『ドライビング・バニー』。〜絶望的な状況を、ユーモラスと愛嬌たっぷりに仕上げた映画〜 

ドライビング・バニー 映画

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

俳優のトーマシン・マッケンジー主演による、第20回トライベッカ映画祭審査員特別賞など、世界で絶賛の嵐を巻き起こした映画『ドライビング・バニー』(邦題)が公開されることが決まりました。

今回は映画の中で描かれる、社会的弱者についても考えていきたいと思います。

『ドライビング・バニー』9月30日公開決定

経済的に弱い立場の人間が普通の生活を求めたいと想う行動は、高望みなのでしょうかー。

絶望という言葉ですら言い表せない様な困難な状況を、面白さと愛嬌たっぷりのロードムービーに転換した、ニュージーランド映画【The Justice of Bunny King】が邦題『ドライビング・バニー』に決まり、2022年9月30日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテほか全国にて公開されることが決定しました。

また、メインビジュアルも解禁されました。この度解禁されたメインビジュアルは、雲ひとつない青空のもとで、車の前に立つバニーとトーニャの軽やかな笑顔を収めた1枚。「奮闘と希望のミラクル・ロードムービー」のコピーも気持ちの良い風が吹き込みます。

あらすじ

ある事情から、妹夫婦の家に居候中の40歳のバニー(エシー・デイヴィス)。娘とは監視付きの面会交流しかできない。それでも、明るい笑顔と気の利いたトークで車の窓拭きをして必死に働いている。夢は娘の誕生日までに新居へ引っ越し、家族水入らずの生活を再開させること。

そんなある日、妹の新しい夫ビーバンが継娘のトーニャ(トーマシン・マッケンジー)に言い寄る光景を目撃。カッとなったバニーはビーバンに立ち向かうも、家を叩き出されてしまう。「家なし、金なし、仕事なし」運の尽きたバニーは、救い出したトーニャとともに、ルールもモラルも完全無視の“子ども奪還作戦”に突っ走る…。

引用:トーマシン・マッケンジー出演のロードムービー『ドライビング・バニー』9月公開決定 cinemacafe.net(2022年)

予告編も公開中

映画では、貧困世帯のシングルマザーが主人公として描かれ、家や定職のない社会的弱者の立場の母親が「自分の娘と暮らす」という普通の生活を求めて行動する姿が描かれていきます。

こうした状況から抜け出すことの困難さを感じるのは、日本でも同じです。

では、日本ではそうした社会的弱者について、どのような支援があるのでしょうか。

ここからは日本の、社会的弱者の支援についてお伝えします。

社会的に弱い立場の人への支援の取り組みin静岡県

「自分は『助けて』と求められなかった。だからもっと楽に『助けて』と訴えられる社会を構築したいんです」。生活に困窮している人の支援に励むNPO法人「POPOLO」(ポポロ)事務局長の男性は、毎日有志らと一緒に静岡県内を走ります。

新型コロナウイルス感染拡大のしわ寄せは社会的に弱い人への負担が増し、シングルマザーなど子育て家庭からの食料支援の希望が急増しました。以前から不安定だった非正規社員の人にとっては、職を失ったりなど多大な影響が起こっています。

一方、「『助けて』を求めてもいいんです」という発信がちょっとずつ社会的に弱い人に届いている目標だとも体感しています。NPO法人「POPOLO」では支援する対象をアルバイトが出来ないなどで困窮する学生にも拡大し、大学や外国人学校、定時制高校においても食料配布を進めてきました。

NPO法人「POPOLO」を立ち上げたのは「生活保護だけではなく、選択肢を拡大させたかったから」。静岡県内で男性が漫画喫茶の店長をしていた時、客の1人がこう言いました。「身体を洗うのに公園の水だと寒くてね」。夜が近付くと、両手に生活道具一式が詰め込まれている紙袋を抱えた社会的に弱い人々が、時間割引が欲しくて、漫画喫茶の前に並んでました。衝撃的な光景でした。「助けてあげたい」。男性は想いが募りました。

NPO法人「POPOLO」が支援する一時的な住居に入居して住所が決まり、年金や雇用保険を手に出来る様になった人がいらっしゃいます。仕事も見つかり貯金し、一時的な住宅から離れていく人もいます。自立に向けいろいろな支援がされていますが、「まず自分自身で今後のことを決定してやっていくこと」が念頭にあります。何でもしてあげる支援形態では自尊心も傷付きます。

食料支援は色々な団体が協賛しています。駆け込み寺的な居場所を日本各地に整備したくて、食料は相談機関や福祉施設などを介して発送しています。なかなか発信のないSOSは、待っていてもその人には届きません。食料支援を機会に、本当に助けて欲しい人の力になりたいと、NPO法人「POPOLO」の事務局長の男性は誓います。

