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就労継続支援A型事業所TANOSHIKAの今を伝える広報誌「TANOSHIKA TIMES」で、農業に取り組むTANOSHIKA FARMを今回取り上げることになり、実際にお邪魔して支援員の田中さんと、事業所で働くメンバーさんに、AKARIのライターが取材をさせていただきました!
ここからは実際のインタビュー内容についてまとめましたので、最後までぜひご覧ください!
支援員の田中さんへのインタビュー
Q.FARMの支援員の仕事内容について教えてください。
田中さん:施設外や施設内で、仕事の引率をして、メンバーさんの相談ごととかあればそれにお答えしたりしていますね。
Q.ありがとうございます。FARMのメンバーさんは現在、施設内や施設外でどんなお仕事をしていますか?
田中さん:はい、施設内だと、今ちょっと、お休みしてるんですけど、ニラを持ってきて、持ってきたものを調整して、測りをしてといった作業をしています。後は、ほうれん草の調整をして袋に入れて段ボールに入れるという作業をしています。施設外だと、ONEGOというイチゴ農家さんのお仕事と兼貞シーケン(かねさだしーけん)という、きのこなどを扱った食品工場に行っています。
Q.ありがとうございます。田中さんがFARMでのお仕事や経験が日常生活に活きたことがありますか? もし、あればどんなことですか?
田中さん:そうですね、支援員をしていたら仕事を組み立てていって、人の配置とか、そういう見方はここにきてするようになったなというの思います。
Q.支援をする上で心がけていることは何ですか?
田中さん:メンバーさんが相談しやすい人にはなろうかなと思っていますね。何か相談があっても、言えない、とか、言いにくいな、とか思われるよりは、何でも話しかけられやすい、話しやすい、そういう人になれたらなと思いますね。後は、個人にあまり依存させないというところを意識してますね。
Q.距離感というところですか?
田中さん:そうですね、距離感ですね。
Q.支援員をしていて良かったと思える時はどのような時ですか?
田中さん:良かったと思える時はメンバーさんとかが自分の課題を口だけではなくて、認識をして、変わろうと思いながら色々なことに取り組んで変化が見えた時に、自分のアドバイスなどを参考にしてもらった時とかは良かったなと思いますね。
Q.どんな時にメンバーさんの成長を感じますか?
田中さん:そうですね、さっきと被る部分もあるんですけど、こういうところがよくないなとかメンバーさんが認識して、それに向けて取り組まれている姿を見た時は成長を感じますね。
Q.ありがとうございます。これからのFARMに必要なこと、またはこれからやっていきたいことなどはありますか?
田中さん:FARMは外での作業もあって、暑いし寒いけれど、基本的にはみなさん、休まないで来ているので、これからもそれは継続していただけたらなと思いますね。その上で本人が一般就労したいと思うのであれば、そちらの方も支援していけたらなと思います。
Q.昨年は3名の方がFARMから就職されたとお聞きしたのですが、みなさんはどのようなお仕事に就かれたのでしょうか?
田中さん:3名のうち、2名は、施設外に行っていた先の企業さんに就かれていますね。一人は自分でこの求人いいなと言っていたところで、大学の農業関係の方に就職しています。
Q.FARMでは一般就労に向けての準備をメンバーさんとどんなことに取り組んでいますか?
田中さん:FARMだけではなく、TANOSHIKA全体では最近では、宮本さんが入られて、就労支援プログラムを行ったり、後はメンバーさんが「この仕事に就きたい」と求人表を持ってきた時は本部の人事の方と連絡して、連携を取り合って、実際に実習をさせてもらったり。そして、実習のフィードバックを受けて、その上で面接をしたりとか、その過程で人事の大塚さんとかにもきていただいたりして、個別で面接の練習をしたりとか、本人とフィードバックしたりしていますね。
Q.前回、2022年に取材をしたんですけども、この2年間の間に変わったこととかありますか?
田中さん:作業内容としては、2022年の一月中旬から食品工場が新たにスタートしていますね。それと、今まではずっと、他には緒方物産と言う小松菜の作業をしてたんですけど、今は(ベジサーク)という社名に変わって、小松菜は一旦、お休みして、ほうれん草の作業をしていますね。また小松菜も再開するんですけどね。作業の内容はちょいちょい変わりますね。就労に関しては、求人を持ってくる人とか、就職に向けて動き出している人が増えたかなと思いますね。
島川:イベントごととかは?
田中さん:去年の年末にお疲れ様会でビュッフェに行きました。
Q.求人はメンバーさん個人で持ってきている感じですか?
田中さん:FARMに張り出してもあるんですけど、みんな興味ありそうな求人だったり。それを持ってくる人もおられますし、自分でハローワークで探して、持ってくる人もおられますね。
島川:やっぱり農業関連が多いですか?
田中さん:いや、農業関係とは限らないですね。車関係だったり、工場のピッキングだったり、色々ありましたね。
メンバーAさんへのインタビュー
Q.AさんはFARMに入社する以前はどのようなお仕事をされていましたか?
Aさん:お仕事はしていなくて、その前に絵を描くのが好きで、専門学校に通っていて、卒業して2年ほど経った後にFARMを見つけてそこから入社しました。
Q.元々農業などには興味があったのでしょうか?
Aさん:家に引きこもっている時に、外に出るきっかけを作ろうと思って、散歩を始めました。植物とかが、田んぼ道にいっぱいあるじゃないですか? それを毎日観察するたびに表情が変わるのが面白くって。だんだん、散歩というよりかは植物を写真で撮ることが目的になっていって。
そのぐらいから「植物っていいな」って思っていましたね。その後「仕事を始めなくちゃ」って思い、事業所を探していたところTANOSHIKA FARMを見つけて、「あ、農業だ!」と思って、まさに、太陽も浴びれて、植物や野菜もあって、理想的な環境だ!と思ってここに行こうと思いました。
Q.FARMでお仕事をしていて何がご自身のやる気に繋がっていますか?
