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こんにちは、改めましてM. Jです。
突然ですが、日本人の死因の上位3つをご存じでしょうか?
1位は悪性新生物(24.6%)2位:心疾患(14.8%)3位:老衰(11.4%)となっています。
そして今回取り上げる脳卒中は、現在4位(6.8%)です。
今は医療の発達で順位が下がりましたが、過去には1位が脳卒中でした。
「脳卒中はお年寄りの病気だろう、若いうちはならないよね!」と考えている人が多いかもしれません。
そんな方には、「ちょっと待ったーー!」と言いたいです!
若くてもかかる脳卒中はあるので、甘くみてはいけません!
今回は、脳卒中の中でも比較的若い人が発症しやすく、「脳卒中の中でも危険な病気」と言われてい「くも膜下出血」について掘り下げていこうと思います。
くも膜下出血は比較的「若い人」に多く、「女性」に多いという特徴があります。
「後遺症(麻痺・運動障害・高次脳機能障害など)がない確率」はかなり低いです。
くも膜下出血を発症して「後遺症がない人が3割、後遺症が残って生きている人が3割、残念ながら亡くなってしまう人が3割」とよく言われています。
実は、M.Jの母の兄の生命を奪ったのも「くも膜下出血」です。少しずつ「リハビリをしていこう!」としていた矢先、突然発症してしまい、その後「帰らぬ人」となってしまいました。
このように、高齢だったM.Jの母の兄だけでなく、プロ野球のコーチをされていた木村拓也さんなど、まだまだ若く丈夫な人の生命までもを奪ってしまう「厳しい病気」なのです。
ただ、発症しないように「予防はできる病気」です。
病院だけではなく、日本脳卒中協会なども予防の方法について提言しています。
若い頃からも「発症の危険性」があるのでぜひご覧いただければと思います。
今回は脳卒中の予防など、以下の項目に沿って書いていきます。
- くも膜下出血とは・・・
- くも膜下出血の前兆 ➡️ 警告頭痛などの発見!
- くも膜下出血の特徴(傾向)など
- globe KEIKOさんの体験記
- くも膜下出血への対応
- おわりに
くも膜下出血とは・・・
- 頭蓋内のくも膜下に張り巡らされた脳栄養血管の一部が切れることによって起こる。
- ほとんどが脳動脈瘤の破裂で起こる。→日本人の約9割はこの症状。
- なぜ動脈瘤が起こるのかは不明。
- 動脈瘤は血管の弱い部分(分岐部)にできやすい。
- 動脈瘤自体には自覚症状はない。→しかし、MRIや血管検査で発見可能。
◎くも膜下出血には「特徴的な前兆」がみられる。
◎くも膜下出血は、比較的「若い人の発症」が多い。
◎予後は「悪い」ことが多い。発症後間もなく「死亡する人」が多い。
◎再出血の「危険性」が極めて高い。→「医療的な管理」が必要不可欠。
【くも膜下出血の症状】→「最悪・増悪・突発的な」症状
①頭痛:バットやハンマーで殴られたような頭痛が突然起こる。
→この症状が出現したら、くも膜下出血を疑いましょう!
②おう吐
③ものが突然二重に見える
④目の動きが突然悪くなる
⑤けいれん
⑥意識障害
◎この中でも特徴的なのは「頭痛」「おう吐」「意識障害」です!
◎上記のような症状が起こった場合すぐに、救急車を呼びましょう!
くも膜下出血はほかの脳卒中とは違い「若くてもかかってしまう」「死亡する危険性が高い」ということにも大いに注目すべきです!
「いつもと違う強い頭痛」を感じた場合、救急車を呼び、病院に受診することが必要です。
ただ、このくも膜下出血は「前触れ(前兆)」という脳からの「お知らせ」があります。
次の項では、くも膜下出血の前兆・特徴について書きます。
くも膜下出血の前兆 ➡️ 警告頭痛などの発見!
くも膜下出血には、前ぶれ(以下、前兆)というものがあります。
この前兆に「いち早く気づく」ことがものすごく重要です。
「生きる」か「死ぬ」を分けるのも、この「気づき」ができるかどうかと言われています。
基本的に「くも膜下出血の前兆」は、大きな発作の「数秒前」から「数カ月前」に起こります。以下のような症状があった場合、すぐに病院へ受診しましょう!
【くも膜下出血の前兆】
①警告頭痛
- くも膜下出血の前には前兆の「頭痛」が起こる。
- 痛みの「強さ」、痛みの「続く期間」はまちまち。
- 「ズキズキする・脈打つような痛み」は「警告頭痛」の場合も否定できない
②おう吐(吐き気)
③心当たりのない「血圧の大きな変動」
④目の症状
- 脳の動脈瘤が大きくなると「眼瞼下垂・複視・視野障害」が起こる。
- 眼瞼下垂:まぶたが持ち上がらず、目が開けにくい。
- 複視:物が二重に見える。
- 視野障害:視野が狭くなる。
【警告頭痛】・・・ものすごく重要です!多くは1分以内にピークを迎え、1時間以内持続するが、24時間以内に消失します。ただし、「警告頭痛」が無くなったからといって油断は禁物です。
特に、上記①と②の「突然、今まで経験したことのない激しい頭痛」が起こった場合や「おう吐(吐き気)を伴う頭痛」が起こった場合は、すぐに「病院へ受診をすること!」です。
これらの症状を脳からの「危険なお知らせ」と認識して病院へ行くことが必要不可欠です!
