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統合失調症のお薬を服用しています
私は現在、シクレストという統合失調症のお薬を服用しています。
統合失調症とは、どんな病気かみなさんは知っていますか?
私は統合失調症と診断を受けて10年以上経ちますが、いまだに統合失調症とはどんなものなのか説明できません。
自分の考えや気持ちがまとまらなくなる病気、原因は脳の機能にあるとされています。
他人には荒唐無稽と思われる妄想をしてしまう病気です。
被害妄想で入院
私も以前に勤めていた会社で同僚たちに自分の水筒に毒をもられているという被害妄想に取り憑かれて体調を崩し、入院した経験があります。
テレビのニュースで職場の同僚が飲むお茶に睡眠薬をもった人が写し出されていて、私の身近にもこんな人いるかもしれないと思ったことをきっかけに発動した妄想でした。
私の中では、その当時は辻褄のあった現実として認識していました。今ではなぜ、そう思うようになったのかうまく説明できません。信頼関係が崩れたことによって心のバランスがおかしくなってしまったとしか言いようがないです。今でも、またそのバランスがおかしくなってしまわないか心配はあります。
現在の症状
現在の病状は、ときどき不安発作が起こり、息が詰まった感じがしたり、震え出したり、冷や汗をかいたり、気分の落ち込みがありますが、概ね落ち着いて寛解している状態といえます。
統合失調症の主な症状である妄想、幻覚などの陽性症状や、感情の平板化、意欲の欠除などの陰性症状、記憶力の低下、集中力の低下などの認知機能障害はあまり起きていない状況だといえます。
このまま、症状がなくなる人もいるので私もそのまま症状がなくなればいいなと思っています。そのためにもお薬は服用していく必要があると思います。
統合失調症は100人に1人の確率で発症してしまう病気です。決して少なくない身近な病気です。誰でも、バランスを崩せばなってしまう可能性がある病気だと私は考えます。
しかし、原因が未だ不明なこともあって、うつ病よりオープンに語りにくい病気であります。
オープンダイアローグとの出会い
最近、オープンダイアローグというものを知りました。
フィンランドで発祥した統合失調症のケアの技法です。
その技法は対話を目的にし続け、副産物として、治療や改善がみられることがあります。
人が困難にぶち当たったとき、対話でその困難を乗り越えようとすることにいたく感心しました。
その病状に病名がつくかつかないかは重要じゃなくて、その困難な状況を皆で共有し、いろいろな意見を出し合って患者本人の主体性を取り戻していく技法が病気を癒すことがあると言ってもらえれば、統合失調症という病名こだわらなくてよくなります。
そっちの方がストンと心に落ちます。納得できます。
人間誰しもが持っている生きにくさの中に統合失調症も入っていると考えていただければうれしいです。
私が抱えている統合失調症という病気はやっかいなものです。
薬を飲み続けなくてはならないし、完治することはない病気です。
しかし、ずいぶんと回復してきたと思います。
このまま、再発せずに過ごせればどんなにいいかと思います。
そのためにもなるべくストレスをためないように工夫して生きていかなければなりません。
統合失調症という病気は、病気そのものを見るのではなく、その病気にかかっている人間そのものを見てほしいと思います。
同じ統合失調症の方でも、症状の出方は人それぞれ、十人十色、人の数だけその生き方があるように統合失調症患者の生き方も多様性があると思います。
人それぞれ違いがあることを尊重できる社会の方がお互いに生きやすくなると思います。
孤立がよくない
統合失調症の人に一番よくないのは孤立ではないでしょうか?
私もここ、TANOSHIKAに来ないで家に一人でいたら、ますます妄想の虜になって身動き取れなくなってしまったと思います。
先ほどのオープンダイアローグには、ポリフォニーという考え方があります。
ポリフォニー(多声性)とは、シンフォニー(調和)の対義語です。
ポリフォニーとは、お互いの意見を溶かしあわせ、一つに調和させることではありません。その逆です。
他者は、自分とは決定的に違うものであり、他者を自分と安易に同一化することは間違っている認識のことをポリフォニーといいます。
自分の考えを相手に「同一化」させようと、説得、尋問、叱咤激励、アドバイスするのではなく、違っていることを理解し、受け入れる対話こそが重要だと考えます。
その対話の中で、いろんな視点の意見を聞いていく過程で、自分の視点のおかしさに気づきます。レンズの焦点を合わせるように、近くで歪んで見えていた景色を俯瞰して見えるようになります。多くの人の視点の中で磨かれた価値観が、自己を生きる指標になると思うのです。
最後に
最後に、こうして自己開示の場をいただき、文章を書いてお給料をいただけることに感謝しています。こんな私にも、優しく話しかけてくださる同僚の方たちや、支援員の方に励まされて今日の私があると思っています。社会の中に居場所があることを嬉しく思っています。
統合失調症でも、自分らしくこれからも生きていこうと思います。
参考文献
noteでも書いています。よかったら、読んでみてください。
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