非接触。〜コロナ禍で得たもの、失ったもの。〜 

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

コロナ禍で新しい生活様式が始まって早2年。目まぐるしく変わる環境の中で、コロナ新語の手話や非接触のロボットなどが誕生したり、逆にコロナ禍でAED使用率が低下したりして救えるはずの命が少なくなったりと、様々な課題も浮かび上がって来ました。

今回は私が見つけたコロナ禍で得たもの、失ったものを一緒に考えていきたいと思います。

コロナ禍で得たもの

コロナ新語の手話

新型コロナウイルスに関わる新たな手話表現が生まれています。従来の手話の表現を思考と工夫で再構築し、感染拡大を受けて多用されるようになった「3密」「在宅ワーク」「オンライン飲み会」といったコロナ禍で生まれた新しい用語に順次対応しています。今回は手話の使い手にコロナ禍で生まれた「新語」を教えてくれました。

新型コロナウイルスという単語を手話で表現するには「新しい」「コロナ」「ウイルス」の三つを組み合わせるのが基本です。頻繁に日常会話に登場するため「最近は手話の中には『コロナ』という単語だけを示すことが多い」と、宮城県聴覚障害者情報センター職員が説明します。

宮城県聴覚障害者情報センター職員によると「在宅ワーク」は「家」と「パソコン」の手話の表現を、「クラスター(感染者集団)」は「集まる」と「広がる」の手話の動きを、それぞれ組み合わせて人の動きを表現するといいます。

宮城県にある東北大学手話サークル「しゅわしゅわ」に行くと、「しゅわしゅわ」のサークル会員で聴覚障害者の大学院生と健聴者でサークル代表の4年が、ビデオ会議アプリ【Zoom】を使ったオンライン飲み会の相談を手話でしていました。大学院生と健聴者の二人は【Zoom】という語を、画面に沢山の人の顔が並んでいる様子を手で人を表して伝えていました。

宮城教育大学の手話サークル「HANDS」会員で聴覚障害者の3年と健聴者で会長の2年は、制約の多い飲食に関わる動作の手話を教えてくれました。宅配サービス「Uber Eats」は指文字「う」で自転車をこぐ手の仕草の後、「食べる」という動作を加えるといいます。

入店時に必要な「検温」の表現は、仙台大職員で手話研究部「CLOVER」を指導する聴覚障害者から学びました。非接触型の体温計を額に当てる動作を取り入れながら「けんおん」と口元で表現。指を脇で挟む従来の表現に代わって、体温計を表す手話の主流になりつつあります。

参考:手話をアレンジしコロナ新語 「在宅ワーク」は家+パソコン 河北新聞(2021年)

世界言語112言語据置型翻訳機「ワールドスピーク」

株式会社キングジム(本社:東京都千代田区)は、世界112言語※1を瞬時に翻訳し、窓口業務で使用できる2台1組の据置型翻訳機「ワールドスピーク」HYK150を2021年7月30日(金)より発売します。

「ワールドスピーク」HYK150は対話しながら使用できる2台1組の据置型翻訳機です。2019年に「ワールドスピーク」HYK100を発売し、ホテルや市役所などに導入され、好評をいただいております。今回は新機能を追加し、リニューアルモデルとして発売いたします。

「ワールドスピーク」は、会話ボタンを押しながら本体に向かって話すと、ペアリングしたもう1台の端末に翻訳結果が瞬時にテキストで表示され、音声で読み上げられます。8.0インチの大きな画面で、翻訳結果が会話順に表示されるため、視覚的にも分かりやすい仕様です。

画像・引用:窓口業務の新定番!世界112言語を瞬時に翻訳し、非接触でのコミュニケーションを円滑にできる 据置型翻訳機「ワールドスピーク」HYK150発売 PR  TIMES(2021年)

私は昔色んな言語を話す事に憧れたので、こういう機械は欲しいですが、凄く高いですね、、、

ロボット

まずはソフトクリームを自動で作ってくれる、牛型のロボットです。キャッシュレス決済に対応した備え付けのタブレット端末で注文すると、「レイモくん」がコーンをディスペンサーから受け取り、器用に腕を動かしてソフトクリームをくるくる巻いて提供してくれます。

参考:注文から手渡すまで…ソフトクリームを作るロボットが非接触&自動化! 一生懸命な姿もかわいい FNNプライムオンライン(2021年)

次に2022年3月末まで実証実験中の、配送型のロボットです。利用者がスマホのアプリを使って休憩スペースなどから商品を注文し、自律走行ロボットが配送するというもので、ロボットは画像処理技術などの活用で混雑した店内でも人との接触を避けながら安全に配達ができます。

参考:混雑した店内でも非接触 自律走行ロボットを使った配送システムの実証実験 愛知県常滑市 メ〜テレ(2022年)

最後は飲食店で笑顔を振りまく、配膳サービスのネコ型ロボットです。名前は「もぶにゃん」で、語尾に「にゃん」などがつくネコ語を話しながら、笑顔で配膳業務を担います。スタッフが配膳先を指定すると、軽快な音楽を流しながら動き出します。テーブルに到着すると「注文の料理を持ってきましたにゃ」と、ランプを点灯させて、該当のトレーを示します。

