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こんにちは、翼祈(たすき)です。
災害が多い日本では、多くの災害対策、防災対策グッズが開発されています。
水に浮かぶ発泡スチロール製シェルターや、プライバシーも守れる災害時用段ボールドームも開発が進んでいます。
近年は広い敷地のある神社やお寺が避難所として活用されるケースもあるそうです。
今回は災害対策の最新のトレンド②について、お知らせしたいと思います。
発泡スチロール製のシェルター
津波や洪水から身を守るため、発泡スチロール製のシェルターを兵庫県洲本市本町1にある民間保育園「洲本オリーブ保育園」が取り入れました。浸水した時に発泡スチロール製のシェルターが浮かんで、中に避難した人の命を守ってくれます。
発泡スチロール製のシェルターは静岡県静岡市にある建設会社の小野田産業が開発しました。難燃性の発泡スチロールで、耐水性や耐衝撃性に優れている合成樹脂ポリウレアが表面に塗装されています。乗用車を上から落とした場合でも壊れない設計だということです。
同「洲本オリーブ保育園」は縦横3.25m、高さ2.25mの製品を250万円で買いました。大人なら約15人、子どもなら約20人が余裕で入れます。「保育所への納入は珍しいケースでした」と話した同小野田産業。理事長の男性は「シェルターの内部にカーペットを張り、日常から園児が慣れる環境にしたい」と説明しました。
参考:津波や洪水に備え、発泡スチロール製シェルター 洲本の保育園が導入 神戸新聞NEXT(2022年)
災害が発生した時に、神社やお寺を避難所に、の取り組み
災害が発生した時の避難所として、地元の寺や神社などの宗教施設を利用する取り組みが拡大しています。住宅地に近い高台に立地していたり、広い空間や炊事場を完備している点が評価され、東日本大震災や熊本地震では被災者の多くが避難してきました。近年激甚化する災害に備え、神社や寺と協定を結ぶ自治体も増加傾向です。
2018年、福岡県福岡市博多区にある光薫寺は、災害が発生した時にJR博多駅周辺の一時滞在施設となる協定を福岡市と締結しました。広間や客殿などで144人の避難者を最長3日間受け入れる計画となり、住職の男性は「飲料水や保存食などを備蓄し、何かあった時に備えています」と説明します。
共生学が専門の大阪大学の教授の男性ら専門家が2019~2020年に全国の市区町村に実施したアンケート調査では、自治体と災害協定を締結した神社や寺は661ヵ所で、2014年の2.4倍に増えました。締結した自治体数も121に上り、2014年から3割近く増加しました。
伝統仏教の宗派などで構成された全日本仏教会が大和証券と2021年に実施した世論調査では、「お寺などで導入すべき社会貢献活動」には、「災害が起こった時の避難所の指定」との回答が約6割に上りました。同全日本仏教会の理事の男性は「寺は高台に立地することがほとんどで、広い駐車場や畳敷きの部屋があり、避難所としての役割が期待されていると思います」と分析します。
熊本県熊本市西区にある北岡神社では、2016年4月の発生した熊本地震で和室や炊事場が完備されたコンクリート造りの神社会館が避難所の指定となりました。高齢者ら約20人が最長で約10日間北岡神社で過ごし、宮司の男性は「これから先も大きな災害が起これば、可能な限りサポートしていきたい」と話しました。
国も神社や寺との連携を求めていて、内閣府の避難所運営ガイドラインでは、自治体からの避難所の指定で「お寺、神社等宗教施設の活用を検討する」様に促進しています。
参考:寺や神社を災害時の避難所に、災害協定結ぶ自治体が増加…高台に立地・広いスペース備え 読売新聞(2022年)
ですが、神社や寺の利用を加速していく上で課題も残ります。古い寺社では耐震性が不十分ではない建物が多くなります。被災者の受け入れた数で文化財が破損した時の賠償する時への不安も拭えません。過去に発生した災害では、神社や寺であることを理由に自治体側が連携できていないと誤解を招き、支援物資が届かないケースも起こりました。
共生学が専門の大阪大学の教授の男性は、トラブルを避けるべく予め、災害が発生した時の対策を決定する協定の重要性を指摘します。そして、「国や自治体が神社や寺までの避難経路に街灯、手すりを整えたり、予算措置を含むサポートも促進すべきです」と強調しました。
