子どもの付き添い入院での、ご両親の身体的・精神的負担とは?病院は約4割要請。

付き添い入院

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

元々あった話とはいえ、昨今特に「身体的・精神的負担が増した」と言われている、「付き添い入院」。

小さいお子さんがおられるご家庭では、病院から付き添いを頼まれて、一緒に退院するまでの生活を送る、という話を、よく耳にします。

私自身も、小学1年生の時、利き腕の左腕を骨折して、母が暫く「付き添い入院」をしていました。その時の話は、母から聞いた話をベースに、最後の自分の感想で、述べさせて頂きます。

こども家庭庁は2024年4月12日、入院する子どもの世話を家族が病院に泊まりこみで行う「付き添い入院」に関する実態調査の結果を明らかにしました。入院する時におよそ4割の医療機関が「付き添い入院」を家族に要請している実態が判明しました。

今回は、「付き添い入院」の実態調査が行われた2023年と、調査結果が出た2024年のデータを元に、この問題について考えていきたいと思います。

NPOが独自に「付き添い入院」の実態調査結果発表。それを受け、2023年秋に、「付き添い入院」の実態調査を実施すると、こども家庭庁発表

2022年11月から12月にかけて、支援団体「NPO法人キープ・ママ・スマイリング」は、「付き添い入院」など病気のお子さんに病院で付き添う経験した人を対象にネット上でアンケート調査の回答を募り、およそ3600人から集まりました。

主な項目の結果は、

▽お子さんの「付き添い入院」を病院に希望を出したか否か

「希望するしないに関係なく、付き添い入院が必須だった」…70.8%、

「希望を出した」…27.7%

▽「付き添い入院」を病院から要請されましたか?

「病院に要請された」…79.1%

「病院に要請されていない」…20.9%

「付き添い入院が必須」が7割、「付き添い入院を病院に要請された」も8割近くと、希望を問わずに、病院からの要請に応じて、「付き添い入院」をする親御さんが多い状況が分かります。

▽1日当たりの「付き添い入院」でお子さんのケアに費やした時間

「21~24時間」…25.5%

「15~18時間未満」…12.7%

「12~15時間未満」…11.7%

「12時間以上」と回答した人はトータル61.3%に上りました。

▽「付き添い入院」で行ったお子さんのケアの詳細
「食事の介助」など身の回りの世話以外にも、「バイタル確認」や「吸引・吸入」、「胃管交換」、「心電図モニターの取り付け」など、医療的ケアを含む色んなケアを任されたとの回答も届きました。

こうしたお子さんのケアの中には、公的医療保険制度では、患者の年齢に関係なく、「療養上の世話」として原則は看護師などが実施する業務に位置づけられているものも含まれ、現場の人手不足を「付き添い入院」をする親御さんが補完している現実が分かります。

▽「付き添い入院」中の食事の調達先

「主に院内の売店やコンビニ」…65.1%

「主に院外のコンビニやスーパー、売店」…8.5%

「主に病院から付き添い入院をする人に提供される食事」…5.6%

「付き添い入院」をする親御さんへの病院からの食事の提供は、実施されている病院も一部あるものの、まだ実例がないことが分かります。

▽病室での睡眠を取ることに関して

「子どもと同じベッドで寝る」…51.8%

「病院から借りた簡易ベッド」…32.9%

「椅子、ソファー」…6.4%

自由記述には、看護師の巡回の音やモニターのアラーム音、同じ病室の子どもの泣き声などでゆっくり眠ることができなかったとの回答もありました。

また、公的医療保険制度上、親御さんの「付き添い入院」は任意ですが、付き添い入院によってケアが長期に渡って、「付き添い入院」中に体調を崩したことがある」と答えた人は51.3%に上りました。

2023年6月1日、実態調査の結果を踏まえ、支援団体「NPO法人キープ・ママ・スマイリング」は、親御さんの生活環境などの改善に励む様に、厚生労働省とこども家庭庁に要請を提出しました。

要望書では、▽厚生労働省とこども家庭庁が協力をする上で、病院やNPO団体などとも協力し、親御さんの経済的支援や生活の支援に励むことや、▽入院をする時の付き添い環境の改善に向けた検討会を発足することなどを要求しています。

これを受け、こども家庭庁は、お子さんが入院する病院を対象に、親御さんが「付き添い入院」をする時の睡眠や食事などの生活環境や、病院による支援の状況などに関して、厚生労働省と協力して実態調査を実施することになりました。

実態調査は2023年秋に行い、入院するお子さんの家族や関係する支援団体の意見なども踏まえて課題や実態を把握しつつ、国として必要な対応や支援の在り方を検討します。

要請を提出した後、支援団体「NPO法人キープ・ママ・スマイリング」の光原ゆき理事長は、「入院するお子さんに付き添い入院をする親御さんの環境は厳しくて、過酷な状況です。国がリーダーシップを執り、病院や私たち支援団体が連携して、親御さんが安心してお子さんを見守り、付き添い入院できる環境を作っていかなければと思います」と説明しました。

国は、ご両親のための食事を提供したり、ベッドを用意したりする病院もあり、支援指針の総括や、参考となる事例集の作成などで、負担に悩む家族の状況改善に役立てたい考えでいます。

参考:「食事や睡眠もままならない…」“付き添い入院”過酷さ改善を NHK NEWS WEB(2023年)

医療現場からも「付き添い入院」の環境の改善を要求する声が高まっています。

佐賀県佐賀市にある佐賀大学医学部附属病院では、入院中のお子さんに「付き添い入院」をする親御さんに対して、支援団体から提供される衛星用品や、スープ、カレーの缶詰などが入ったセットを毎月配布しています。

