「障がい者なんだから」なんて言わせない!就労継続支援A型事業所「わらくや」の挑戦

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こんにちは、金次郎です。

 障がい者が作った物です!と言うと、どうしても「質が悪いんでしょ」とか「安物作ってるんでしょ」と言うイメージを持たれたり、賃金に関しても「事業所ってお給料安いんでしょ」なんて思われてしまうことも少なくありません。

 そんな中、今回ご紹介する「就労継続支援A型事業所わらくや」は、栃木県で1個300円の「高級卵」を作っている、障がい者の方が働く就労支援施設です。

 今回はそんなわらくやの取り組みや代表の方の想いについてまとめていきます。

代表の島田利枝さんについて

 代表取締役の島田利枝さんは、1968年生まれの神奈川県川崎市出身です。
 栃木県に有るメガネ販売店に勤務しますが、東日本大震災のあおりを受けてリストラされてしまいます。そんな折に島田さんがA型を立ち上げようと思ったきっかけは、二人の父親の存在がありました。

 実の父親は、鉄工所を経営していましたが、経営に失敗して鉄工所を手放しました。
 しかし、働いていた職人さんたちからは、会社を手放した後も慕われていて、利枝さんは人を育てる事の大切さを感じました。
 旦那さんの父親は、統合失調症を患っていましたが、知的能力は高く細かい手作業などが得意でした。
 この2人の父親の姿を見て、ハンディ(障がい者)のある人にも出番がある社会を作ろう、「障がい者でも自立して働けるんだ」と一念発起し、会社の設立に至りました。

 島田さんは廃業する養鶏場を引き継ぎ、暗中模索の中で障がい者の方達と、日本では主流の飼い方であるニワトリの「ケージ飼い」よりも、ニワトリがのびのび暮らせる「平飼い」に挑戦します。
 しかし、なにぶん経験が無いので暗中模索の連続だったそうです。
 行政の担当者からは「障がい者なんだから、無理しなくて良いんじゃない?」とか「障がい者が作ったものを高く売るの?」と言われたりしたそうですが、島田さんはこれらの言葉に逆に発奮したそうです。

 「障がい者たちの作る者は、安くても良いと私たち自身が考えてしまったらダメ」。
 それでたどり着いたのが、卵の質を高めて売る事でした

就労継続支援A型事業所「わらくや」

 2014年(平成26年)就労継続支援A型事業所「わらくや」を設立します
 「わらくや」が目指しているものは『障害を人生の障害にしない』です。
 また「作業がたくさんできることよりも、『精いっぱい努力を続けられることの方が素晴らしいをモットーに
『人を思いやれるやさしさ』
「障害に『絶対に負けないという心の強さ』が大切」
 を念頭に作業を行っています。

 「わらくや」では、作業員全員に最低賃金かそれ以上を支払っています。
 それを可能にしているのが、1個300円と言う最高品質種の卵「茜(あかね)」をはじめとする、思い切った価格設定です。
 手間ひま世話をしたニワトリが産む卵は、濃厚な味が評判になっています。
 防腐剤や防かび剤を使わない穀物を餌にするなど、安心と健康を追求する姿勢も評価されおり、固定客を中心に売れ続けています。

 「わらくや」の進化は続きます。
・2016年(平成28年):放課後デイサービス「わらくやJr.ドリーム」開所
・2023年(令和05年):春に、就労継続支援B型事業所を開所予定です。

障がい者の仕事ぶりを見てみて

 高橋晴綺(はるき)さんは、幼い頃に「自閉症」と診断されました。
 特別支援学校を卒業後、大手ラーメン店に「一般就労」します。
 「大好きな祖母に初月給を渡したかった」という高橋さんですが、対人関係に苦しみます。
 忙しい時間帯に厳しく求められるスピードや効率についていけず、失敗を何回も叱責されるなどして傷つき、間もなく退職しました。
 その次に就職した、A型事業所は、利益が上がらない事を理由に廃業してしまいました。
 それでも「なんとか仕事をしたい」と高橋さんが訪れたのが、同じくA型事業所の「わらくや」でした。

 平飼い鶏舎では、餌容器のふたが、フンやほこりで汚れていきます。
 高橋さんはたくさんのふたを「人と関わるよりは、楽」と、黙々と洗います。
 鶏舎内で清掃をしていると、「この人間は危害を加えないみたいだ」と察したニワトリたちが集まって来て、足をツンツンとつついてきます。
 高橋さんは「マッサージみたいで気持ちいい」とほほ笑みます。

 高橋さんの個性が生かされたのが、さまざまな用具をきれいにする「洗い物」です。
 ニワトリが水を飲むために設置されているタンクを洗う時には、入り組んだ内側についた汚れまで色々な形のブラシを使い分けて丁寧に洗い、最後はまるで新品の様にしてしまいす。
 代表の島田さんは「ついにタンク洗いの達人が現れた」と感心します。
 こうした洗い作業や鶏舎の清掃作業で、清潔な環境に保たれたニワトリが、良質な卵を生んでくれるのです。  

終わりに 

 私も6年前に初めて障害者手帳が交付されて、相談支援事業所の職員さんからA型事業所と言うのを教えてもらい、居住地内のA型事業所に就職しましたが、その事業所も高橋さん同様廃業の目に遭ってしまいました。
 それで、色々なA型事業所を見学して「パソコンのスキルが活かせるなら」と、今のA型事業所に再就職して、まもなく5年目です。下記の様な色んな仕事に取り組んでいます。

TANOSHIKA CREATIVE
 ・WEBデザイン(企業様のHPや通販サイトのデザイン&作成)
 ・DTPデザイン(企業様のパンフレットやポスターなどのデザイン)
 ・ライティング(生き辛さ・働き辛さをテーマにWEB記事作成)
 ・ネット通販(オークションサイトへの出品)
 ・その他 (データ入力)

 私は、ライティング班に所属しており、ご覧の様な記事を書いたり、お客様から依頼のあるWEB文章を作成しています。

どのチームも企業から一般企業と変わらない水準の報酬を得て仕事をしています!

下記はその実績ページです。よかったらこちらもご覧ください。

https://tanoshika.jp/projects/

 TANOSHIKAには、パソコン作業以外にも以下のような事業所が有ります。

TANOSHIKA FARM
・農作業

TANOSHIKA PLUS
・ネット通販
・清掃

参考記事

(Yahoo CREATORS)「障がい者なんだから」の言葉に奮起 1つ300円の卵を作る事業所の哲学

就労継続支援A型事業所「わらくや」

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2 件のコメント

  • 記事を読ませていただきました。障がい者に希望をもつ勇気が伝わってきました。これからも記事を楽しみにしています。

    • コメントありがとうございます。
      障がいを持っていても、その人が持っている技術を活かせる仕事ならば
      大いに社会に貢献できると思っています。
      自分に合った仕事を見つける事が大切ですね。

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