一方で、これらの状態を「放置」することは、後の大きな「くも膜下出血の発作」を起こしてしまう「危険性」が高いです!
くも膜下出血ですが、どのような特徴(傾向)があるのでしょうか?
次の項では、くも膜下出血の特徴などについて書きます。
くも膜下出血の特徴(傾向)など
くも膜下出血には、どのような特徴があるのでしょうか?
【くも膜下出血の特徴】
①くも膜下出血の男女比は、男性:女性=1:2.3で、女性のほうが多い!
②主に「閉経後の女性」に多い。→ただし、若い人の発症も多い!
③社会復帰の確率
◎後遺症なく社会復帰:1/3
◎後遺症が残って生存:1/3
◎死亡:1/3
④再発率→破裂動脈瘤に対して手術しない場合
- 最初の1カ月で20%〜30%が再破裂して、重症化する。
では、くも膜下出血を発症してしまった場合、どのような医療が必要なのでしょうか?
くも膜下出血に対する医療は、以下の通りです。
《手術》
- 開頭クリッピング術
- コイル塞栓術
詳細は以下の文献に記載しています。
参考:横浜新都市脳神経外科病院
くも膜下出血は「健常の状態で社会復帰する確率」が約3割と低い数値です。
「若い頃からの発症」が多いのもこの病気の特徴です。
また、この病気は現在の医療をもってしても「手術」が必要となります。
この記事をご覧の皆さん、特に女性の皆さんは「くも膜下出血」に「注意!」しながら生活をしていくことが必要不可欠です。
しかし、実際にくも膜下出血を発症した人を見かけることは少ないかもしれません。そこで次の項では、実際にくも膜下出血を発症した人の体験について書きます。
globe. KEIKOさんの体験記より
小室哲哉プロデュースで爆発的に売れていったglobeでした。「DEPARTURES」「Can’t Stop Fallin in Love」「FACE」などさまざまな曲をヒットさせていました。
そんな中、2011年globeのボーカルのKEIKOさん(以下、KEIKOさん)が38歳の時、突然「くも膜下出血」という重い病に倒れました。
KEIKOさんは、発症する前から「ずっと頭痛持ち」で、鎮痛剤を飲んでは寝ることがほとんどでした。
しかし、2011年の発症時は「翌日になっても頭痛が軽減することなく続いていた」とのことでした。
そこで、小室哲哉氏は「救急車を呼ぼうか?」と言ったのですが、KEIKOさんは「大げさだよ」と返事をしてしまいました。
その後、KEIKOさんは救急搬送されて「EICU(救急集中治療室)」に運び込まれました。
医師の診断の結果「くも膜下出血」を発症していることが明らかになりました。
くも膜下出血を発症後、約1週間「意識が無い」状態が続きました。
1週間が過ぎて意識は回復したのですが「後遺症」が残りました。
「住所を間違って書いてしまう」「年齢を間違えて書いてしまう」「他界したお父さんが生きていると思う」というような「高次脳機能障害」となってしまいました。
懸命にリハビリをした結果「高次脳機能障害」のような症状は少しずつ改善しました。
現在は「記憶力」はある程度戻っているとのことです。
見せられた文章を「パソコンで打ちながら覚える訓練」をされているとのことです。
詳細は、以下の記事に記載しています。
参考:NEWSポストセブン:独占告白globe KEIKO/くも膜下出血から12年
アサジョ:KEIKOを襲ったくも膜下出血・女性が気をつけたい生活
このように、くも膜下出血を「発症」してしまうと、後遺症が残り「日常生活や社会生活に支障を来たす」ことが多いです。
くも膜下出血の「恐ろしいところ」は、この方の年代の女性が「発症する危険性が高い」ことです。
子どもが産まれて「4歳〜10歳」くらいの活発な時期に「親」が「くも膜下出血を発症することがある」ということです。
親が「子育てのできない状態になる」ことが考えられる、恐ろしい病気です!
どのようにすれば、くも膜下出血を発症した人に「適切な対応」ができるのでしょうか?
次の項では、くも膜下出血への対応について書きます。
くも膜下出血への対応
【救急車を呼ぶべき状態】
◎「突然の激しい頭痛」「おう吐(吐き気)」「意識障害」これらの症状が起こったり、発見した場合は「救急車」を呼び、救急車が到着するまで「緊急の対応(後述)」をしましょう!
【救急車の呼ぶ時の考え方】
◎基本的に「脳の病気の発作の場合」は、一刻も早く「救急車を呼ぶこと」を念頭におきましょう!特に「くも膜下出血」が疑われる場合の第一選択は「救急車」です!
