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こんにちは、どうも、ゆたです。
私は今まで、学校のあれこれについて、記事を書いてきました。
「学校でのスマホ禁止」広がる〜子どもとデジタルの程よい距離感を探るためにはどうすべきか〜
学校給食での食べ残し、ふりかけ持参論争勃発?~給食のこれからについて考えてみた~
それは私の周りには学校の先生をしている人が多くいたり、私自身学生と関わる機会が多くあって、興味があり、調べてみた結果や聞いた話を記事にまとめてみたりしています。
偏った意見がないように、どちらの視点でも納得いくような記事を心がけてはいますが、時として自分の意見を語ってしまうこともあります。
今回は個人的に「日本の教育のここが遅れてるなー」と感じてしまう部分の話を記事に書こうかなと思っています。
なのでもしかしたら、偏った意見になってしまう可能性もあります。
後、前もって言っておきたい部分として、日本の教育には素晴らしい部分も沢山あります。
先生たちの努力も痛いほど知っているし、学校に通う子どもたちのキラキラした笑顔も不登校で悩みながら前に進もうとする子どもたちのことも人一倍、理解しているつもりです。
なので、一部を切り取って日本の教育は悪だ!
なんて、絶対言いませんし、これを読んだ方にそう思われないよう、慎重に記事を書くつもりですので、そのことをどうか理解して頂けると嬉しいです。
長々とすみません。
それでは今回の題材「日本の性教育について」話していこうと思います。
日本の性教育は遅れている? 世界と比べてみると。
早速本題ですが、皆さんが学生の頃、性教育についてどう学んだか、覚えていますか?
小学校の頃は男女に分けて話がありました。
私が覚えている範囲では男の子の方では、男性器から精子が出る仕組みについての話が主だったと思います。
女性の方はあまり知らないですが、きっと初潮についての話だったのではないでしょうか?
私が授業を受けたのは、確か小学5年生の頃だったと思います。男子は大盛り上がりだったので、先生はさぞ、やりにかったことでしょう。今更ながら謝罪したいですね笑
さて、このように日本では性教育として、男女の体の仕組みについての話を聞きますが、これでは不十分だ、という意見があります。
現在の世界基準の性教育の内容として、メジャーになっているのが、包括的性教育と呼ばれるもので、日本ではまだ、導入されていないようです。
この「包括的性教育」とは、子供や若者がセクシュアリティについて前向きに考え、受け入れ、実践することができるように応援する学習プログラムのことで、日本の従来型の性教育では生殖機能や性感染症に特化して教えるものとは異なり、セクシュアリティの様々な分野について包括的に教育するためのプログラムです。
包括的性教育の特徴は以下のようなものがあります。
・科学的に正確であること ・徐々に発展すること ・年齢・成長に即していること ・カリキュラムベースであること ・包括的であること ・人権的アプローチに基づいていること ・ジェンダー平等を基礎にしていること ・文化的関係と状況に適応させること ・変化をもたらすこと ・健康的な選択のためのライフスキルを発達させること
①人間関係
②価値観・人権・文化・セクシュアリティ
③ジェンダーの理解
④暴力と安全確保
⑤健康とウェルビーイング(幸福)のためのスキル
⑥人間のからだと発達
⑦セクシュアリティと静的行動
⑧性と生殖に関する健康
と、箇条書きでまとめて書きましたが、正直わからない部分があると思います。
なので、性教育が進んでいると言われているオランダの授業を例に見ていこうと思います。
今回取り上げるオランダの性教育では10歳〜11歳の子供たちに対する性教育です。
日本で言うなら小学5年生なので、時期的にはさほど違いはないようです。
さて、授業が始まると、先生は子どもたちにこう問いかけました。
「親戚のおばさんにキスされたら、どう思う?」
それに対し、いいと思う、嫌だと思う、というグループに分かれていきます。
「いいと思う」と考えたのは3人。一方「嫌だと思う」と感じたのは22人でした。
グループに分かれたあと、子どもたちは「なぜ自分はそう思うのか」を言葉にして、議論をします。
いいと思う側の児童は「おばさんは仲のいい親戚だから嫌ではない」といい、嫌だと思う側の児童は「僕はキスさせるのは好きではありません。お父さんやお母さんでさえも嫌です」と言っています。
こうした議論の中でルールを設けており、人の意見を決して笑ったり、否定してはいけないこと、相手の意見には真剣に耳を傾けることを決めています。
このルールのおかげで少数派であっても臆することなく意見が言えるのです。
次の問いは「Tシャツを着ていない写真を送って」と恋人に言われたらどう思う?」と言うものでした。
