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こんにちは、翼祈(たすき)です。
唾液や食べ物などを飲み込む働きを「嚥下」といいます。嚥下した食べ物などは、口から食道へと運ばれます。本来は食道に運ばれるものが、誤って気道に運ばれてしまうことを「誤嚥」といいます。
誤嚥で引き起こされる現象が「誤嚥性肺炎」です。65歳以上の高齢者が引き起こす肺炎のほとんどを占めます。
一般的に、肺炎を発症すると、38℃以上の発熱や強いせきなどの症状が現れますが、誤嚥性肺炎ではその様な典型的な症状が出にくく、「食欲がない」「ハアハアと呼吸が浅くて速い」「身体が異常にだるい」「何となく元気がなさげ」という症状が多く見受けられます。さらに「せん妄」という、話し言葉や動作など意識に混乱が起こることもあります。
今回は「誤嚥性肺炎」の原因、防げる舌トレーニングや開発された機器などについてご紹介します。
「誤嚥性肺炎」の起こる原因
誤嚥性肺炎が高齢者に見られる理由は主に①嚥下障害、②抵抗力や体力の低下、③口の中が清潔さを維持できていない、④せき反射の働きの低下、の4つが挙げられます。
①嚥下障害
高齢者は食べ物を飲み込む機能が衰えることで、 嚥下障害を発症しやすくなります。嚥下障害はパーキンソン病やアルツハイマー型認知症、脳卒中などが原因でも発症します。
②抵抗力や体力の低下
高齢者や重い病気を罹患する人は、抵抗力や体力が落ちていることが多く見られ、誤嚥性肺炎を引き起こしやすくなります。
③口の中が清潔さを維持できていない
また、歯みがきが十分にできていなかったり、飲み込み切れずに食べカスなどが口の中に残っている、口の中が清潔さを維持できていない状態では、細菌が繁殖しやすく、飲食物や唾液と一緒に気管に運ばれることで、誤嚥性肺炎を引き起こしやすくなります。
④せき反射の働きの低下
一般的に、誤嚥が起きたケースは、反射的にせきをする「せき反射」により気管に運ばれたものを口に戻します。高齢者や脳卒中を罹患している人は、せき反射が上手くできないことが多くみられ、誤嚥性肺炎を発症することがあります。
個人でもできる「誤嚥性肺炎」の予防策
❶口の中のケアを行うことです。歯や舌は食べ物が付いて細菌が繁殖しやすいので、歯みがきと舌みがきは必ず行って下さい。専門家の見解は毎食後と寝る前の1日4回行うことです。歯みがきや舌みがきがご自身で上手にできないケースは、ご家族や介護ヘルパーなどが行って下さい。入れ歯の掃除も定期的にして下さい。
また、日常的に歯科衛生士などに歯磨き指導や歯のクリーニング、歯石の除去などをして貰う手段もあります。
❷喫煙する人は気道が粘膜をキレイに保つ働きを抑制し、細菌が繁殖しやすくなりますし、禁煙を推奨します。
❸嚥下指導においては、誤嚥を予防する正しい食事の方法を学びます。
❹また、65歳以上の人や60歳~64歳の人で心臓・呼吸器・腎臓の病気やHIVを罹患している人は、早期に、肺炎球菌ワクチンを一度摂取することが推奨されています。
参考:【特集】誤えん性肺炎はなぜ起こる?原因や症状、予防法について NHK 健康ch(2023年)
対策⑴舌トレーニング
高齢者に多く見られる誤嚥性肺炎などを防ぐ方法は、口の中の細菌の繁殖しにくくする以外にも、舌の筋肉を鍛えることも大事となります。富山県内の介護施設に勤務し、口腔ケアを指導も行う歯科衛生士の女性は、毎日簡単に行える舌のトレーニングの方法をアドバイスしました。
丁寧にブラッシングをして歯垢を取り除く理由は、細菌が繁殖をしにくくするためです。舌を含めて口腔を清潔に維持できれば、誤嚥性肺炎のリスクも軽減できます。
歯科衛生士の女性はその上で、歯で噛み砕いた食べ物を喉の奥に運ぶ舌の動きにも注目しました。高齢者などの口腔ケアに関わる中で、舌が縮まって伸びていない人は食べ物を食べた時に、口腔に食べ物が残りやすく、舌が縮こまらず伸びて舟底形にもできる人は飲み込む力もスムーズにできたと発見しました。
食べ物を飲み込む時、誤って気管に運ばれるのを予防する組織「喉頭蓋(がい)」に働きかける筋肉は、舌の付け根近くにあります。「舌を活発に使うことで、喉頭蓋の動きも刺激され、飲み込む力が改善されました」と歯科衛生士の女性は説明します。
11年以上前から地元の富山県内の介護施設などで、舌の掃除と合わせて舌を鍛える習慣を浸透させてきました。歯科衛生士の女性が指導に関わった介護施設では、誤嚥性肺炎で入院する高齢者が大幅に少なくなりました。
コロナ禍に入り、大きな声で喋ったり、歌を歌うといった、口を活発に働かせる出来事が日常から少なくなっています。歯科衛生士の女性は「高齢者の飲み込む力が衰えがち」と心配し、1日1回、舌の掃除と筋トレを30秒ずつ継続することをオススメしました。