Aさん:私は元々、自己肯定感がもの凄く低くて、なかなか自分自身と向き合うことが難しいんですけど、ふと作業を続けている中で、新しく自分ができることを見つけた時「やった〜! 頑張ろう!」と思います.
Q.FARMに入社されてから自分の中の変化を感じることはありますか?
Aさん:はい。FARMは体を結構動かす仕事なので、体がついていかないことが多いんですよね。だから家でストレッチしたり整骨院にいったりとか、普通に作業をしているなかでも体力がついてきた。
以前は家の中で熱中症になるぐらい暑さにも弱くて、近所のコンビニに行くだけでもへとへとになってたんですけど、今は重労働でもバリバリ働けます!
Q.それだけ体が丈夫になったということですね?笑
Aさん:はい笑 強くなりました笑
Q. Aさんがお仕事をする上で大切にしていることはありますか?
Aさん:やっぱり、挨拶ですね。元気にはっきりするようにしています。
Q.Aさんはどんな人と一緒に仕事がしたいと思いますか?
Aさん:そうですね、まず、一生懸命に仕事に取り組んでくれて元気に挨拶してくれて、何より向上心がある人がいいですね。
頑張っている人やもっと成長した人を見ると「あ、自分も頑張ろう」と刺激をもらえるので、そういう人とお仕事がしたいです。
Q.Aさんの今後の目標を教えてください。
Aさん:私は、今まであんまり自分のことを大事にしてこなかった人生を歩んできたので、何よりも、誰よりも自分のことを大事にして、今まで自分を傷つけてきた分、愛せるようにしていきたいです。
Q:個人的なことで申し訳ないのですが、私の親戚の子供が農業にすごく興味があるみたいで、専門の高校に通いたいらしく、受験を頑張っているんですけど、そういった若い子たちに向けて言えること、たとえば農業の魅力だったりがあれば教えて下さい。
Aさん:農業の素晴らしさの一つに昼夜逆転せず、規則正しい生活を送ることができるという点と何より、自然エネルギーをもらったり、それこそ太陽光を浴びて仕事をするから精神的にも優しいですね。私はうつ病なんですけど、それにも効果的ですね。
一番、優しくなれる職業なのではないかなって思います。
Q.体が慣れるのにどのくらいかかりましたか?
Aさん:そうですね。私は現在、一年ちょっと働いているんですけど、最初に入ったのが6月の後半で、今からが大変だぞ、っていう時期に仕事を始めたんですよね。そこらだったので阿部さん(FARMの支援員)とかに「ここを乗り越えたら大丈夫だよ」って言われてて笑
そこを乗り越えてから大分慣れましたね。
Q.暑さが落ち着いてきたぐらいに体が慣れてきた感じですか?
Aさん:そうですそうです。最初は完全に疲れ切ってましたけど、だんだんと動けるようになりました!
Q.佐藤さん(FARM支援員)に質問なんですけど、佐藤さんからみてAさんの変化はどう思いますか?
佐藤さん:そうですね、本人が言っていた通り、最初暑くなる前に入社して、徐々に暑さが厳しくなっていく中での仕事だったので、途中で休憩することも多かったですけど、そこを乗り越えて、体力がついてからは、そういうことも減っています。今ではONEGOもそうですし、工業の方の勤務も時間が長いところでもしっかりやれていますので、すごく成長を感じますね。
Aさん:ありがとうございます。(照)
Q.自分を大事にする、というのは具体的にどのようなことをしていますか?
Aさん:今、模索中ではあるんですけど、散歩をしたり、自然に触れることでかなり癒されるんですよね。心が疲弊した時も、自然に囲まれた場所にいると回復するんですよね。イチゴハウスとかだと、葉っぱとかも触ったりできるからそれだけでも心が落ち着いたりします笑
後は、趣味の漫画とかゲームとか、絵を描いたりする時間も取れるようにしてます。
Q.私も引きこもりだった期間が10年ほどあって、私自身も自己肯定感がかなり低い方なので、Aさんの話を聞いてすごく共感できました。
私から質問したいのは、FARMで仕事をする中でどんな時にやりがいを感じるか教えてください。
Aさん:最初、慣れていない時ってできないのが当たり前なんですけど、できないと悔しいんですよね。それを諦めず、根気よく続けていく中で、できるようになった時の達成感があるし、やっていてよかったなと思いますね。
それと、私のおばあちゃんが農業をやっていて、農業の話をたくさんできるようになったんですね。今までは特に話すこともなかったんですけど、そこはやってきてよかったなと思えますね。
Q.引きこもりだと話す話題ってなかなかないですもんね。
Aさん:そうなんですよね。
Q.そういう意味では話しやすくなりましたか?
Aさん:誰かとコミュニケーションを取るから、ある意味会話の練習になりますね。
次回予告と前回の広報誌について
今回のインタビューでは、TANOSHIKAと関わりの深い農業法人ONEGOの代表築島さんと、現場監督の堤さんにも貴重なお話を聞くことができました。
お二人の話は次回の記事でお伝えできればと思いますので、そちらもお楽しみに!
前回の広報誌
下記は前回制作した広報誌です!
とっても評判がよかったので、ぜひご覧になってください!
クリックしてtanoshikatimes_vol02.pdfにアクセス
下記は前回取材した際に責任者の方にお話を聞いた際の記事です!
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TANOSHIKA FRAM所長、阿部さんに広報誌のインタビューをさせていただきました!
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