再び、子どもたちは周りを気にせず、「問題がある」「問題がない」に分かれていきます。
「問題がある」が18人、「問題がない」が7人。
問題ない側に集まったのは全て男の子でした。
問題ない側の意見としては「プールで遊ぶときもTシャツは着ないでしょ? だからなんとも思わないよ」といいました。
その意見を聞いて、一人の女の子が考えを変えたのか、両グループの中間の位置へと移動します。
その行動を見て、先生は「どうして考えを変えたのかな?」と質問します。
「Tシャツを着ていなくてもブラジャーをしていればトップスと変わらないので、いいのかなと思いました」と述べました。
一通り議論した後、先生は真剣な表情でこう述べました。
「僕から一つアドバイスがあるからよく聞いてね。一度インターネット上のメッセージを送った写真は、ネット上にずっと残ってしまうことになるんだ。だから写真を送り合うことは絶対しないでね」
この質問を投げかけた背景には、ある事情がありました。
日本と同様、オランダでもSNS上の若者の性被害が増えているのです。最新の調査では、若者の13%が「自分の裸の写真を送ったことがある」と回答したとあります。
先生はそんな被害者をこれ以上、増やしてはいけない、そんな切なる願いと信念のもとこのような質問をしたのだと思います。
今回は性教育の部分の中の学校での授業という形で紹介しましたが、オランダではそのほかでも性教育を進めています。
オランダでは「性の多様性」を尊重し、LGBTOを含めた性的マイノリティーの人たちへの理解促進に努めてきました。
学校現場で使われる教材だけではなく、幼少期に読まれる絵本にすら、そういった「性の多様性」にまつわる話があるのです。
性をタブー視しない価値観のなかで育つオランダの子どもたちは今回の授業を通しこのような感想を述べています。
「これから(思春期の)変化を迎えるみんなで話し合えるのは、良いことだと思う」
「疑問に思ったことは納得するまで質問するけど、先生はいつも知りたいことをきちんと伝えてくれる」
「授業の内容を親にも共有してくれるので、疑問があれば帰宅後に親とも話せるようになった」
このように子どもたちは性に関してタブー視をしません。このような教育をみなさんはどう思いますか?
私はある意味、人間らしくて、性教育としてかなり好印象を受けました。
このような教育を子どもたちに受けてもらう為には、まず、大人が性をタブー視しないことが重要なのではないでしょうか?
我々大人が恥ずかしがらず、真剣に子どもたちに伝えることができれば、きっとこれからの性被害を防ぐきっかけになるのかもしれませんね。
上記の記事には今回、取り上げきれなかった授業の続きもあります。是非、確認してみてください。
終わりに。
今回は世界と比べた日本の性教育についてのお話をしました。
実は日本の性教育が進んでいない、最たる原因は「歯止め規定」にあると言われています。
参考:プラン・ユースグループ実施 ユースから見た日本の性教育実態調査報告書 包括的性教育を目指して
例えば、小学校5年生の理科では「受精に至る過程は取り扱わない」、中学生1年生の保険体育では「妊娠や出産が可能となる成熟が始まると言う観点から、受精、妊娠を取り扱うものとし、妊娠までの過程は取り扱わない」と規定があります。
これでは性についての本質に触れることができず、先生がどれだけ真剣に話しても、なんだか、はぐらかしているように聞こえてしまうのです。
私はてっきり、先生たちも説明するのが恥ずかしいのかな、なんて思っていましたが、そうではなく、国が決めた規定の中で精一杯伝えようとはしてくれていたんですね。
なので、日本の性教育を変える一歩として、包括的性教育を取り入れ、周りの大人、もっと大きな括りとしては、日本という国そのものが性についてタブー視しないようにすることが大事なのだと思います。
これからの子どもたちが一人でも性被害を受けないで良い、自分の性を否定されないで良い、そんな世界で生きられるよう、我々も性について真剣に学ぶ姿勢が必要なのかもしれませんね。
今回はここまで。
以上、お相手はゆたでした。
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記事を読ませてもらいました。日本の性教育は世界に比べて遅れています。それと併用して体にも大きな変化を女の子には表れてきています。様々な問題はあると思いますが、日本の性教育もかえなくてはならない時期にきているかもしれませんね。
コメントありがとうございます。そうですね、性教育は自分の未来を守るために大事なことです。望まない妊娠をやそれ関係する悩みは本人を身体的にも精神的にも苦しめます。男女ともにしっかりとした性の知識を身について、お互いを尊重し合える関係を子どものうちから教育していくことは私自身もとても大切なことだと思います。