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こんにちは、翼祈(たすき)です。
ユニバーサルデザイン(UD)タクシーという、車椅子利用者も乗れる、東京パラリンピックをきっかけに導入が加速した、新しいタクシーをご存知ですか?
みんなに優しいタクシーですが、追加料金で介助料を取る業者もあるなど、大きな問題も浮き彫りになって来ました。
今回はこれからどんどん普及していくであろう、このユニバーサルデザインタクシーについて取り上げます。
ユニバーサルデザインタクシーとは?
ユニバーサルデザインタクシーとは、健康な方はもちろんのこと、足腰の弱い高齢者、車いす使用者、ベビーカー利用の親子連れ、妊娠中の方など、誰もが利用しやすい”みんなにやさしい新しいタクシー車両”であり、街中で呼び止めても良し予約しても良しの誰もが普通に使える一般のタクシーです。
※運賃料金は一般のタクシーと同じです。
引用:教えて!UDタクシー
上記の画像の様に乗り降りしやすいようにドアがスライド式だったり、後ろにスロープがついていて、そこから車いすごと乗り降りできたりもします。
UDタクシーの課題
2021年9月5日、閉幕する東京パラリンピックにあわせ、バリアフリー化を進めてきた国は、車椅子ユーザーも乗りやすいよう設計されたユニバーサルデザイン(UD)タクシーを今後おおむね5年間で、地方にも導入し、▽各都道府県のタクシーの25%程度まで増やし、▽福祉タクシーと合わせておよそ9万台に増やす指針です。
参考:「UDタクシー」東京パラ後も増やす方針 相次ぐ乗車拒否も課題 NHK NEWS WEB(2021年)
UDタクシー利用で追加の「介助料」撤回へ。
障害者などが乗車出来やすいよう、通常よりも大型に作られた『ユニバーサルデザインタクシー』を運行する広島市と青森市の2つのタクシー会社が、車椅子のユーザーに対し、介助料として追加料金を摂取していたことが判明し、国土交通省が障害者への差別に当たるとして介助料の追加料金を撤回するよう通告しました。広島市のタクシー会社が1000円、青森市のタクシー会社が300円とそれぞれ、通常のタクシー運賃にプラスしていました。
道路運送法では特定の旅客に対する不当で差別的な行動を法律で禁止をし、国土交通省は障害者への差別に当たり適切ではないとして、介助料の追加料金を撤回するよう通告し、2つのタクシー会社はそれぞれ介助料の追加料金を止めたということでした。
参考:車いすのタクシー利用者に追加の「介助料」 国交省 撤回を指導 NHK NEWS WEB(2021年)
乗車拒否などに対しては行政処分に
通常のタクシーでの移動が難しい方には便利で助かる一方で、過去には下記の記事の様に、乗車拒否などが相次いだこともあったそうですが、
国土交通省は問題を受け2021年8月16日、全国ハイヤー・タクシー連合会と全国個人タクシー協会を通じてタクシー事業者に対し、適切な取り扱いを求めました。
一方、車いすの利用者は乗り降りに時間がかかるなどどして「ユニバーサルデザインタクシー」の乗車を断られるケースも相次ぎ、国土交通省は2021年3月末までに行政処分と行政指導を36件行っていて、乗車拒否をしないよう事業者に求めています。
障害者がつくる団体でタクシーの利用状況などを調べる「DPI日本会議」の事務局長は「事業者や運転手の一部には、車いす利用者がタクシーに乗車できるという認識が不十分だ。研修などを通じて適切な運用を徹底してほしい」としています。
関連記事
【独自】車いす利用者の乗車を拒否、UDタクシー運営会社に行政処分 読売新聞(2021年)
車いす乗降割増に厳正対処 UDタクシーで国交省通知 産経新聞(2021年)
車いすの乗車拒否で行政処分 愛知のタクシー会社 共同通信(2021年)
愛知県豊田市の「名鉄東部交通」などによると、県内の駅で2020年8月、電動車椅子利用者の乗車を運転手が断ったことに対し、「運転手が電動車椅子は乗せられないと誤認していた。行政処分を受けた後、運転手へ教育を徹底した」と答えたそうです。
標準仕様ユニバーサルデザインタクシーの認定マーク
国土交通省は、タクシーのバリアフリー化を進めるため、標準仕様ユニバーサルデザインタクシーの認定要件としてのスロープの耐荷重を300kgに引き上げるとともに、新要件により認定されたタクシーの車体に表示するマークを決めました。
下記がそのマークになります。車椅子の形のロゴにピンク色が映えています。
画像・引用:ユニバーサルデザインタクシーがより使いやすくなります!~標準仕様ユニバーサルデザインタクシー認定要領を改正~ 国土交通省
私の住んでいる地域では見かけた事がない
写真で観るまでどんなタクシーなのか分からなかったのですが、車椅子も乗れる様なタクシーなので、ワンボックスタイプの大きな車両ですし、私の地域では普通のタクシーしか見かけた事がありませんでした。
もしかしたら私の住んでいる県の都会エリアなら走っているかもしれませんが、この記事を書くまで、ユニバーサルデザインタクシーのロゴも知らなかったので、仮に走っていたとしても今まで気付いていなかったのかもしれません。
このユニバーサルデザインタクシーを利用した車椅子の女性が、タクシーの運転手の方がこのタクシーの手順や操作を分かっておらず、この女性に対し声を荒げたという記事を観ました。
介助料を追加で取る業者があるなど、まだまだ利用する側も利用される側も勝手が浸透していないこのユニバーサルデザインタクシー。皆でこの世界を共存していく為に、この問題についてもアップデートしないといけないですね。
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車いす、乗降方法学ぶ タクシー事業者、山形でバリアフリー教室 山形新聞(2021年)
車いすでも快適な移動を…飛行機・列車・タクシー連携「ユニバーサルMaaS」成功のカギは? FNNプライムオンライン(2022年)
noteでも書いています。よければ読んでください。
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