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こんにちは、翼祈(たすき)です。
2022年8月、スコットランドで自治体などへ、ナプキンなど生理用品の無償提供を義務化する法律が制定されました。
『生理の貧困』が世界中で問題になっている中、スコットランド自治政府は、生理用品が無償で提供される権利が法律で明確にされたのは、世界で初めてだとし、「こうした権利は、インフレによる生活費が高騰するなかではこれまで以上に重要になっている」といいます。
ロンドンのカーン市長はTwitter上でスコットランドの新法を称賛し、「英国政府が次に続いて、生理の貧困を終わらせる時だ」と呼びかけました。
今回はスコットランドの取り組みの中身と、世界の動きについてお伝えします。
2022年8月、スコットランド、生理用品無償提供を自治体などに義務化
イギリス北部スコットランドで2022年8月15日、ナプキンやタンポンなどの生理用品を必要だと感じている全員が無償で手に入れられる権利を守る法律が施行されました。スコットランド自治政府によれば、地方自治体や教育機関に生理用品の無償提供を義務付けた法律で、世界初の法整備だそうです。
スコットランド自治政府は2018年、学生などへ生理用品を無償で提供する520万ポンド(現在のレートで約8億4000万円)規模の事業を公表しました。
2019年にはさらに400万ポンド(現在のレートで約6億5000万円)の予算を投入し、図書館やレクリエーション施設でも無償提供をスタートしました。
今までスコットランドでは生理用品を一部の公共施設で無料で提供出来る様に2017年から2700万ポンド以上、日本円に換算して43億円余りを投資して枠組みを固めて来ましたが、法律が施行され完全義務化される運びとなりました。
法案は2020年に議会で全会一致で成立しました。小中高校や大学、役所、図書館、レクリエーション施設、カフェ、コミュニティー施設などでは生理用品の備蓄を義務化され、この日8月15日に施行された法律の対象者は「生理用品を必要だと感じている全員」から希望を受けた時に無償で提供されます。最寄りの提供場所をアプリで見つけることも出来ます。
今回の法律では経済的理由で生理用品を買えない「生理の貧困」を無くす目的があります。英BBCによれば、スコットランドの市民団体が2018年に実施した実態調査で、若い女性の4人に1人が生理用品を購入することに苦労しているとの回答が寄せられました。
イギリス全体では「14~21歳の女性のうち1割が、経済的理由で生理用品を購入出来ない」という統計も公表されています。女性は月平均13ポンド(約2100円)を生理用品を買う事にお金を捻出し、生涯では数千ポンドに上るとされています。
自治政府のロビソン社会正義担当相は今回の法律の施行前日の2022年8月14日に、「生理用品を必要としている人達への無償化は平等と尊厳の地盤であり、経済的なハードルを排除するものだ。世界初のこの様な行動を行った自治政府である事に私は誇り感じている」との声明を発表していました。
参考:英スコットランド、世界初「生理用品の無償提供を義務づけ」…「必要な人」に公共施設で配布 読売新聞(2022年)
スコットランド自治政府関係者からの正式コメント
スコットランドでは、今回の生理の貧困対策での法律施行に対し、スコットランド自治政府の社会正義担当相のショナ・ロビソン氏とイギリス最大野党・労働党のモニカ・レノン議員がコメントを寄せています。コメントの詳しい内容は動画からご覧下さい。
世界各国が取り進めている、『生理の貧困』問題
「生理の貧困」は世界各国で大きな社会問題に発展しており、新型コロナウイルスの感染拡大もあり、困窮した女性が生理用品を買えない事例も増えています。
2019年中南部イングランドで全部の学校に対して、2021年にはニュージーランド政府が全部の学校に対して、フランス政府が全部の大学に対して、生理用品を無料で必要としている全員に提供すると公表するなど、「生理の貧困」の問題の解決を見出そうという働きかけが世界的に進んでいます。
日本でも国や自治体が働きかけの強化を図っています。日本の厚生労働省が2022年3月に公表した国内調査によれば、20歳代以下の約13%が、生理用品の購入に苦労した経験があると回答を寄せました。公共施設や学校での無償配布が全国で拡大しています。
イギリスでは2021年1月、生理用品の付加価値税(VAT)が無くなりました。カナダや韓国、インド、ケニア、オーストラリアやアメリカの一部の州も、生理用品への課税する事を止めました。
参考:英スコットランド 生理用品の無料提供 自治体などに義務づけ|NHK|イギリス(2022年)
凄く良い取り組み。
日本の生理の貧困については以前記事にも書きましたし、検索する時に一緒に世界の生理の貧困に関しても引っかかっていたので、世界の問題なんだと認識はしておりました。記事を検索する時に、ナプキンが買えず、トイレットペーパーや布で代用している人がいるのも、記事を見て知っていました。
現代は昔と異なり女性が出産する回数が減り、生涯の生理回数も遥かに増えたので、生理の貧困は社会問題となっていますね。この問題が大きく浮上してからテレビでもよく取り上げられる様になりました。
私もコロナ禍に入って間もない頃に、「生理用品が売られなくなるらしい」とデマが飛び回り、ナプキンが店頭から消え、生理中は夜用しか出来ない私にとって、夜用の大きなナプキンが一時期手に入りにくいのはとても困りました。幸い生理がその期間に来なかったのが、不幸中の幸いでした。スコットランドはそんな生理の貧困問題解決の大きな一歩だと思います。この取り組みがどんどん後に続いて欲しいですね。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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