POPOLOはイタリア語では、「みんな」を表します。「様々な人が支え合って、励まし合うことで社会は変換する」。NPO法人「POPOLO」の事務局長の男性は共生社会の力はあると願っています。

参考:「助けて」と言っていい 社会は変わる 生活困窮者支援に取り組む【幸せまでの距離④】 あなたの静岡新聞(2022年)

NPO法人「POPOLO」など10以上の支援団体で手を取り合って作られた、NPO法人「ふじのくにフードバンク」が取り進める、社会的に立場の弱い人への食料支援に関しては、一般家庭から余った食べ物の寄付を募るフードドライブ事業も加速させています。食料回収ボックスは静岡県市町庁舎や社会福祉協議会、スーパーなど全国最多の317ヵ所に設けられています。

シングルマザーへ住宅の支援in群馬県

マンションに入居する人が減ったことと高齢化が加速し、群馬県にある前橋工科大学の学生がマンションの再生に励む広瀬団地に、従来と異なる形態で利用されている場所があります。群馬県営住宅の1棟に設置された、シングルマザー向けシェアハウスです。全部で7部屋あります。

シングルマザー向けシェアハウスの入り口にはオートロックの扉が完備され、独立した部屋だけでなく、シェアハウスに入居している人達が交流を行う共有リビングも整っています。安全、安心な子育てが可能な環境となっています。現在は5室が埋まっています。

公営のシェアハウスではこの様な社会的に立場の弱い人の受け皿という役割も整えられています。シングルマザー向けシェアハウスへ入れる条件は、中学生以下のお子さんがいるシングルマザーの家庭で、男性のシェアハウスへの入室は出来ません。

シングルマザー向けシェアハウスは2017年度、各部署が横断的に締結して考案する「政策プレゼン」で、当時の知事に取り決めたことに始まりです。2021年度、群馬県私学・子育て支援課がひとり親の調査をした結果、相談する居場所がないので、シングルマザーが社会から孤立しやすいという実態が浮き彫りになりました。低い所得水準にあることも判明しています。

シングルマザーへの支援環境を「どうにか出来ないか」と議論が加速していた時、老朽化した群馬県営住宅の改修時期が迫っていました。シングルマザー世帯が同じ階に入居し、子育ての困りごとを共有出来る環境を作ればいいのではないか?と考え、取り決めました。知事の快諾で、シングルマザー向けシェアハウスの促進は加速しました。

シングルマザー向けシェアハウスは侵入の可能性が低い3階に決定し、共用の廊下もすりガラスで外から見えない様に設計されています。それぞれの部屋もリフォームを施し、玄関は多くの靴が収納可能になる様に、げた箱を少し拡大させて設置したのが大きな特徴でもあります。入居時の部屋に家具は付いて来ませんが、エアコンは完備されています。

群馬県私学・子育て支援課は「コロナで交流が無くなり、さらにシングルマザーの孤立が加速しました。シングルマザー向けシェアハウスに入居して頂くことで、コロナ収束後の中で手を取り合って生活を送っていただけたら」ということでした。

参考:シングルマザーの孤立「何とかできないか」…県営住宅に専用フロア、入居徐々に広がる 上毛新聞社(2022年)

シングルマザー向けシェアハウスの入居募集は2019年7月からスタートしました。始めの入居は1組のみでしたが、シングルマザー家庭に住まいの情報を届けるサイト「マザーポート」に掲載されたことで、お問い合わせや入居者は少しずつ増加しました。現在は5室の入居があります。

新型コロナウイルス感染拡大前では、シングルマザー向けシェアハウスの一角に設置された共有リビングで、料理を作りながらの交流会が開催されていました。シングルマザー向けシェアハウスの1階には、子ども食堂や無料の学習支援が実施出来る共有スペースも完備され、孤立を感じることも少なく生活を送れる環境が支援されています。

手を差し伸べてくれる人がいる。

静岡県のNPO法人「POPOLO」の生活が困窮している人への支援も、群馬県のシングルマザー向けシェアハウスの支援もとても良い取り組みだと感じました。どちらも住宅を提供しているところが共通の取り組みですね。「POPOLO」に関しては、日本最大の食料回品ボックスを設置しているところは、素直に凄いです。「POPOLO」の事務局長の男性の生い立ちから、この様な支援が始まったそうですが、それを行動に移すまでに、多くの困難もあったかと思いますが、実現し、行動を実行しているところは尊敬します。

シングルマザー向けシェアハウスもそれぞれの部屋がありながらも、共有スペースもある。子育てで生じる悩みも入居する人が相談し、支え合える、こんな社会的に立場の弱い人達への支援は今まであっただろうか…?と、感じる位行き届いた支援とマンションの構造だと思いました。こうやって苦しいコロナ禍でも、手を差し伸べてくれる人がいる、日本もまだまだ凄いなと感心しました。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。