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こんにちは、翼祈(たすき)です。
妊婦さんのための緊急車両であり、突然の破水や陣痛といった緊急時か、出産のための入院時などに119番に連絡することで呼び出せる、「産救車」という妊婦さん専用の救急車があります。2018年4月に神奈川県湯河原町で日本初の「産救車」の運用が始まり、2022年7月からは和歌山県有田市でも「産救車」の運用が開始されました。
この救急車にはマタニティマークが掲示してあり、その市に住んでいない近隣の市に住む妊婦さんでも利用出来る仕組みとなっています。今回はそんな「産救車」をご紹介致します。
産救(さんきゅう)車とは?
産救車とは、和歌山県有田市立病院に2021年12月に入り、分娩を再開した産婦人科の平野開士医師が考案した妊婦さん専用の救急車です。
平野医師は和歌山県外の病院で働いていた時に、妊婦さんが救急車をお願いする事を躊躇したため対応が遅れて、胎児が亡くなるという悲しい経験をしました。
新型コロナウイルス感染拡大で、妊婦さんにとって救急車を要請するのに抵抗感が強く、タクシーが走っていない夜間など、移動手段がないケースでも救急依頼への遠慮され、非常時になって病院に運ばれる事例が多い傾向になるとされます。
救急車を妊婦さんへの大事なツールとして「産救車」と名称し、救急依頼をする壁を低くし、母子を守る早期対応に結び付けるのが狙いです。装備や人員は一般の救急車と相違ありませんが、和歌山県有田市消防本部が「産救車」として動く際には、救急車の車体に直径約40センチのマタニティマークを掲げます。
参考:妊婦のための「産救車」 119番ためらわずに 和歌山・有田 朝日新聞デジタル(2022年)
和歌山県有田市の産救車
和歌山県有田市において、陣痛や破水など緊急な状況下に陥った妊婦さんが、遠慮することなくお願い可能な救急車両「産救車」の導入をスタートしました。妊婦が救急車の搬送をお願いするのは、高い壁が生じると考えられます。産科医院への搬送が遅くなることを減らし、母子共に安心と安全な出産に結び付けるのが狙いです。
有田市立病院に勤務する平野開士医師は「本当に大ピンチが迫ると救急車での搬送を希望すると妊婦さんがいると想定しますが、我々の立場から考えると、レッドカードまで持ち込むのではなくイエローカードの段階で産救車を必要として頂きたい」と指摘します。
その様なケースに妊婦さんを陥れさせない様に「産救車」という名称を消防、医療、患者で共有の認識をして持ち、119番に電話をし「『産救車』での搬送を希望します」とお願いしやすい枠組みとなりました。有田市消防本部も「職員に認知度を高め、態勢は常時取り組んでいる」といいます。
和歌山県より先に神奈川県湯河原町で2018年度より、出産が近い妊婦さんを搬送する専用救急車「産急車」を取り入れたモデルケースがあります。
その一方、妊婦さんが有田市外から同有田市立病院に通院している事例や、有田市内在住でも有田市外の病院を妊婦さんがかかりつけ病院としている事例などに対しては、有田市外の消防や医療機関につきましては「産救車」の名称が理解されないという大きな課題も直面しています。
平野医師に監修をお願いする有田市消防本部では、2022年7月から3台の「産救車」が出動しています。同有田市では、出産期前後での妊娠している期、出産した後の妊婦さんも対象に入れています。妊婦さんについて、同有田市では妊娠届出を提出する時、同有田市立病院では通院時にそれぞれの産科医院で作成されたリーフレットを送り、「産救車」の認知度の向上を高めようとしています。
平野医師は「有田市が『産救車』でのモデルケースとなることでこの支援の輪を拡大させ、必要として妊婦さんを守っていきたい。有田市以外の地域でも産救車を必要とされる考え方が広まってくれたら」と語っています。有田市立病院においては時間帯や休日関係なく「産救車」での搬送を要請出来ます。
参考:妊婦のための「産救車」 119番ためらわずに 和歌山・有田 朝日新聞デジタル(2022年)
参考記事
妊婦搬送に「産急車」 湯河原町が全国初の試み カナコロ(2017年)
妊婦さんは助かりますね。
今コロナ禍でそのことで救急車の出動要請が多く、妊婦さんが出産するまでも非常に難しくなっています。テレビではコロナで救急車も36時間待ちだったり、一緒に同乗した怪我人は事故現場に戻されたりと、非常に救急車での対応も厳しいものとなりました。それだけ出産するまでが命懸け、その分産まれて来たお子さんと対面出来た時の喜びも大きいと思います。
私が調べた結果では余りこの「産救車」を導入しているところは、まだほとんどない様に見受けられました。妊婦さんが救急車を呼びたい時に電話が繋がらないのは大変な事態ですし、この「産救車」が全国的に拡大してくれたら、妊婦さんの緊急時でも救急車を呼べる、大きな1つの手段になると思います。コロナ禍で色々大変だと思いますが、この活動がもっと導入して欲しいと、そう思いました。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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