高齢者へ災害前にして欲しい事。B型事業所「スペースBe」で、避難用トイレ製作。 

高齢者 災害

この記事は約 9 分で読むことができます。

こんにちは、翼祈(たすき)です。

皆さんは、高齢者の方などに対し、災害前にして欲しいことは何かご存じですか?高齢者の避難では、持病の薬や補聴器、杖など支援物資では手に入らないものが、必要となります。

また、新潟県の「スペースBe」という就労継続支援B型事業所では、避難用のトイレを製作しています。

今回は災害で立場が弱い災害弱者の人に絞った、災害でして欲しい事を幾つか紹介したいと思います。

高齢者の災害での避難前にして欲しいこと

毎年9月1日は「防災の日」です。大災害が発生すると、体が衰えている高齢者は逃げ遅れやすく、避難後にも体調を悪化させやすいといいます。NPO法人「災害看護支援機構」の副理事長で、災害時の高齢者支援に詳しい甲南女子大学看護リハビリテーション学部の老年看護学が専門の教授の女性に、日常生活でできる備えに関して尋ねました。 

「高齢者の人で、まず気を付けておきたいのが薬です」とNPO法人「災害看護支援機構」の副理事長で、災害時の高齢者支援に詳しい甲南女子大学看護リハビリテーション学部の老年看護学が専門の教授の女性はそう言いました。循環器の病や糖尿病などの慢性疾患を罹患し、常時薬が手放せない割合が高いということです。

特に避難所では、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが増えます。段差などもあることでトイレに行きづらさを感じ、トイレに行く回数を少なくしようと水分摂取を控えがちになるからです。血液をサラサラにする薬などを常時服用している人は、水分を飲まなくなるとそのリスクがさらに高まるといいます。「常時服用している薬を、1週間分ぐらいは非常用の持ち出し袋に入れて下さい」。

最近は、薬を全て飲み終わった時には、お薬手帳さえあれば、支援者から追加の薬が手にできます。薬の種類をメモに出し、非常用持ち出し袋に入れておけば、お薬手帳を持ち出し忘れた時の役に立ちます。

また、持ち出し袋にずっと入れっ放しにはできないですが、忘れずに避難所へ持って行きたいのが、補聴器、眼鏡、義歯など、一般的な支援物資で対応できないものとなります。車で避難する時、杖も忘れがちになります。新型コロナウイルスの感染対策用としてマスクの予備も忘れずに持ち出し袋に入れて下さい。

避難所まで到着すれば、飲料水や非常食は、個人で全部持ち込まなくても何とか凌げます。「ただ、歯が悪く、飲み込む力が弱い人は、支援のおにぎりなどを食べにくいこともあります。栄養やミネラルも取れるゼリー飲料、レトルトのスープやおかゆなどを持ち出し袋に入れておくことも推奨します」とも述べました。

持ち出し袋が重くなり過ぎて、運び出せないことが起きない様に、事前に持ってみて、本当に必要な物を選別することも大事になります。

参考:今、地震で揺れを感じたら 屋外・屋内・車内でそれぞれ取るべき行動 朝日新聞デジタル(2022年)

体に自由が効かず、1人で避難することが困難な人のケースは、事前に隣近所の人に「サポートをして欲しい」と伝え、避難の手順も確認しておいた方が良いです。

自治体は、高齢者など避難するために支援が必要な「避難行動要支援者」が、どこにどんな人と、どうやって避難を行うのかをまとめた「個別避難計画」を作成することが必要です。支援者の不足などで「個別避難計画」の作成は余り進んでいませんが、「個別避難計画」がなくて、もし不安に思うなら自治体などに相談して下さい。

避難後の生活で高齢者は体調が悪化しやすく、「災害後は興奮状態なので、ご本人も体調不良に気付かない」。周りの人は、高齢者に体調の変化がないか話しかけ、ご本人は、かすかな変化でも早めに周りの人に伝えることが大事です。

高齢者本人の体調の悪化は、環境の変化によるもの以外にも、新型コロナウイルス感染の可能性も否めません。「早期の相談が、高齢者本人や周りの人を守ることに出来る」とNPO法人「災害看護支援機構」の副理事長で、災害時の高齢者支援に詳しい甲南女子大看護リハビリテーション学部の老年看護学が専門の教授の女性は発信しています。

福祉避難所の開設の訓練in兵庫県

要介護者らを受け入れる「福祉避難所」の開設訓練が、兵庫県三田市大原の県立上野ケ原特別支援学校・県立高等特別支援学校であった。市職員約20人が参加し、段ボールベッドなどの設置や要支援者の受け入れ手順などを確かめた。

これまで福祉避難所は市指定避難所の開設後、必要に応じて順次開設すると定められていたが「災害のおそれあり」とされるレベル3(最大レベルは5)に達すれば、市指定避難所と同時に全箇所を開設するように変えた。また、避難時に直接福祉避難所に行けるようにもなった。

市内の福祉避難所は総合福祉保健センター(同市川除)▽ひまわり特別支援学校(同市富士が丘)▽県立上野ケ原特別支援学校・県立高等特別支援学校(同市大原)。同センターは高齢者や障害者、妊婦など、指定避難所で過ごすのが難しいと感じる人が利用できる。特別支援学校は在校生と卒業生、事前に市が認めた人が対象。

