A型・B型と企業の雇用「併用」障がい者の一般就労促進になるか?

雇用

この記事は約 5 分で読むことができます。

こんにちは、金次郎です。

 私が今勤務している障がい者作業所は2ヶ所目でして、利益が上がらず閉鎖されてしまった1ヶ所目の作業所と合わせて、合計5年ほど働いています。
 しかし、その障がい者作業所を含めて、障がい者の働き方を変えようと言う動きが厚生労働省の中で出てきています。

A型作業所&B型作業所

 2020年年11月にも書きましたが、障がい者が働く施設として、利用者が会社と雇用契約を結ぶ就労継続支援A型事業所雇用契約を結ばない就労継続支援B型事業所と言うのが有ります。

障害者だって働けるよ

 私は雇用契約を結ぶ方のA型作業所に勤務しており、職員さんの指示に従って作業を行っています。
 A型・B型どちらの作業所も、最終目標は一般企業への就職です。
 しかし、現状日本国内のほとんどの作業所で、作業員である障がい者が一般企業への就職が出来ていない状態です。厚生労働省の資料では、平成25年度はA型で7割、B型で8割近い事業所で1年間に1人も一般企業への就職者がでていません。

 7年も前の資料ですから、これよりは現在の方が数値は改善していると思いますが、それでも半数近い事業所が厳しい状況に置かれているものと推察されます。

データ

引用:厚生労働省資料「障害者の就労支援について」
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000091254.pdf

雇用と福祉の併用促進 

 そこで厚生労働省は、仮に企業に雇用されても、今まで通り慣れている作業所でも同時に働ける「併用」と言う制度を盛り込む様に、法律を改正する事に決めました。
 これにより、例えば一般就労後に8時間の勤務時間を4時間企業で働き、もう4時間を就労前に通っていたA型やB型で働くことができるようになります。
 これまで企業への雇用を機に一度に環境が変わり、その変化に対応できず退職するなどして、企業へ定着率の向上が課題となっていた雇用へ踏み出しやすくなることが期待されます。

 ただネックになるのは、週20時間と言う短時間勤務社員がいる事が、企業側にメリットが少ないと言う事です。
 現在でも一般企業は法律によって、社員数に対して一定率の障がい者を雇用しなければいけません。
 しかし現在、短時間勤務の障がい者は、法律に基づく雇用率の実績には反映されません。
 これを法改正して、算定できる様にすれば一般企業も障がい者を雇用しやすくなります。
 「短時間勤務なら働きたい」と言う精神障がいの方はたくさんいます

障がい者としての希望

 私自身も作業所に勤務する前は、1日8時間勤務の職場で働いていましたが、作業所での4時間勤務に慣れてしまった今は「仮に採用してくれる会社が有ったとしても、8時間働けるかな?」と言う思いがあります。
 それは、ハローワークで求人検索している、他の障がい者の方も同じ思いを持っている様で、1日4時間程度「週20時間勤務」辺りを希望する方が多いです。
 求職登録されている障がい者のうち、知的障がい者600人・身体障がい者2500人に対して精神障がいの方は6000人と、精神障がいの方は圧倒的に短時間勤務を希望されています。 

障がい者求人の現状

 2020年4月の第1回目の「緊急事態宣言」以降、ハローワークに掲載されている一般企業の障がい者求人が、月日が経つにつれて減り続けました。
 現在は、障がい者求人の項目を検索しても、一般企業の求人は1件も無く、有るのは現在私が働いている様な、A型作業所やB型作業所の求人しか掲載されていません。
 さらに在宅勤務になって以降は、月曜朝の散歩時にコンビニに寄って無料の求人誌を取って来ていますが、最初の頃は5~6ページほど有った居住地市内の一般求人も、今は2ページほどしか有りません。

終わりに

 私は、今の作業所に入って半年経った頃に、新聞に入って来る求人広告の中から、隣市にある「個人経営の電気屋さん」の求人に応募した事があります。
 面接の時に障がい者で有る事を言うと、ご主人さん夫婦はちょっと困惑した顔をしながら「パソコンが扱えるので、商品の在庫管理やお店の売上げ管理などを、表計算ソフトでしてもらえそうだけど、聴力に障がいを持たれている方ですか・・・」と言いながら「実はね、採用1人に対して、あなた以外に応募者が6人いましてね、仕事内容もデータ入力だけでなく、来店されたお客様への顧客対応があります。だから一応選考させて頂きますけど、あまり期待はしないで」と申し訳無さそうに言われ、結局採用されませんでした。
 私の新入社員時代なら、後もう少しでもらえた年金や定年年齢も、その後の法改正でどちらも65歳へと引き上げられましたし、前安倍内閣時代に年金支給開始年齢を更に引き上げる事が話しに出ていました。
 ですから、今後も法改正の可能性が有りますので、何歳から年金がもらえるのか?何歳で定年になるのか?が現状分かりません。
 もしかしたら、一生働かないといけないかも知れませんね。

参考元

障害者就労、雇用と福祉の併用促進へ 厚労省が報告書 (福祉新聞)
 http://www.fukushishimbun.co.jp/topics/26019

パニック障害や聴覚障害の当事者目線のWebライター金次郎のおすすめ記事を紹介!

HOME

雇用

4 件のコメント

  • 貴方の記事に今の社会が見えてくるようです。考え方も人それぞれで障害者や健常者も同じ人間なのを考えるきっかけになるといいですね。
    そんな社会が1日でも早くなりますように願っています。

    • コメントありがとうございます。私もそうですが、好きで障がい者になった方はいないと思います。
      でも現実は、障がいを持っていると言うだけで、偏見を持たれ仕事に就けなかったりします。
      「障がいを持っていても、私の得意分野であなたの会社に、こう言う形で貢献できます。」
      と言うのを理解して頂ける会社が増える事を、私も切に願っています。

  • いつも素敵な記事をありがとうございます。いつも丁寧な調査の上、記事を書かれている事が伝わってきます。今回の記事も分かりやすかったです。これからも記事を書くの頑張ってください。

    • コメントありがとうございます。素敵な記事と言われると、ちょっと照れてしまいますね。
      記事がどんどん書けるほど、今の世の中は「生き辛い」「働き辛い」のだと思います。
      特に、障がいを持っていると余計に感じてしまいます。
      障がいを持っていても「生きやすい」「働きやすい」世の中になって欲しいです。
      これからも、記事を楽しみにしていて下さいね。

  • rina22 へ返信する コメントをキャンセル

    メールアドレスが公開されることはありません。