関東大震災から100年の今年-地震大国で、生きていて感じること-

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こんにちは、金次郎です。

 来るぞ来るぞと言われながら、起こらない「関東大震災」。
 私が子供の頃に聞いた話では「巨大地震は69年周期で来るなんて言われてたな」なんて思っています。
 ところが、今年2023年は「関東大震災から100年」の年なんだそうです。
 本当に関東大震災は起こるのでしょうか?

「関東大震災」の概要

 1923年(大正12年)9月1日に、相模湾の北西部を震源とするマグニチュード7.9(推定)の地震が発生しました。
 この地震は、東京都や神奈川県などの関東地区や、山梨県で震度6を観測したほかに、北海道南部から中国・四国地方と日本の広い範囲で震度5から震度1の揺れを観測しました。
 地震の発生時間が午前11時58分と、どの家でも昼食の準備をしている時間でしたので、多くの家で火災が発生しました。
 この地震によって、総計37万棟の家が全壊・半壊する被害を受け、死者・行方不明者は約10万5000人に及びました。

そして後に、関東大震災の発生日である9月1日が「防災の日」と定められました。

参考:(内閣府 防災情報のページ「関東大震災100年」特設ページ

江戸時代に有った、2回の大地震と富士山噴火のトリプルパンチ

 今から320年前の1703年(元禄15年)12月31日の午前2時頃。
 当時の資料から、推定で震度7の大地震がおきました。
 いわゆる「元禄地震」です。
 この地震では、高さ10メートル程の津波も発生し、死者は1万人を超えたと言われています。
 単純に比較するのは難しいですが、歴史資料から当時の日本の人口は3000万人弱と推計されており、現在の人口で計算すると約4万人の死者が出た計算になります。

 更に、その4年後の1707年(宝永4年)10月。
 今度は駿河湾から四国沖の広い範囲でまたしても大地震が発生します。
 こちらも推定震度7(マグニチュード約8.6)の「宝永地震」です。
 この地震は南海トラフ型の地震で、海岸部では約15メートルの大津波が発生し、現在の大阪を中心に死者は2万人以上出たと伝えられています。

 災害はまだ続きます。
 宝永地震が起こった翌日の早朝に、M6.5程度の地震が富士山の麓で発生しました。
 その地震の49日後に、富士山の噴火活動が始まります。
 大量の火山灰が関東平野に飛来し、宝永地震での被害が少なかった関東地区に降り注ぎます。
 この「宝永大噴火」は2週間も続きまして、江戸の街は火山灰だらけになりました。

参考:(現代メディア日本人が意外と知らない、かつて一度起きた「巨大地震と富士山噴火」大連動の恐怖

もしこれが現代に起こったら?

 では、現在の日本でこの様な大地震と富士山噴火と言う災害の連動が起こったらどうなるでしょうか?
 道路や鉄道などの交通網が発達し、それによって日常生活に必要な物資の輸送が行われている現代。
 もし発生すれば、被災者は勿論ですが、他の地域に住んでいる人たちにも物資が届かなくなり、生活困窮者の数は江戸時代とは比べものにならないほどの人数が出て来るでしょう。

 連絡手段の為に使っている携帯電話やスマートフォンは、電波を中継する中継局が破壊されれば電話やメールのやり取りは出来なくなりますし、情報収集に使っているパソコンも停電でモデムが動かなければインターネットを見る事も出来ません。
 今まで何気なく使っていたものが使えない、スーパーやコンビニ等で普通に買っていた物が、商品が届かないので手に入らない。
 当たり前と思っていた生活や買い物ができなくなり、皆さん混乱すると思います。

その時、障害者は・・・

 こちらは、去年東北地方や北陸地方で地震が相次いで発生した時に書いた記事です。

大震災とウクライナ情勢 ~障がい者が取るべき行動とは?~

その記事に書いた、近年起こった大地震を発生順に、また書いてみます。

1・阪神淡路大震災(1995年(平成7年)1月17日午前5時46分発生)
  場所:兵庫県淡路島北部の沖合 
  震度:震度7(マグニチュード7.3) 

2・福岡県西方沖地震(2005年(平成17年)3月20日午前10時53分発生)
  場所:福岡県西方沖の玄界灘
  震度:震度6弱(マグニチュード7.0) 

3・東日本大震災(2011年(平成23年)3月11日午後2時46分発生)
  場所:宮城県牡鹿半島の東南東沖合
  震度:震度7(マグニチュード9.0)

この時の記事にも書いていますが、東日本大震災時の死亡率を健常者と障害者で比べて見ると
・NHKの調査で :2.0倍
・宮城県の調査で:4.3倍
健常者に比べて障害者の方が、亡くなった人が多い結果が出ています。

 それは、障害を持っている方は、それぞれの障害でとっさに逃げられない理由が有ります。
 私の様に聴力が弱い難聴者は、警報や避難指示の声、また物が崩れる音が聞き取りにくいですし、足の悪い方は「逃げろ!」と声をかけられても素早く動けない等、それぞれの障害や程度によって色々な理由が有ると思います。

 ですので、日本障害フォーラム幹事会では、震災が起きた時に障害者を守るために

・防災対策で、どの程度障害者の事が意識されていたか?を検証し、障害者も含めた対策に
 作り直す事

と言うのを提案しています

終わりに 

 と言う事で、来るぞ来るぞと言われている地震が来なくて、その他の地方で大地震が来てしまい、そんな大地震に対する防災対策をして無かった自治体が慌てふためいているのが、最近の震災の傾向です。
 ですから、避難場所に関しても健常者目線で設定されていたりします。
 今これを書いている時に、台風6号が九州西岸を通過しており、ここ福岡県の鉄道やバスもほとんど運休していますし、自治体からの「避難指示メール」も来ています。
 この避難指示メールですが、先月6月の大雨の時も来ていましたが、毎回来る度に両親は「電車動いて無いし、車も持って無いのに、どうやって指定されている隣駅のしかも駅から離れた場所に有る避難所まで行けって言うのだ?」と言っています。
 私も「お年寄りや障害者の事を考えていない避難場所の設定だよな」と、この避難指示メールが来るたびに思いながら見ています。
 災害なんて、いつどこで起こるか分かりません。
 その為にも「うちは災害が少ない自治体だから」なんて考えずに、キチンと防災対策マニュアルの作成や避難所の設定を行って欲しいものです。 

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