後市庁舎のあり方基本構想(PDF)《2017年8月14日》
参照にした筑後市では、古い庁舎の利便性を高めるために、新しい庁舎をバリアフリーにするなど、利用する人も働く職員にも使いやすいものに変えていく計画を立てていました。
筑後市の例に限らず「公共機関・銀行・郵便局・一部の病院の受付」は、記載台や受付の机が「高い」というバリアフリーではない環境です!上記でいうと③の「ユニバーサルデザイン」ではないというところです。
車いす使用者や身長の縮んだ高齢者にとって、記載台や受付の机が「高い」と「書類が書けない」「受付の人を呼ばなくてはならない」ことに加えて、構造上に問題がある場所では「受付の人がすぐには来れない」ということが発生してしまいます。
座って書類が書ける「低い台が少ない」、受付の人の「移動スペースが狭い」という厳しい世界が待っているのです!
何とかして、車いす使用者や身長の縮んだ高齢者にとって「生きやすい環境」になってほしいと願っています!
どうすればバリアフリー化できるのか!
この記事をご覧の皆さん、いかがでしたか?
しっかり観察していくと、意外と「バリアフリーはできていない」と感じていただけたのではないでしょうか?
確かに、段差解消や自動ドアの設置は進んでいます。
しかし、外出すると「立ち続ける仕事が多いこと」に加えて、市役所や銀行などの受付が「高いところにある」、買物をしようすると買いたい品物が「高いところにある」といったことが多く見受けられます。
これらの課題をまとめると以下の通りです。
【受付の課題】
《1》建物の構造上の課題
《「立った状態での作業を強制される」「受付の人の移動スペースが空いていない」》
《2》会社の理解不足
《本当の意味での「バリアフリー」に対する理解不足》
《3》働きやすい社会・生きやすい社会になっていない
《「立って作業をしないといけない」という概念》
上記の《1》〜《3》の課題を解消して「バリアフリー」にするためには以下のことが必要です。
【受付のバリアフリーに向けて】
◎記載台を座ってできる位置に設定する
◎受付の人が動きやすい工夫(=開閉できる受付ゾーンの導入)
◎レジの職員やホテルの職員が「座って仕事ができる」工夫
◎混雑時の通路(=ユニバーサルゾーン)の設定→車いす専用通路など
今後、健常者と障がい者が「生きやすい社会」となる「共生社会」の実現のためには、受付の「バリアフリー化」は必要不可欠なのではないのでしょうか!
記事をご覧いただき、どうもありがとうございました!
今回の記事は、以下の文献を参考にしました。
参考:株式会社A.T.S.(キャリテ):立ち仕事の身体への影響は?メリット・デメリットや座り仕事への影響《2022年3月9日》
リハサク:立ちっぱなし腰痛はなぜ起こる?痛みの原因や立ち仕事が楽になるストレッチを紹介《2024年7月5日》
リハサク:【40代・50代向け】膝の痛みを症状からチェック!膝痛に効くセルフケアも紹介《2024年7月26日》
日本整形外科学会:変形性膝関節症(PDF)《2010年7月16日》
以下は、障がい者・高齢者に対して市役所・銀行・病院などで「サポートを適切にするための方法」がわかりやすく書いてあります。ご覧になっていただけると有り難いです。
参考:大分県:街中での案内・介助の手引きーユニバーサルデザインの視点からー(PDF)《2007年6月12日》
以下は、障がい者に対応した建築物の基準などがわかりやすく書いてあります。ご覧になっていただけると有り難いです。
参考:国土交通省:バリアフリー法の概要について(建築物関連)(PDF)《2021年9月30日》
以下は、市役所・銀行・病院などの窓口をイメージした画像が入っています。まだまだバリアフリーには程遠い感じです。ご覧になっていただけると有り難いです。
参考:楽天ブログ:これが窓口2.0システムか!《2006年11月5日》
以下は、今回の記事の基になった素敵なライターが引き出したわかりやすい資料です。ご覧になっていただけると有り難いです。
関連記事:FNNプライムオンライン:『スーパーのレジ椅子』/作業効率や負担軽減のため導入増加「印象悪化」店は気にするが、多くの客は「座って接客“あり”」医師も“立ちっぱなし“に警鐘《2024年6月28日》
以下は、私が以前「膝の病気の予防」について書いた記事です。ご覧になっていただけると有り難いです。
【推奨記事】
以下は、今回の記事の基になった素敵なライターが書いた記事の特集です。ご覧になっていただけると有り難いです。
これまでに私が書いた記事です。ご覧になっていただけると有り難いです。
Noteのほうにも記事を書いています。ご覧になっていただけると有り難いです。
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