お薬代が3割負担から5割負担に増える? ージェネリック医薬品を嫌がる人には負担増を検討ー

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こんにちは、金次郎です。

 今年の6月に「薬不足が深刻化している日本」と言う事で、記事を書きました。

薬不足が深刻化している日本-コロナに加えて製薬会社の不正も原因-

 この記事でも書きましたが、先発医薬品の特許保有期間が終了した後に、他の製薬会社が同じ様な成分で作る「ジェネリック医薬品(後発医薬品)」
 このジェネリック医薬品を作っている中小の製薬会社の1社が、間違った成分で薬を製造していた事が発覚します。
 それで、全ての製薬会社に立ち入り検査をしたところ15社で、同じ様に成分ミスで薬を製造している事が分かり行政処分(業務禁止命令や業務改善命令)を受けました。
 これが、今の日本での薬不足に追い打ちをかけてしまいました。

過去にない医薬品不足

 現在の日本では、病院で処方される薬の約8割が、この「ジェネリック医薬品」です。
 しかし今年は、上記の様な製薬会社の行政処分が有った上に、新型肺炎に加えて夏なのにインフルエンザが流行ったりしていますので、薬の供給が追いつかず慢性的な薬不足に陥っています。

「ならば、増産体制を取れば良いのでは?」

 と思われるでしょうが、ジェネリック医薬品を製造している製薬会社は、先にも書いた様に中小の製薬会社がほとんどです。
 ですので、限られた予算で作った設備で薬を製造していますので、直ぐには増産と言う訳にはいきません。

「じゃ、設備に余裕が有る製薬会社が、代わりに薬を作れば?」

 と言う考えも有るかと思いますが、今まで作っていなかった薬を作る場合は「薬の成分調合」や「製品試験」などをしてからで無いと、生産開始できませんので、やはり急には対応出来ません。

 これらを解消するには、製薬会社に製造ラインの増設をしてもらう必要が有りますが、先に書いた「予算の問題」以外に「増設ラインを何処に作るか」なども考えなければならないので、製造ラインの増設は現状かなり難しいです。

参照:(テレ朝 NEWS)”空前の薬不足” 要因は「ジェネリック」?”需要と供給のバランス”が崩れ深刻化

こんな状態なのに、厚生労働省は・・・

 6月に書いた記事でも、ジェネリック医薬品の安定的な供給に戻るのに2〜3年はかかりそうだと言う製薬会社の方の意見を書きました。
 しかし、お薬の供給がこの様な状態なのに、厚生労働省は「ジェネリック医薬品(後発医薬品)が有るのに、先発医薬品を選んだ場合は患者負担額を引き上げる方向で、年末までに具体策をまとめたい」と言う事を議論しています。

 どういうことかと言うと

現在:健康保険で医療費3割負担の人

・単価100円の後発医薬品を選べば、3割負担ですから患者が払うのは30円で、残りの70円は
 入っている健康保険組合が負担します。
・単価200円の先発医薬品を希望した場合でも、患者負担は同じく3割の60円です。

 これを、厚生労働省は「安い後発医薬品では無く、先発医薬品を選んだ場合、薬代は3割負担では無く半分の5割を負担してもらおう」と言う事を話し合っています。

参考:(共同通信)特許切れ先発薬、患者負担増へ 後発品との差額、保険外に

 この様な事をする理由については、「価格の安いジェネリック医薬品(後発医薬品)への置き換えをさらに進めて行き、医療費増加を抑え新薬開発を応援する財源を捻出するため」と言っています。

参考:(NHK)後発医薬品のある薬品 患者の負担増で議論 厚労省

私が耳鼻科で処方されている薬も

 以前から耳鼻科で処方してもらっている「リンデロン軟膏」という塗り薬。
 耳の外耳道で炎症を起こした場合に塗る薬です。
 補聴器を着けていると、耳垢と補聴器が干渉して外耳道がかゆくなるので、綿棒で擦って垢を取ります。
 ただ、やり過ぎると外耳道の粘膜を傷つけてしまい、体液がしみ出して来ますので、この軟膏を塗って治します(耳専用の軟膏では無く、身体のあらゆる部位の皮膚炎を治す軟膏です)。

 でも最近テレビで、この軟膏薬のCMを良く見る様になりましたので「何だろう?薬の特許保有期間が終了して、一般販売も出来る様になったのかな?」と思い調べて見たら、ドラッグストアでも買える様になっていました。
 しかも、既にその薬のジェネリック医薬品まで存在していました。

 ですので、去年耳鼻科で聴力検査をした時に、耳鼻科の先生から「聴力の変化は無いから、今の聴力で落ち着いているのでしょう。以後は調子がおかしくなった時だけの通院で良いですよ。」と言われたので、それ以来行ってません。
 が、多分次回この薬を処方してもらおうと耳鼻科に行ったら、先生から「ジェネリック医薬品の方でも良いかな?」なんて尋ねられるかもしれません。 

参考:(SHIONOGI)リンデロンVs

参考:(Amazon)リンデロン軟膏 の結果を表示しています

終わりに 

 難聴以外にパニック発作や不眠症も持っている私。
 今、通院している精神科の先生のお陰で、昔のクリニックで処方されていた色々な種類の食後の薬は1種類だけと、劇的に減らす事ができました(私が現在は、パニック発作が出なくなったのも有ります)。
 睡眠導入剤以外で処方されている食後の薬は、いざとなればドラッグストアで購入も可能なお薬ばかりです。
 今は、病院で処方してもらった方が安く済むので、処方してもらっている感じです。

 一番最初に載せている過去記事の最後の方で、私が以前通院していた病院でジェネリック医薬品ばかり処方された事で、かえって体調不良を起こしてしまった事を書きましたが、今はジェネリック医薬品でも体調を崩さずに生活できています。
 更に耳の薬も、市販される様になったのなら「通院する病院を1つ減らせるのかな?」なんて考えています。
 でも、難聴で障害者手帳を交付されている私が、耳鼻科の手助けを無視しちゃいけないでしょうけどね。

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2 件のコメント

  • 記事を読ませていただきました。ジェネリック医薬品は、先発医薬品の販売期間が過ぎて
    その成分を元に作られているのではないでしょうか?個人の状況によってはどちらを選択するかだと思います。普段から薬の服用していると、今回の記事は考えさせられる内容でした。これからも記事を楽しみにしています。

    • いつもコメントありがとうございます。
      土曜日は、お休みでしたので返信遅れてすいません。

      カメレオンさんは、ネット上の百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」をご覧になりましたかな?
      確かにウィキペディアには「先発医薬品(新薬)の独占的販売期間の終了後に発売される」と、なんか販売期間が過ぎてから製造できる見たいな書き方がされていますよね。

      以下は「日本ジェネリック製薬協会」のホームページです。
      https://www.jga.gr.jp/general/about.html
      ページの中ほどに、以下の様に書いてあります。
      「新薬は、9~17年もの歳月と、数百億円以上の費用をかけて開発されるので、開発した製薬会社は、特許の出願によりその期間、そのおくすりを独占的に製造・販売する権利が与えられます。
      しかし、特許期間が過ぎると、その権利は国民の共有財産となるため、他の製薬会社から同じ有効成分を使ったおくすりが製造・販売できるようになります。
      それが、ジェネリック医薬品です。」
      つまり、ジェネリック医薬品は、「新薬の独占的な販売期間が過ぎてから製造販売して良いですよ」と言うお薬ですね。

      カメレオンさんも「どちらを選ぶか個人の自由」とコメントされているので、その辺りはご理解されていると思っていますので、私の書き方が理解し辛かったら申し訳ないです。

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