◎どうしても迷うような小さな症状の場合は「#7119」に相談してもいいです。
【救急車の呼び方】
①「119」に電話(通報)する。その後「救急です」と伝える。
◎本人が常時通っている「大病院」があれば「119」の前にその病院に緊急の電話をする。
②救急車に「来てほしい住所」を伝える。
◎住所は必ず「市町村」から伝えること。
◎近くに大きな建物やクリニック、国道などがあればそれも伝える。
③具合の悪いかたの症状を伝える。
◎「いつ・誰が・どうなったか」を5W1Hをもとに状況・状態を詳しく伝えること。
④具合の悪いかたの「年齢」を伝える。
⑤自分の「名前・連絡先」を伝える。
【救急車が到着するまでの対応】
◎相手が「呼吸」をしているかどうか「確認」すること!
《意識はないが、呼吸をしている場合》
①まず「横向きの姿勢」に変えること。→「脳の血流の確保」と「おう吐物の流入を防ぐ」ため。
②相手を「回復体位」にすること!
◎上になっている側の肘は曲げて手を頭の下に持ってくる。
◎上になっている側の膝は曲げる。→おう吐物の流入防止
③相手の衣類を「緩める」こと。
→「シャツのボタンを緩める」「ズボンのベルトを外す」「メガネや腕時計を外す」
《意識がなく、呼吸もしていない場合》
①AEDが身近にある場合は「AEDを使用」する。
◎AEDには「音声ガイド」があるので「指示通り」に行う。
◎除細動ボタンを押す時、周りの人には離れてもらう。
◎周りに人がいる場合で「AEDが遠くにある場合」はAEDを持ってきてもらう。
②AEDがない場合は「胸骨圧迫(心臓マッサージ)」を行う。
◎両手をしっかり「組む」。肘は「伸ばして」おく。
◎組んだ手を、相手の「胸の真ん中あたり」に持ってくる。
◎相手の「胸が5㎝沈む」ように強く圧迫する。
◎1分間に100回〜120回のテンポで速く行う。
◎呼吸が出現するまで絶え間なく行う。
【救急車が到着するまでに準備しておくもの】
⚫️保険証 ⚫️診察券 ⚫️お薬手帳(お薬手帳がない場合はお薬)
⚫️現金 ⚫️靴
基本的な、救急対応については以下の2つの文献に詳しく記載してあります。ご覧いただけると有り難いです。
救急の対応が適切にできればいいのですが、あまり考え過ぎずに「基本的なことを押さえて、行動することを優先する」ことがものすごく重要です!
行動でしか「生命を守る」ことはできません!
迷い過ぎている間に「くも膜下出血の症状が更に悪化する」ので、早めの対応が必要です!
認識すべきことは「救急車を呼ぶことを迷わないこと!」「横向きにすること!」「5W1Hを把握できるように冷静になること!」「周りに人がいるかどうかで対応を変えること!」です。
何とか「危険な病気」であるくも膜下出血の増悪を防いでいきたいと思います!
おわりに
以上、脳卒中への対応:くも膜下出血についてでした。
前述したように、くも膜下出血は若くても発症して、後遺症や死亡することもあります。
何とか「発症しないように」「発症してもひどくならないように」することが重要です!
そのためには、3大兆候である「頭痛」「おう吐」「意識障害」を放置しないことです!
いつもと違う症状を見逃さないことに尽きます!
そして「救急車」と「救急対応」を迷わず、行動していくことです!
上記のように、「危険な」くも膜下出血ですが、予防することはできます。今回の記事では触れることができませんでしたが、脳卒中を「予防する」ことはものすごく重要です。
次の記事では、脳卒中の「予防」について徹底して、深掘りしていこうと思います。
記事をご覧いただき、どうもありがとうございました。
今回の記事は、以下の文献を参考にしました。
参考:東京メディカルクリニック:くも膜下出血の症状・5つの前兆
家くるドクター:【激しい頭痛】くも膜下出血の原因・前兆・対処法
脳梗塞リハビリLAB:【くも膜下出血の前兆】リスクをチェック
リペアセルクリニック東京院:くも膜下出血?激しい頭痛は危険!
聖マリアンナ医科大学:脳卒中の警告のサイン「すぐに救急車を!」
脳梗塞リハビリLAB:家族の様子がおかしい/もしかして脳梗塞かも
参考:こちらの文献にはわかりやすく頭痛と頭痛から起こる病気について書いてあります。ものすごくわかりやすいと思いますので、ぜひご覧ください。
参考:佐久市立国保浅間総合病院:慢性頭痛からくも膜下出血まで(PDF)
こちらの2つの文献にはくも膜下出血について詳しく書いてあります。ご覧いただけると有り難いです。
こちらの文献には救急の基本的な考え方・救急の重要性についてかなり詳しく書いてあります。ご覧いただけると有り難いです。
今後について
興味があることや、今後書いていきたい記事のテーマとして忘年会、約8割が参加しない意思!今後への提案!、脳卒中の予防:健康に向かうための食事法や生活など、発達障がい者への支援:勉強会で学んだ適切なサポートの方法があります。
皆さんに役立つ情報を届けていければと考えています。
今後ともよろしくお願いします!
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