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こんにちは、金次郎です。
第6回目の緊急事態宣言が3月で解除され、ようやく日常生活も徐々に戻りつつありましたが、6月下旬から感染者が増えだし7月に入ってからは、増え方が急激に上がっています。
7月13日には、東京都1万6878人・大阪府1万0452人と二大都市圏で感染者が1万人を越え、ここ福岡県も5180人の感染者が確認されました。
その翌日14日には、福岡県で5718人と過去最多の感染者が確認されました。
専門家は「第7波に入ったと思っても過言ではない」とか「第6波よりも感染拡大のスピードが早く感染者も多い」と言っています。
しかし、感染者が拡大するなかで、テレワーク(在宅勤務)を止めて、会社に出社するようにと社員に促している会社もあります。
なぜでしょう?
テレワーク(在宅勤務)を止める会社と続ける会社
大手企業では、自動車メーカーの本田技研が「テレワークを止めて、原則出社」を社員に通達しており、理由については「対面のコミュニケーションを活性化するとともに、イノベーションの創出を促すことが狙いだ」と説明しましたが、社員からも動揺を表す発言が相次いでいます。
ある社員は「働き方改革が進みテレワークの定着が進む中で、ホンダは真逆に動くのか?」と言っていたり、また「在宅と対面の合わせ技なら理解できるが、経営陣は現場を全く理解していない。優秀な学生が、ホンダを就職先候補から除外してしまう人が増えてしまうかも」と嘆きます。
逆に、電機メーカーの東芝は、勤務体系を見直し「原則出社ルールを廃止し、テレワークと出社を組み合わせた「ハイブリッド勤務」に移行する」と言う事にしました。
電話通信会社のNTTも7月1日より「原則テレワーク、出社は出張扱い」と言う風に変えました。
私が新卒で入社した会社は、第1回目の緊急事態宣言の時に他社に先駆けて「原則テレワーク、更に土日に加えて月曜も休み」と勤怠制度を改めており、現在大手企業が続々と取り入れている、週休三日制の火付け役になりました。
(東洋経済ONLINE)ホンダがテレワークやめ原則出社に踏み切る真意
(TBS NEWS DIG)東芝が原則出社を撤廃へ 遠距離勤務も試験導入
(テレ朝news)”原則テレワーク”出社は出張扱い「NTT」新しい働き方のカタチを独占取材
通勤経験が無い新入社員
テレワークを止める事に、特に困惑しているのは、コロナ化のここ2年に入社した若い社員でしょう。
テレワーク主体で勤務を始めましたので、朝の通勤ラッシュ時の満員電車に乗ると言う事をほとんど経験していません。
また、通勤と言う行動自体に慣れていないので、それまでとの生活リズムが変わってしまい体調不良に陥る人も出てくるでしょう。
更には、対面での勤務経験がほとんど無いので、同僚や上司とのコミュニケーションが上手く取れない事に悩む人も出て来るはずです。
パソコン画面とは違う、対面での業務遂行。
そのギャップに苦しみ、会社に通勤する事に強いストレスを感じてしまう若い人たちが多くなるでしょう。
また、コロナ下で転勤や異動があった既存社員も、新たな部署や環境に慣れたり、業務を覚えたりしなければいけない時期に、十分なコミュニケーションが取れず、業務を覚えきれていないのに「即戦力」として扱われしまい、やはりストレスを抱えてしまいます。
テレワーク(在宅勤務)より精神的に疲れやすい出社
テレワーク(在宅勤務)ですと、チャットツールを使って文字だけのやり取りで業務を進めるので、1日誰とも会話しない日もあります。
また、オンラインだと送られて来た文書の中身を自分のペースで吟味して、理解した上で回答すれば良いのですが、対面でのやり取りですと、お互い相手のリズムに合わせて会話をして、即答しなければなりません。
つまり、対面での業務の遂行は、常に頭を働かせていていないと適切なコミュニケーションができません。
また、情報量もテレワークなら必要な情報だけをやり取りすれば良いですが、対面だと仕事以外の話をしながら打ち合わせをしたりしますので、仕事以外の情報も多くなります。
また、事務所内では部所外の人からも声をかけられますので、挨拶をしたり会話したりしなければいけません。
更に、通勤中も人混みにもまれるなどして他人との接点を持ちますから、在宅より出社する方が精神的に疲れやすいのは、ごく当然のことです。
終わりに
テレワーク(在宅勤務)を止めると言っている会社の多くは、去年までの感染拡大期に政府からテレワーク移行を推進され、個々の社員宅のテレワーク環境が整わないまま行った会社が多いからだと思います。また、「テレワークを認めない会社は『感染症対策がなっていない』」という評価を受けたりしましたので仕方なく始めた会社も多いでしょう。
しかし、会社の様にコピー機やプリンター・FAXなどOA機器がそろっている人が少なく、せっかく仕事が終わっても成果物を会社に送るのが遅れたりしました。成果物の誤送付などで情報漏洩も起こりましたので、結局は「会社に出勤して仕事してもらう方が、成果物を迅速かつ確実に受け取れる」と言う理由で、テレワークを止めると言う会社が多いのでしょう。
残る問題は、テレワークで慣れてしまった人(入社当初からテレワークの新人さん等)の出社によるメンタル面のケアをどうするかです。
特に入社時からテレワークだった若い社員の心のケアをしないと、せっかく採用したのに「うつ病」などの精神的な病気になったりして、会社を辞めてしまうかも知れません。
こちらは、丁度新型肺炎が流行り出した頃に書いた記事です。
「コロナうつ」を厚生労働省が調査開始
記事を書いてから、1年後に経済協力開発機構(OECD)が、2013年と2020年を比べた結果のニュースが配信されましたので加筆しました。
それに寄りますと、うつ病やうつ状態の人が
日本では、2013年には7.9%だったのに対して2020年には17.3%と2.2倍に増えています。
アメリカでは、もっと酷く2019年は6.6%だったのが23.5%と3.6倍にもなっています。
参考
(Telling)感染拡大の兆しも、増えるオフィスへの出社 メンタルの保ち方を専門医が解説
→HOME
記事を読ませていただきました。
コロナの感染は拡大している中で、在宅よりも出社にかえている企業があったのですね。
考えさせられることもありますが、出社になってストレスを抱える人が増えていることも知りました。
これからも記事を楽しみにしています。
カメレオンさん、毎度コメントありがとうございます。
私は、第1回目の緊急事態宣言より在宅勤務メインになりましたが、出勤前の朝の散歩でたまに電車に乗って様子を見ています。
多少、乗客は減ったものの出動するのか?サラリーパーソン多いですね。
営業などのお客様対応が有る部署の方はしょうがないでしょうけど、事務系の方は出来る限り在宅にした方が良いですね。
記事を公開した昨日20日(木)の感染者数は、日本各地で過去最多を記録しちゃいましたしね。
ちょっと今回の感染者の増え方は異常です。