60歳を過ぎた人の再就職は難しいか?-働きたい方は7割だがシニア歓迎求人は1割の現実-

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こんにちは、金次郎です。

 皆さんは、何歳まで働きたいですか?
 私が新卒で社会に出た頃は、年金の支給開始年齢は60歳でした。
 その後、平成6年の年金法改正で支給開始年齢が65歳になりました。
 これに伴って、定年年齢も65歳に引き上げられました。
 もし、定年年齢が新入社員当時のままならば、私は定年退職して年金生活に入っていたはずです。

人手不足の各種業界

 こちらの記事は、今年の5月に書いた記事です。

あらゆる業界で人手不足-新型肺炎でパニック解雇の後遺症-

 新型肺炎が流行り始めた後、業界・職種問わずあらゆる会社で人員削減の為の解雇が有りました。
 しかし、今になって人手不足で悩んでいます。
 でも、一度解雇をしてしまったら会社に対する悪い噂が広まり、求人募集しても中々応募者は現れません。
 私が住んでいる団地近くのタクシー会社も、求人募集ののぼりを立てていますが、そう簡単に2種免許保持者は現れません。
 現時点でも、運転手が居ない車が車庫に並んで置いてあります。

 上の記事でも、触れている運送業界の「2024年問題」は、もう始まっているのか、事業所の有る最寄駅のタクシー乗り場も、普段なら20台近く止まっているタクシーが、先月6月は2~3台ほどで、日によっては1台も止まっていない日が有ったりと言う状況です。
 考えるに「タクシー運転手って高齢者が多いから、定年退職した運転手分を補充するだけの若手の運転手がいないのだろうな」なんて思っています。 

定年した人の就労意欲はどうだろう?

 雨が降っていて、テレワーク前の散歩に行けなかった日に、何気に見ていた「羽鳥慎一モーニングショー」。
 番組では、日銀短観で従業員の過不足についての調査結果から「宿泊・飲食サービス業が、過去最大のマイナス水準」になった事を踏まえて、人々の就労意欲を調査をした結果を伝えていました。

・「あなたは、何歳まで働きたいですか?」

 この問いで、60〜74歳の男女が回答した調査結果では、70代以上まで働きたい人が7割を超えていたことを紹介していました

その一方で

・「シニア世代で、5年間仕事探しをしたが就職出来ていない人」

の調査結果が53.7%に上った事も紹介していました。

 コメンテーターの玉川徹氏は「企業と言うか日本社会の固定観念なんですが『60歳を過ぎた高齢者は与えられた仕事がこなせない』と言う考え方が未だに残っているからなんです」と指摘します。
 そして「僕は今の仕事が好きなので、年を取ってもずっと続けたいです」とも言います。
 最後は「ジャーナリストの田原総一朗さんを見て下さい。彼は今90歳ですよ。そんな彼を見ていると、私も仕事を続けられそうだなと感じています」と締めくくります。

参考:(スポーツ報知)玉川徹氏、シニア層の働き方改革を提言…「働ける人であれば何十代であっても働くんだという社会にこれから変わっていく」

でも現実問題、正社員での再就職は難しい

 2018年12月10日の調査結果ですが、情報サイト開発・運営の「株式会社キャリアインデックス」が提供する、求人広告の営業支援サービス「Leadle(リードル)」のデータを基にして「CAREER INDEX転職・仕事実態調査vol.24」を発表しました。

 それによると、「Leadle(リードル)」に「掲載中」の742万9208件の求人情報のうち
 
『シニア歓迎』の文字が付いている求人情報は、僅か12.1%(90万1194件)だそうです。

その求人を雇用形態別に見てみると
・正社員         6.4% 
・契約社員      13.1%
・派遣/紹介予定派遣   8.4%
となり、残りはパートやアルバイトでした。

参考:(PR times)『シニア歓迎』の求人は全体の12.1%「CAREER INDEX転職・仕事実態調査vol.24」

ならば、正社員じゃ無くても良いと言う働き方

 内閣府が発表した「令和3年版の高齢社会白書」によれば、60歳以上で働いている男女の割合は以下のとおりです。
     男性         女性
・60~64歳:82.6%      60~64歳:59.7%
・65~69歳:60.0%      65~69歳:39.9%
・70~74歳:41.3%      70~74歳:24.7%
・75歳以上: 4.9%      75歳以上:2.7%

参考:(内閣府)和3年版高齢社会白書(全体版)(PDF版)

 ただし、フルタイム勤務では無く、1週間辺り4.3日、1日辺り6.3時間と言う働き方です。
 また定年退職した方が、再雇用で働く場合、給料が大きく下がる事が一般的ですので気をつけてください。
 60歳以上でも、採用してもらえる仕事の特徴としては以下の様な感じです。

1・時間に融通が利く特徴を活かす
  若い世代が休みを希望する「土日・祝日」に働けるなら、未経験でも採用される可能性があり
  ます。

2・生きて来た経験が活かせる仕事
  して来た仕事経験が豊富だったり専門資格を持っていたりすると、経験を活かして後進に技術
  を教える仕事に就ける可能性があります。

3・コミュニケーション能力が求められる仕事
  シニア世代は今までの社会人生活で、色々な人と触れ合っています。
  そのコミュニケーション能力を活かした仕事に就くのも、採用の可能性が有ります。

参考:(そなサポ)60歳からの仕事探し|シニア歓迎の職種と仕事の探し方

終わりに 

 こちらは、去年の6月に私が書いた記事です。

年金制度改革?改悪?~2025年にA型などで働く障害者も、厚生年金保険料支払い義務発生?~

 今は、週40時間勤務の人しか厚生年金保険料の支払い義務は有りません。
 しかし、2年後の2025年には従業員規模要件を無くし、私たち障害者事業所で働く週20時間勤務の人や1人で個人商店を経営している人まで厚生年金保険料を支払う様に、国が制度改革している事を書きました。
 それに合わせる様に、日本年金機構は「年金の支給開始年齢を70歳に引き上げ」する事を検討している事も書いています。

 一番最初に書いた様に、私が社会人になった頃は、年金支給開始年齢は60歳でしたが、それが5年延びて65歳に、そして今また延びようとしています。
 もう年金はいつ貰えるか分からない状態な上に、私たち短時間勤務の人間も「保険料を払いなさい」なんて「また給料から引かれるものが増えるのか」と思うとガックリです。

 一応、60歳を過ぎたら減額されますが、「年金の早やもらい(繰上げ受給)」と言うのは出来ます。
 1ヵ月単位で、もらうのを遅らせれば遅らせるほど、減額率は下がって行きます。
 もらうのを我慢して「定年まで頑張ろう」と働いていますが、もし「支給開始年齢70歳」の案が国会で可決成立したら「もう、我慢せずに、もらっちゃおうかな?」なんて考えています。

参考:(日本年金機構)年金の繰上げ受給

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