東須磨小事件はヘイトクライムだ

東須磨小事件

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はじめに

子どものいじめ問題は長いこと取り沙汰されていますが、そんな現場で大人が繰り広げた醜態。

先日起きた神戸市立東須磨小学校の教員4名による20代教員への暴行事件は、もはや「いじめ」では括れないものでしょう。羽交い締めにして激辛カレーを使った嫌がらせや、被害者に性行為を強要したり、車内で飲み物をわざとこぼすなど。それらはみな、立派な事件です。私はこれをヘイトクライム(憎悪犯罪)だなあと思っていました。

被害者は精神を病む場合が多い

被害者の男性の今後を考えるといたたまれません。会社での人間関係からうつになったり、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症することも多いですし、私が入院中出会った女性は、短大で助教授の職に就いていたところ、60代の大先輩からパワハラを受け、うつと診断され離職したと言います。話を聞いてみると、若くて聡明なその女性は生徒から慕われており、よく相談を受けたりしていたそう。学内で人気の先生だったのです。60代の先生はそれにきっと嫉妬したのではないかなという思いがよぎりました。想像ですが。

昨年国立教育政策研究所により開かれた「第3回いじめ問題国際シンポジウム」での調査結果に興味深いものがありました。日本のいじめは「仲間外れ」「無視」「陰口」が多いとの結果が報告されたのです。

その話から、私は家庭内でどんな会話がなされているかに思いを馳せました。

「◯◯さんとこの奥さんは△△だから」

「◯◯さんは××だからな」

そんなこと、子どもの前で話していませんか?子どもは親を見て育ちます。学校でも親からの情報が元になって、子どもたちがその家の子どもを下に見たりすることもあるのです。

私の母は、夜働いていました。小学生時代、そのことで偏見を持たれ、心ない言葉を受けたことがあります。私から教えたわけではないので最初は戸惑いました。それは、大人たちが交わしていた会話から子どもが得た情報です。

母とはよく話をしました。夜の仕事は偏見を持たれやすいこと、付き合い上の妨げになる場合があることなどを話してくれました。

身近に潜むヘイトクライム

2010年にドラマ化された有川浩さんの小説「フリーター、家を買う。」では、新卒入社したばかりの主人公が3ヶ月で会社を辞め、フリーターになって実家住まいをします。小言も言わず食事の世話をしてくれる母親が精神を病んでいることが分かるにつれ、住んでいた町のグループによる集団の母親いじめが明らかになってくるのです。皆住宅ローンを抱えて生活しているのに、主人公の家だけは父親の会社が借り上げた借家。家賃が安いことなどが、酒癖の悪い父親のせいでバレたことがきっかけだとなっています。これも今となってはヘイトクライムの部類だと言えるでしょう。この小説はフィクションですが、村八分などという言葉がある日本では悲しいかな、ありそうな話です。

TVで昭和初期の時代設定のドラマを見ていて改めて思いました。先生とは尊敬される存在だったんだなと。私が高校生の当時、学校の先生の部屋に友人たちと行って本を貸していただいた記憶などがあります。担任の先生だけではなく、どの先生も慕われていたように思います。

今回の東須磨小事件について、ダウンタウンの松本人志さんはTVの影響もなくはない、と言及してます。実行者が動画サイトにいじめの映像をアップしていたのもあっての発言でしょう。

まとめ

悪しき所業、数々のヘイトクライムは、このようになんらかの差別やいじめのマインドがきっかけで起こるのです。集団で寄ってたかって1人をいじめる大人たち。その幼稚さがヘイトクライムを生むのです。なぜ不満の捌け口にされなければならなかったのか。

連帯感

独り占め

暴力性

色欲

軽率さ…

この事件の真相は根深そうです。

私は、精神障害者になって、差別的なこと全般に敏感になりました。また、自分も差別的にならないようにこれまで以上に気を付けるようになりました。

仲間はずれ、無視、陰口…。東須磨小のほかの教員の中には、見て見ぬふりをしていた人もいたのです。身近な所に潜むヘイトクライム。

1人ひとりが自覚を持ち、「良心」の連帯意識を持てれば、減っていくのかもしれません。

参考元

ITMediaビジネス

https://www.itmedia.co.jp/business/

参考文献

有川浩「フリーター、家を買う。」幻冬舎

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/フリーター、家を買う%E3%80%82

 

東須磨小事件

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