引用:災害時、高齢者や障害者への支援強化へ 福祉避難所の開設、運営訓練 三田 神戸新聞NEXT(2022年)

新潟県の障害者就労支援施設「スペースBe」で、緊急用のトイレセットを製作

新潟県新潟市西区の就労継続支援B型事業所の「スペースBe」が、災害時などのお助けグッズ「緊急用トイレセット」を販売し始めました。「緊急用トイレセット」の販売を軌道に乗せ、毎月2万円程度で頭打ちの工賃を増やしたいと力を込めます。

就労継続支援B型事業所の「スペースBe」の施設長の男性は、利用者に支払う工賃を増やしてあげたいと思い、地元企業がペットの消臭剤などに使う為に開発させたもみ殻炭に着目しました。地元企業から了解を得て、2021年度に新潟県から補助金の20万円を受け取り、「緊急用トイレセット」を商品化しました。

「緊急用トイレセット」は1組3回分で380円(税抜き)。もみ殻炭と高吸水性樹脂を混ぜ合わせた凝固剤3袋と、黒色で中が透けない様に排便袋3枚を封入しています。排便袋を便器の内側に被せ、トイレが終わった後、凝固剤を使用します。1回の使用で大人の1回の排尿量200〜300ミリリットル以上となる、500ミリリットルの吸水力を誇ります。取り外した排便袋は結んで、紙おむつと同じやり方で自治体のごみの回収ルールに沿い、廃棄します。

「緊急用トイレセット」の販売では、もみ殻炭や高吸水性樹脂を量りで1回の分量に小分けしたり、混ぜ合わせたりする作業を利用者が担当します。1から手作業なので1日80セットを作るのが精一杯です。それでも「緊急用トイレセット」の販売が軌道に乗れば、工賃を今の倍以上にすることが叶います。

就労継続支援B型事業所の「スペースBe」も施設長の男性は、「利用者の工賃の低さは、就労支援施設の共通認識の課題です。沢山『緊急用トイレセット』の発注を頂ければ、他の障害者施設と共に作業を担い、障害者施設全体の工賃の底上げへと結びつけたい思いです」と話します。

参考:緊急用トイレで目指せ工賃倍増、新潟市の障害者施設が商品化 朝日新聞デジタル(2022年)

商品に関する問い合わせはスペースBe(025・268・7000)へ。

【災害イエローゾーン】の対象エリアを拡大

厚生労働省によりますと2023年度から、風水害の高い危険性にさらされる恐れがある地域にある介護施設の移転・建て替えを促すべく、補助制度の対象エリアを拡大します。地滑りや洪水が起こりやすい「災害レッドゾーン」の介護施設を対象としていましたが、より広範囲に【災害イエローゾーン】に建てられている介護施設も対象となります。特別養護老人ホームだけで、新規におよそ3000施設が対象エリアに入ります。

【災害イエローゾーン】とは、洪水や土砂災害への高い危険にさらされる恐れがある地域の総称です。対象エリアは、国や各都道府県の自治体が指定します。地滑りや洪水など起こりやすく、危険性がより高いエリアは災害レッドゾーンと言われ、そのエリアへの介護施設の新しい開設は原則としてできません。 

厚生労働省は、近年多発する自然災害の激甚化で、想定をしなかった規模の風水害が相次いでいることを受けて、これまでより対象エリアを拡大して対策を取りかかる必要性にあると判断しました。【災害イエローゾーン】にある特別養護老人ホームや有料老人ホームなどを補助対象エリアに拡大し、介護施設の移転や、水没しないと想定する避難場所を確保する為に必要な建て替えに要す介護施設の建設・解体費用などを補助します。

【災害イエローゾーン】の対象エリアで国や各都道府県の自治体から補助を受ける為には、介護施設の定員が30人超で、建物が老朽化し、建設した後に災害リスクが非常に高いと判明したエリアに立地していることが条件になりそうです。介護施設を建て替える時は、車椅子ユーザーの高齢者を2階以上の建物に車椅子のまま運ぶ「垂直避難」を行う為に、スロープを取り付けたりなど、防災機能を強化することが必要です。

参考:「災害イエローゾーン」の介護施設、移転・建て替え補助対象に…近年の激甚化で 読売新聞(2023年)

私が経験した、災害訓練。

あんまり記憶にはないのですが、保育園の時に消防車が来て、消火訓練とかをしました。

小学生に上がってから観た写真に、消防車とクラスのみんなと一緒に映っている写真を観たので、それで「訓練したんだな」と思いました。

小学校に上がると毎年、避難訓練がありました。あの当時は「おかし」や「おはし」という、合言葉で避難していました。全校生徒が校庭に集合して、整列して待機していましたね。毎年あったので、懐かしいですね。確か高校の時にもあった気がします。

こうやって記事にし、可視化することで、災害前での大事なことに気付かされました。この記事が高齢者などがいるご家庭のお役に立てれば幸いです。

関連記事

子どもが登下校中に地震…今なにをしたら? 壁から離れ、集合場所へ 朝日新聞デジタル(2022年)

noteでも書いています。よければ読んでください。

→HOME

高齢者 災害

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎、右手人差し指に汗疱、軽く両膝の軟骨すり減り、軽度に近いすべり症、坐骨神経痛などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。