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どうも、こんにちは、ゆたです。
私事ですが、地元の友達が仕事の都合で引っ越します。
実家暮らしの私としてはとても寂しいのですが、決まったことは仕方ないので、兎に角、遊びまくっています。
そんな友人ですが、私が物心ついた時はそばに居たので、いわゆる、幼馴染とも言えます。
本当にバカみたいなことで爆笑して、私も釣られて笑ってしまい、何で笑っていたのかさえ、忘れてしまいます。
皆さんの周りにはよく笑う人っていますか?
今日はそんな『笑顔』についての記事です。
笑顔って実は凄いんです!
先ほど話をしました、友人の笑顔につられて笑ってしまう現象、もしかしたら皆さんも体験したことがあるかも知れませんが、これには医学的な名前があります。
それが情動伝染です。
この現象は、他者の表情を無意識に模倣してしまうことで、その表情に応じた感情が自分の中に生まれて、他者と同じ感情を共有できるという摩訶不思議な現象です。
情動伝染がなぜ起きるのかについては、共感を促して、人間同士のコミュニケーションを円滑にするためというのが有力かなと思います。
さて、この情動伝染ですが、実は生後5ヶ月頃から始まることが明らかになっていて、赤ちゃんは、他者の表情を自動的に模倣し、同じ感情を経験することで、他者の表情から感情を読み取る、ある種、練習とも言えますが、そういった力を身につけていきます。
たまに両親が赤ちゃんに向けていないいないばぁなどして、赤ちゃんが嬉しそうに笑う時がありますが、もしかしたら、あれは目の前の人の表情を模倣しているのかも知れませんね。
なにしろ、笑顔は伝染する、ということは事実としてあるということです。
嘘か、誠か、変わった実験〜フィードバック仮説〜
情動伝染に関しては相手がいて、それを模倣し感情までも似せてしまう効果のことでしたが、相手がいなくても表情を変えるだけでこのような現象は起きるのでは、という仮説をフィードバック仮説と言います。
そして、この仮説を実証するためにある実験がされました。
その実験がユニークで面白いので紹介します。
詳しく何人での実験かわかりませんが、もしかしたら、凄い数の人を用意したかも知れません。
ただ、やっていること自体はシンプルです。
一人に対し、用意するのは漫画一冊とペン一本です。
人はペンを咥えながら漫画を読み、内容が面白く感じるかを評価させました。
この実験でのミソはペンの咥え方です。
一つ目が横に開いたような状態でペンを歯で咥えるパターン、二つ目が口を窄めてストローの時のようにペンを咥えるパターンの二種類で対照実験を行いました。
すると、ペンを歯で咥え、口を横に開いて漫画を読むと漫画の内容が面白く感じ、口を窄めて漫画読むと内容がつまらなく感じるという結果になりました。
つまり、笑顔に近い表情で漫画を読むことで漫画が実際の面白さより面白く感じた、ということなのです。
しかし、この実験は再現性が問題となっていて、何度もテストを行った結果、上記の結果と異なった結果になる場合もあって、当時はかなり意見が割れていたようです。
そもそも論ではありますが、この実験にはいくつかの問題があります。
ペンを咥えた表情は、果たして笑顔とか悲しみとかと関係ある表情なのか、という点です。
そして、漫画のユーモアを評価する場合、必ずしも感情の発生が必要ではないと言えます。
そのため、この実験では結局、表情と気分の変化を判断する材料として適切ではないかも知れないということです。
実験はこれだけじゃない! ボトックス注射とは?
フィードバック仮説は、研究者たちの中でも意見が割れていました。
しかし、そんな状況下で、思わぬ方向から表情のフィードバック仮説をサポートする研究が現れました。
それがボトックス注射によって、表情筋が不動化した人たちの感情や気分の変化を調べたというものです。
ボトックスという言葉については私自身、全く知らなかったので、調べてみました。
ボトックスというのは、ボツリヌス菌がつくる毒素のことで神経の情報伝達を遮断する効果があって、これを筋肉に打つと、筋肉が麻痺し、収縮しなくなるので、美容外科の分野では顔の表情のしわを取るのに盛んに使われているそうです。
表情のしわというのは、老化に伴い肌の弾力が失われて、表情の跡がついてしまうものだと言われています。
個人的には女性の表情のしわは可愛いと思いますが、女性からしたら、年を感じてしまい、悩みの一つになってしまうと言います。
なので、ボトックス注射で表情のしわを改善するのですが、今回の実験では顔の筋肉に注射し、特定の表情をつくれなくなった人の感情や気分がどう変わるのかを複数の研究グループが調べました。
実験がかなり複雑なので簡単に説明しますと、怒りや悲しみの表情をさせないために眉間に注射を刺した後に、怒りや悲しみの表情の人を目の前に用意し、見せます。
本来であれば、共感し、多少、表情が怒りや悲しみを模倣するのですが、注射のせいで表情は動きませんでした。
その時の脳の活動を調べると、感情の中枢である扁桃体の活動は増えませんでした。つまり、怒りや悲しみをほとんど感じていない状態なのです。
さらに、抑うつ傾向が低減し、前向きな気分が高まります。
逆に笑いを引き起こす筋肉を注射で動かないようにすると、うつ病のスコアが上がります。
もちろん、この一回きりの実験ではたまたまということもありますが、何度しても同じ結果になるようです。
この研究で分かったことは、表情がつくれないと、それに対応する感情の働きが極端に弱くなり、精神的な健康や幸福度に大きな影響があるということが、実証されたということです。
だけど、注意も必要です。
日本人であれば、聞いたことがあるかも知れませんが、「不幸なとき、無理にでも笑えば、気分が前向きになれる」という言葉。
これは、上の実験からそういった説が流れているようです。
ですが、それは危険な行為です。
例えば、落ち混んでいるときに笑顔を無理矢理作っている間、あなたの感情と表情はちぐはぐな状態です。
脳みそでは「笑顔なのに落ち込んでいるぞ? どういうことだ?」とある意味、混乱してしまい、結果として、落ち込んでいることをより一層実感してしまうだけなのです。
落ち込んでいるときや気分が上がらない時、おすすめなのは、質の良い睡眠と休息です。
無理に笑顔になる必要はありませんが、一刻も早く笑顔の日々を送るために、今はゆっくり休んで、次の楽しみのために備えることが必要です。
参考:笑顔の人の近くにいる方が幸せになれる?つられて笑顔になりやすい人は<精神的健康>がよく、怒りや悲しみが伝染しやすい人は悪いという報告も
終わりに。
私は気分が落ち込んだ時は、美味しいものを食べます。
そこに幼馴染がいれば、自然と笑顔になります。
彼と飯食って、馬鹿な話をしていた日常は、精神的にもかなり良い状態だったことが今回、調べていく中でわかりました。
彼はこれから少しだけ遠くで一人暮らしをしますが、お互いの暇があれば、また、一緒に美味しいものでも食べにいきましょう!
今回はここまで。
以上、お相手はゆたでした。
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記事を読ませていただきました。無理して笑うことよりその時の感情で泣いて眠ることもありなんだ!ということをもう1度考えさせられました。これからも記事を楽しみにしています。
コメントありがとうございます。辛い時は泣いて、楽しい時笑う、これは心身の健康においてかなり重要なことです。今の心に従った感情を表に出すことで心と体のバランスが取れるし、何より、我慢することだけが正しいわけじゃないと私は思います。なので、ナマケモノさんの言う通り、辛い時は命一杯泣いて、疲れたらしっかり睡眠を取ることはとても良いと私は思います!また、気になった記事があれば読んでくださいね!