受け取ったお母さんからは「子どもの入院が長期化すると自分の食事に困りますし、経済的にも負担になるので、こうした支援はとても有り難いです。応援して頂いていると感じて励みになります」と語りました。

佐賀大学医学部附属病院では、▽親御さんの負担を軽減するため保育士が子どもを一時的に預かる以外にも、▽家族が寝るための簡易ベッドを有料で貸し出しているなどの対応を行なっています。

一方、「付き添い入院」の環境や看護師の配置を大幅に変えることは病院だけでは難しく、「付き添い入院」の制度そのものの改善が必要だと考えています。

佐賀大学医学部附属病院の小児科の医師の男性は、「入院中の子ども達にとって付き添う家族は欠かせない存在にも関わらず、今の付き添い入院の制度だとその家族の存在が無いことになっているのが問題ではないか」と危惧しています。

また、「付き添う家族にも食事提供をするなどといった、病院の環境を改善する必要もあります。一方、どうしても付き添い入院できない家族もいることで、そういうお子さんには親御さんの付き添い入院がなくても、安心して入院できる体制を整備すべきで、国に対策を考えて頂きたく感じています」と述べました。

2024年4月、こども家庭庁が「付き添い入院」の実態調査の結果を発表

こども家庭庁などが日本各地の病院を対象に実態調査を実施した結果、お子さんが入院する時に、家族に「付き添い入院」を要請する病院が約4割まで達することが判明しました。

実態調査は子どもの入院に対応している全国751の病院の中で、約半数となる349の病院から回答を得ました。

お子さんが入院する時の「付き添い入院」に関して

「お子さんの病状などを勘案した上で、基本的に付き添い入院を要請している」が43.6%、

「付き添い入院の希望があった時には、原則全てのお子さんに対して付き添い入院を許可している」が29.8%、

「付き添い入院の希望があった時には、特定の条件お子さんに対して付き添い入院を許可している」が20.3%、

「基本的に付き添い入院は許可しない」が6.3%でした。

「付き添い入院」を病院側から依頼する条件(複数回答)

「入院するお子さんが特定の年齢・月齢以下であること」が79%

「入院するお子さんが医療的ケア児であること」が50.3%

「入院するお子さんが特定の疾患を抱えていること」が26.6%などとなりました。

その上で、家族が「付き添い入院」をすることが困難で、お子さんの安全確保などが難しいことから、結果的に入院するまでに至らなかったり、それ以外の病院への転院の調整などの対応を行なったことがある病院は36.1%でした。

家族が病室内で寝る時の簡易ベッドなどの寝具のレンタルに関して

「レンタルできる」が85.2%、

「レンタルできない」が14.8%でした。

寝具のレンタルができない時の家族の就寝方法(複数回答)

「お子さんと同じベッドで寝ている」が74.5%、

「病室の椅子やソファーなど」が63.8%、

「家族が持ち込んだ寝袋・簡易ベッドなど」が21.3%などでした。

付き添う親御さんの食事環境について(複数回答)

「コンビニを利用」が80.9%で最も多く、

「食堂・レストランを利用」が44.8%、

「病院食を利用」が29%、

「デリバリーを利用」が7.1%、

「外部団体による支援を利用」が4%で、

「その他」も32.1%でした。

「その他」としては、家族からの差し入れやキッチンカー、自宅からの持ち込みなどの回答がありました。

国は2024年6月から新しい診療報酬を「付き添い入院」に適用させ、保育士などの手厚い配置を病院に促進させるなどとして、家族を支援する体制を整備します。

参考:「病気のわが子の隣で」“付き添い入院” 病院の4割超が依頼 NHK NEWS WEB(2024年)

私の母の「付き添い入院」

私は小学校に入学して間もない時に自転車から落ちて、左腕の骨にひびが入り、次の週学校に行くと、机の横に置いてあった荷物に引っかかって、完全に骨が折れて、入院することになりました。

まだ小さかったので、母が「付き添い入院」をすることになりました。母の「付き添い入院」は、5月下旬から7月上旬まであって、あの当時から大変だったみたいです。

ベットは母の分まで病院が用意してくれましたが、食事は私が食べる小児用で全部食べないので、残りを食べたり、お風呂は私を入浴させる時に、母も一緒にサッと身体を洗ったり。

私が小さかったことで、騒がない様にするために、1日中そばにいて、私を見守ってくれました。

入院中、私の祖父母が見舞いに来て、祖母が私を観ている間に、母は自宅に戻り、帰宅した時には、掃除、洗濯、父と父方の祖父の食事作りをしたりと、時間がどれだけあっても足りなかったそうです。

家にいた父と、父方の祖父は、普段はスーパーの惣菜や外食をして、食事を済ませました。

当時母は買ったばかりの新車でしたが、私が入院中、病院の駐車場に置いたままで

、1ヵ月も経たない内に、雨風にさらされ、すっかり汚れていたそうです。

何より母が重要だと言っていたのは、「付き添い入院」で、1ヵ月以上、仕事を休むしかなかったということだったといいます。

母が「付き添い入院」で大変だったのを今になるまで理解しないまま、「小学生になって、初めての誕生日は病室で迎えたな」とか、「左腕が折れてから、右腕の長さと、違うもんなぁ」しか思っていませんでした。

こうやって母の「付き添い入院」を文章化すると、自分が知らなかっただけで、いかに大変だったかと感じました。

あの当時も大変でしたが、今でも「付き添い入院」が話題に上がるほど、大変な話です。

国は実態調査の結果を受けて、2024年6月に方針を打ち出すらしいので、ご両親が「付き添い入院」になっても、以前より処遇が改善されることを期待したいです。

noteでも書いています。よければ読んでください。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎、右手人差し指に汗疱、軽く両膝の軟骨すり減り、軽度に近いすべり症、坐骨神経痛などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。