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こんにちは、翼祈(たすき)です。
ろう者の聴覚障害者の方にとって、会話をする為の大切なツールである、手話。そんな手話が小学校の卒業式で校歌を皆で歌えない代わりに手話で歌ったり、手話アプリや手話の絵本など、今までに捉われない様々な場所で用いられてきている事が分かりました。
今回は多様化する手話について語ります。
手話を日本で初めて作った人
外国で初めて聴覚障害者のために正式な手話を考案したとされているのは16世紀、スペイン人でベネディクト会の修道士ペドロ・ポンセ・デ・レオンと言われていますが、本当にそうなのかハッキリと定かではないみたいです。
又、手話教育の普及に努め、「手話の父」と呼ばれた髙橋潔の生涯を描いた映画も2022年秋に公開されます。
画像引用・参考:手話映画「ヒゲの校長」公開決定 PR TIMES(2022年)
聴覚に障害を抱えている子ども達が勉強するろう学校で、かつて手話が迫害されていた時代がありました。そんな世の中でも理念を貫き、手話を守り切った大阪市立聾唖ろうあ学校(現・大阪府立中央聴覚支援学校)の校長・高橋潔さん(1890~1958年)を描いた映画『ヒゲの校長』が、公開されます。「手話の父」とも名高い高橋さんの生涯を介して、共生の在り方を問われるられる内容となっています。
障害者基本法には、2011年の改正で「(手話を含んだ)言語」と記され、同障害者基本法では、手話は言語の1つのツールとされています。日本各地の自治体でも「手話言語条例」が制定され、手話の普及が加速されています。
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画像・引用:手話映画「ヒゲの校長」~上映に向けたクラウドファンディングを4月3日まで実施中! PR TIMES(2022年)
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小学校の卒業式、校歌を手話で表現
「コロナ禍で歌えないなら手話で校歌を歌いたい」−。そんな願いが、卒業の日に実現しました。草加市立清門小学校の巣立ちの日で2022年3月24日、6年生の185人が手話で校歌を歌いました。学校から相談をあった聴覚障害者や手話通訳者らが、卒業式の思い出作りに全面的に手を取り合いました。
保護者や教職員ら多くの人が見守る中、卒業生らは校歌の音源に合わせ、マスクを着けたまま歌詞に合わせて手話で歌いました。2021年の卒業式では新型コロナウイルス感染防止のため校歌の1番を流すのみでしたが、2022年は3番まですべての歌詞が出揃って手話で校歌を披露しました。
2020年から続くコロナ禍で、同小学校でも音楽の授業は合唱がセーブされてきました。教頭は「校歌を手話で体現できないか」と2021年4月、草加市社会福祉協議会に直訴。聴覚障害者協会やボランティア団体「手話友の会」のメンバーが話し合いをに協力しました。
同小学校では緊急事態宣言の発出でオンライン授業などに切り替わり、まとまった対面での練習の活動が制限される中、6年生のみならず全学年の児童がクラスや家庭で動画を観て校歌の手話を学んでいきました。
参考:卒業式、自慢の校歌を手話で斉唱「思い出に残りそう」 草加・清門小 朝日新聞デジタル(2022年)
アンバサダーは手話に関する催しなどで情報発信を担い、対象は宍粟市内在住か在勤・在学で、市の手話教室を受講した人が対象となります。
ソフトバンクの手話アプリ「SureTalk」
ソフトバンクではいま、手話を認識してリアルタイムにテキスト変換するサービス「SureTalk」(シュアトーク)の開発に取り組んでいます。
「SureTalk」は、手話と音声の相互コミュニケーションを目的にしたウェブツールです。AI(人工知能)が手話の身体動作を追跡、その動きの特徴から該当する日本語を認識してテキストに変換します。逆に健聴者が発声した音声は、音声認識によりテキスト化して聴覚障がい者に伝える仕組みです。電気通信大学が開発に協力しています。
使い方はかんたん。PCあるいはiPadのブラウザから「SureTalk」にログインして「会話を開始する」をクリック、利用する言語モード(手話 / 音声)を選択してトークルームに入室するだけで、1対1の会話を始められる仕様です。2021年春よりサービスの提供を開始しました。
ただ手話の単語をそのまま並べただけでは、助詞が抜けていたりするなど文章としては不完全な状態になりますが、そこでAIの深層学習技術を用いることで抜けている部分を補足し、より自然な日本語の文章に変換しているそうです。
手話で親しむ絵本
京都府京都市西京区在住の手話通訳士の男性が、手話に慣れ親しむ絵本『おててがぱっ!』を、出版しました。男の子が手話で動物や植物を体現すると、友だちができていく内容で、「手話で通じ合える楽しいってを思ってもらいたい」との思いを詰めました。
絵本では、男の子が、親指を重ねて手を開く「チョウ」や、手を横に動かす「魚」などの手話を披露。次第に女の子やネコも加わり、一緒に手話に慣れ親しむきっかけになります。
「手話になじみを感じない方もまだまだ多い。赤ちゃんの時から手話に寄り添える絵本を作りたかった」と男性は話します。手の形や手話で体現できる感動を伝えるイラストにこだわったといい、「本を機会に聴覚に障害のある人も障害のない人も、コミュニケーションが自由にできる社会につながっていけば」と祈ります。
参考:「手の形でコミュニケーション、友だち増える」京都の手話通訳士が絵本出版 京都新聞(2022年)
全32ページで、価格は1100円。全国の書店で販売しているそうです。
私と手話。
私は手話は習った事がないのでよく分からないのですが、手話の話をすれば前のA型にいた時の同僚の方が、「働きたい仕事の為に手話検定3級を取った。来年2級にチャレンジするんだ」と皆に話していました。約1年位その人と一緒に働いたのですが、3級から2級取得を目指す時も1年間勉強されて、手話の講座にも通っていました。
私の住んでいる場所は講座というか、公共施設が催しをやっているのですが、そこは車の免許がないと行けない不便な場所で、かつ夜から開催だったので、興味はあっても行けませんでした。
近くで手話の講座がなく、かといって基礎疾患あってのコロナ禍なので講座の開催があっても、あんまり遠くに行きたくないというか、なかなか私の身近では学べずにいます。本当は私も手話も覚えてみたい所ではありますが、環境面でその点は恵まれていないなと思っています。
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noteでも書いています。よければ読んでください。
「手話を日本で初めて作った人」として高橋潔氏の名が挙げられているのですが、引用元のサイトでは、古河太四郎氏の名が出ていますし、むしろそのサイトで口話教育が推奨された時期に手話法を守り抜いたことが高橋氏の功績なので、そのように改めていただくのが良いと思います。国際的にも、1880年にミラノで開催された第2回ろう教育者会議では口話法派と手話法派による激しい議論が行われ、最終的には口話法が優れているとする決議が圧倒的多数で採択され、口話法の全盛期が始まったという背景も入れていただくと良いと思います。
また、当事者団体の協力のうえでの話とはいえ、校歌を手話で歌うことが美談化していますが、様々な問題を孕んでいるので、その点も併記されるべきかと思います。https://ameblo.jp/sugars-le-penseur/entry-11655246239.html むしろ、また、手話条例の制定されている自治体が増えている動向を取り上げていただけたら良いかと思います。https://www.jfd.or.jp/sgh/joreimap
ソフトバンクのアプリ開発は目新しい話題ですが、既存の日本財団による電話リレーサービスとの比較もやっていただきたいところです。https://nftrs.or.jp/about/