口腔の細菌は特に睡眠中に繁殖し、筋肉も硬くなりやすく、朝起きてすぐ舌の掃除と筋トレを実施することに効果があります。
舌の汚れを適切に取る器具は、沢山のアイテムが販売されています。舌の掃除でナイロン製の歯ブラシを使うケースでは、硬くて細かい毛で舌が傷付きやすく、避けるべきだといいます。「舌の表面は乳幼児の肌の様に繊細です。舌の汚れを取る部分はシリコンやゴムのアイテムを選択した方がいいでしょう」。
舌を目一杯伸ばし、器具で舌の汚れを取る部分を舌の表面に押し当てて、奥から手前にゆっくり動かすことを30秒繰り返し行います。ご自宅にあるカレー用スプーンを使用して舌の汚れを取るケースはスプーンのへこんだ面で汚れを取ります。
続いて筋トレの話です。ご自宅にあるカレー用のスプーンでしたら、丸くなった底の部分で舌の奥の中心部分を20秒間、1秒に1回の間隔でもみほぐす様に押し付けます。その動きで舌が押し返され、筋肉が徐々に鍛えられます。そして、左右の頬の内側をスプーンの底の部分などで下から上に交互に数回ずつ押し上げます。頬の筋肉も食べ物を歯と噛み合わせに乗せるのを助ける働きがあり、筋肉を衰えさせないことが大事です。
参考:嚥下障害を予防するベロ(舌)出し運動について② あおぞら歯科
歯科衛生士の女性は、舌の掃除と筋トレの両方が可能な専用器具「二刀流舌筋トレーナー君」を2年前に開発しました。長さ18cmのプラスチック製となり、先端のイチョウの葉の形をした面に細かい突起と大きめの丸い突起が付いています。
通販サイト「歯みがきとお口のケア専門店【きよまろショップ】」で1800円(送料別)で販売されています。災害に見舞われた時の口腔ケア用品もセットにした「オーラル緊急箱セット」(3000円〜)も販売されています。
お問い合わせ先は、ティースアイ=電話 076-481-8020 まで。
対策⑵「誤嚥性肺炎」発症リスク診断装置in長野県
長野県は産官学連携で発症リスクを診断するための装置を共同開発したと発表した。
共同開発したのは県工業技術総合センター材料技術部門(長野市)と信州大医学部(松本市)、発汗計を開発する信州大医学部発のベンチャー企業「スキノス」(上田市)、ソフトウェア開発の「システムクラフト」(長野市)の4者。2019年度から開発を進めてきた。
今回開発した機器では、のどに貼るセンサーシートで睡眠を妨げずに寝ている間ののどの筋肉活動を計測できる。計測データを無線で送信し、独自の手法で解析するという。
3年後をめどに病院やリハビリ施設向けの製品販売を目指しているという。
私の母方の祖父も、誤嚥性肺炎になりました。
祖父はスポーツをしに自分の車を運転して行っていましたが、あっちこっちにぶつけたりと車の運転が危なくなって来たので、免許を返納しました。
スポーツをしていた場所は車でないと行けない位遠く、祖父はスポーツに行くことができなくなり、それからは食事とお風呂の時間以外は毎日いつ見ても寝ていました。
寝てばかりの生活で、ゴミ出し中にこけたりと、体力が落ちていた祖父。ある時食事をしていて、気道の方に食べ物が入り、祖父は誤嚥性肺炎で、入院することになりました。
ずっと「家に帰りたい」と入院中言っていました。それでも祖父の体調は良くならず、口で食べ物を食べられなくなり、祖父は胃ろうという延命治療で命を繋ぐことになりました。
叔父さんは祖父が転院もしなくてはならなくなったり、病院を退院したら自宅には戻れないから、入れる施設を探したりしていました。施設も決まり、後は退院を待つだけという数日後に亡くなりました。
祖父は亡くなる前日にベッドから起き上がり、看護師さんに「いつもありがとうございます」と言って話しかけたそうです。亡くなる瞬間も「みんな、ありがとう、ありがとう」と言って亡くなりました。
祖父の葬儀の日、お寺で住職の人が、祖父を思い、涙を流し続けていたのを覚えています。祖父は最後はベッドから動けなくなりましたが、地域活動にも積極的に参加し、家族葬といえ、葬儀場や弔問にも多くの人が訪れていました。それだけ愛されていたんだなと、分かる出来事でした。
祖父とは私が最初の孫で、色んなところに祖母と連れて行って貰いました。最後の方はいつも寝ていて、寝とぼけていましたが、祖父とは楽しい思い出しかありません。祖父には沢山可愛がって貰ったと感謝しかありません。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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