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障がい者アートという言葉を一度は聞いたことがあるでしょうか。
私も過去に「渋谷フォント」についての記事を書かせて頂いたことがあります。
最近では、渋谷フォントのように、障がい者アートと社会との距離が近くなってきているように感じます。
その理由として、障がい者アートには他にはない魅力がたくさん詰まっているからだと思います。
近年「障害者アート」という言葉を耳にする機会が多くなりました。 鮮やかな色彩で描かれた作品、観る人を圧倒するようなモチーフの反復とその集積によって作られた作品、対象を独特の視点からとらえた作品など、その芸術性が国内外において注目を集めています。
引用:障害者アートの変遷と可能性 (dinf.ne.jp)
障がい者アートの発展と課題
2000年から2013年にかけて、文化庁、厚生労働省で「裾野を広げる」「優れた才能を伸ばす」という視点にたった仕組み作りが始まりました。
「裾野を広げる」視点とは、相談支援や支援する人材育成も含み、地域に根ざして行われる個々の芸術活動の支援を充実させていくもの、そして「優れた才能を伸ばす」視点とは、身近な地域を超えて、芸術性の高い作品を国内外において文化芸術として積極的に発信していくものです。この2つの視点に基づいて、現在、文化庁そして厚生労働省が担当各分野において、具体的な支援の仕組み構築のための事業に取り組んでいます。
引用:障害者アートの変遷と可能性 (dinf.ne.jp)
障害を1つの個性として、アートと合わせることによって、障がい者自身の社会課題にも取り組むことができますが、そのためには持続的な支援や活動が必要となります。
「ヘラルボニー」の活動
その継続的な活動や支援を行っている企業があります。それが「ヘラルボニー」という会社です。
障がい者アートを商品化し、販売しているほかにも、地域とアートを繋げる活動も行っています。
【なかなか活用できない建設現場の仮囲いをアートに活用】
ヘラルボニーでは、アパレルの分野でも障がい者アートを使用し、ネクタイやスカーフなどの商品化も行っています。
ヘラルボニーは、自閉症のお兄さんを持つ双子の兄弟が代表を務めています。
兄には、自閉症という先天性の障害があります。彼はもちろん、笑います、悲しみます、怒ります、そして、涙を流します。
敢えてカテゴライズするならば、私たち”健常者”と同じ感情を抱きながら、当たり前に毎日を平和に過ごしています。
しかし、兄はよく「可哀想」と表現されることがありました。
同じ感情を抱いているにも関わらず、なぜ「可哀想」なのだろう?
抱く感情に優劣も差別もないのではないか?
幼い頃から強い疑問を胸に、私はいつか知的障害のある方々に関わる仕事がしたいと思い生きてきました。
引用:STORY – 株式会社ヘラルボニー – ”異彩を、放て。”をミッションに掲げる福祉実験ユニット (heralbony.jp)
社名の「ヘラルボニー」の語源は、自閉症のお兄さんが7歳のころに繰り返しつぶやいていた言葉だそうです。
お兄さんが周囲から「可哀そう」と思われることに「憤り」すら感じていた兄弟が、「アートで障がい者の偏見をなくすことはできるのでは?」と考えたそうです。
TANOSHIKA
私が通うTANOSHIKA CREATIVEでも、障がい者アートをお仕事として行っている利用者さんがいます。
まだまだ始めたばかりですが、作品を企画に応募したりと着々と、アート活動をしていらっしゃいます。
日頃の作業風景と、完成した作品をいくつかご紹介したいと思います。
※上から作業風景、色鉛筆や絵の具、クレヨンなど様々な画材を使って、作品を制作されています。
作品「きりん」…とても素朴な瞳でこっちをみてると思ったら、カラフルなきりんが印象的です。
作品「さかな」…クレヨンや、水彩絵の具などいろいろな画材を使用して描かれた魚の絵です。
障がい者アートの可能性は無限大
今はどうしても、「障がい者」という言葉が付いてしまいますが、アートは個性、独創性を活かすことができます。
アートに対して付加価値をつけて、商品化・具現化することで、アートの使用料を支払い、障がい者が賃金を得ることができれば、アートで自立することもできます。
障がい者の自立という社会課題も解決できる可能性があるのです。
参考サイト:
■ 凸版印刷社内展示 – 一般社団法人 障がい者アート協会 社会に認知され経済的対価を得られる仕組み
株式会社ヘラルボニー – ”異彩を、放て。”をミッションに掲げる福祉実験ユニット
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