参考:ネコ型ロボ、食事と笑顔を運ぶにゃん 飲食店で配膳サービス人気、愛嬌振りまく「働きもん」 神戸新聞NEXT(2022年)

コロナ禍で失ったもの

「接触」不可欠な、視覚障害者が思うコロナ禍

新型コロナウイルスの感染拡大防止に向け、できるだけ人と密にならない様に接触を避ける生活様式が広がる中、視覚障害者から戸惑いの声が上がっています。ソーシャルディスタンス(社会的距離)の確保やマスクの着用などで、視覚以外の感覚にも頼りにくくなっているからです。当事者らは「触らないと分からない人もいることを知って」と理解と支援を求めています。

視覚障害者を支援する社会福祉法人「名古屋ライトハウス」の相談員で、自らも全盲の女性は、新型コロナの影響で一変したスーパーやコンビニの環境に戸惑いました。

レジにはビニール製の間仕切りがあり、相手の声が聞こえづらいといいます。間隔を空けて並ぶ目印のテープが床にはってありますが「どのくらい空けているかも分からない」。人の列から外れたり、人の列に気が付かずそのままレジまで行ったりしたことも。ほかの客に「前へ進めばいいですか?」と尋ねるなどしています。

全盲で、国立民族学博物館准教授の男性は「視覚障害者にとって『濃厚接触』を避ける今の風潮はつらい」と話します。

人の手を借りて誘導して場所を教えてもらったり、物の配置の場所を確認したり。視覚障害者は日常的に人や物に触れて理解します。手で触るだけでなく、体全体の感覚を動員し体感。顔も周囲の状況をキャッチするアンテナの一つで、風の吹き方や壁が迫る感覚をつかんでいます。だが、マスクで人の顔が覆われると、触れずその感覚が鈍ります。行き慣れた通勤路を間違えることもありました。

障害者の社会参加を支える一般社団法人「ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ」が四月に行ったアンケートでは、回答した視覚障害者71人の六割が「買い物やマスク、健康管理など生活面で不便を感じる」、半数が「人とのコミュニケーションで不安や心配を感じる」と答えました。

自由回答では、「ガイドヘルパーと一緒に散歩に行くのも、感染対策で遠慮した」「目に近づけないと、商品が見えない。思った商品と違うと感じ棚に戻すが、周囲から見たら不快だろうと感じる」という声もありました。

参考:「接触」不可欠なのに… コロナ対策 戸惑う視覚障害者 東京新聞(2020年)

AED使用率低下

心停止から人命を守る、AED(自動体外式除細動器)。一般市民でも使える医療機器だが、コロナ禍で使われにくくなり救命にも影響しているという。

こう訴えるのは、AEDの普及推進に取り組む「日本AED財団」。AEDの使用率(目撃された心停止の人に電気ショックを行った割合)は、2010年は2.97%、2015年は4.50%、2019年は5.13%と上昇傾向にあったが、2020年は4.23%に低下したという。

また、2020年は救命率(心拍と呼吸、意識が戻る率)も低下。心原性による心肺機能停止傷病者の1カ月後の社会復帰率も、近年は8~9%を推移していたが、7.5%にとどまったとのことだ。

※使用率、救命率、社会復帰率はいずれも、総務省消防庁のデータを財団がまとめたもの

財団はこうした状況を踏まえて、公式ウェブサイトで「緊急メッセージ」を発信。市民による救命処置への参加率の低下を問題としつつ、「命や絆の大切さを見直す機会となるコロナ禍だからこそ、目の前で誰かが倒れたら、AEDを使い、救命処置にご協力下さい」と呼び掛けている。

引用:“非接触”のコロナ禍でAED使用率が低下…団体がSOS「救える命が救えていない」 FNNプライムオンライン(2022年)

これはかなり死活問題だと思います。元々操作するのも難しいと言われているのに、非接触で使える人すら触れない。どうにもこうにもするにも死活問題です。

その他

これは紙の再利用を減らす為だと書いていますが、私はコロナ禍で求められる、非接触も廃止と関係しているのではないかとも思っています。

参考:ATM横の“現金封筒”がなくなる? 理由と利用者の声を配置終了した京都銀行と滋賀銀行に聞いた FNNプライムオンライン(2022年)

コロナ禍で色んな人が考えている

コロナ禍になり、最初は3密から始まり、その間に色んな方が接触し過ぎない様に、新しい生活様式で様々な身の回りのものが開発されて来ました。逆に視覚障害者の方や、AED使用率低下など私達の身近なところで困っている人も、このコロナ禍で出て来ました。

私自身もコロナ禍で基礎疾患もあるという事で、生活環境が一変した人の1人です。本当に出かけなくなりましたし、例えコロナ禍が収まってきても、全て前と同じに戻る事はないと思います。

この新しい生活様式で自分や大切な人の身を思って、多くの方がコロナ禍でも迷わない様な世の中にしていかなくてはならないですね。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。