災害時用段ボールドーム
群馬県立安中総合学園高校の生徒達が、災害が起きた時に、避難者向け住居で使える「災害時用段ボールドーム」の開発を進行しています。キャベツなど農作物を保存する為に撥水加工を施している段ボールを使用し、屋外での利用もできます。
「災害時用段ボールドーム」は直径4m、高さ2m。三角や台形にカットされた段ボールのパーツ45枚を繋ぎ合わせて自立させます。各パーツは車の内装固定に使用される樹脂製リベットで重ね合わせます。設計作業に慣れた人が5人いると50分程度で完成します。防水加工の段ボールは、群馬県高崎市にある包装容器総合メーカー「マタイ紙工」が無償で賛同しました。
広さは小ぶりのベッド2つが余裕で入ります。換気と灯取りを兼ねた窓を設置し、機能性も向上させました。
これまで、避難所となる体育館などは一人一人のプライバシー確保が喫緊の課題でした。「災害時段ボールドーム」では着替えや診療、授乳の場としても安心して利用可能な「個室型」になる様に配慮されました。
参考:段ボールドーム 災害避難に 総合学園高生が試作 安中市役所に展示 読売新聞(2022年)
防災士の資格を持つ女性の作った、防災すごろく
関西国際大学経営学部3年に通学している女性が、地域の防災力を向上させたいと、兵庫県にある三木市内で防災の活動を継続しています。高校2年生の時、労災で父親を失くし、危機管理を深く学びたいと同関西国際大学に進学しました。「労災以外にも、もっと広い役割で人の命を救いたい」と、防災グッズの作り方などを教えています。
女性は同関西国際大学の学内の防災サークルに所属し、防災士の資格も所持しています。同三木市から「避難所運営サポーター」の委嘱も受けました。大学で学んだ知識を同三木市に還元したいと、防災に関して考える催しの開催を東紫美ケ丘地区の自治会長に直接依頼しました。催しの内容は全て女性が考案し、2022年4月の初回は、同三木市に住む住民と共に三木市内を歩いて、危険箇所などを直接伝えました。
女性は新聞紙や広告チラシを利用した座布団の作り方を催し内でを紹介。2018年に北播磨地域を襲った大雨による激甚被害の時、近くの高校に避難した体験を述べました。「布団や毛布が避難所にはないので体を痛めてしまいました。工夫をすることで気持ちが軽くなり、知らない人とも知識の共有で会話を広げられるメリットもあります。知識があるだけでも避難所では強みになります」と提案しました。
女性が防災サークルの仲間と作った「防災すごろく」もお披露目しました。「津波警報の発令で高台に走った。3マス進む」「避難所で非常食を食べてみた。経験値アップで1マス進む」など同三木市の住民らは楽しみながら防災意識を高めていきました。
参考:きっかけ父の労災 防災士の大学生、住民と取り組むまちづくり「災害時助け合える地域に」 三木 神戸新聞NEXT(2022年)
警視庁災害対策課のTwitter
警視庁災害対策課のツイッターが11日、運用開始から10年を迎えた。身近な生活用品を使った防災対策などを紹介して人気を集め、フォロワー数は90万超に上る。
17年10月、2枚の硬貨で菓子などの袋を開ける方法を紹介した投稿は、15万超の「いいね」が付いた。はさみを硬貨で代用する工夫が日常生活にも活用できると関心を集めた。
これまでに私は、
障害者のサポートグッズを始め、キキクル、フェーズフリー、沐浴ボランティアなど12個以上の災害の記事を書いて来ました。調べていて、どれも文章として残したいと思い、かなり数が多くなりましたが沢山書いて来ました。
どれか1つでも読者の皆さんのお役に立てましたか?お役に立てたのであれば、ライター冥利です。今のところ書こうと決めていた災害に関する記事は一区切りとなります。また何か良い情報があれば発信したいと思います。
今後も書こうと控えている記事もありますし、定期的に発信しておきます。お付き合い頂けると、嬉しいです。
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もしもに備えてランタン、テント…キャンプ用品が防災グッズに 充電や空間確保、メーカーなど活用法提案 神戸新聞NEXT(2023年)
noteでも書いています。よければ読んでください。
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