「プラスチックごみ問題」雨や雪にも混入か 救うのは「アルミ」

プラスチックごみを持って泳ぐ亀

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 世界にはさまざまな問題を抱えており、人間が日常生活を送ることに何かしらの害を出していたりと、直視しなければいけない課題も増えています。そんな生活をしていくなかで欠かせないものが、「プラスチック」です。

 ペットボトルや弁当箱からレジ袋と多様に使われていて、何気なく毎日使っていると思いますが、海を汚す原因として大きな問題となっている一方、生物の危機としても取り上げられています。

 プラスチックごみ問題は過去記事も参照していただき、現在の課題とそんな問題を救うかもしれない「アルミボトル」というものが、開発されているという側面から紹介したいと思います。

マイクロプラスチック海洋汚染問題 人体への影響は?

1.プラスチックはなぜ有害なのか?簡単にまとめてみた

 最近クローズアップされている海洋プラスチックごみ問題には、世界で「800万トン」ものプラスチックが流されています。このままでは2050年には魚すべての重量より、プラスチックの方が重くなる、つまり「プラスチックの海」になってしまうのではないかと懸念されています。

 環境中に捨てられたプラスチックは紫外線や波の力で細かく砕けますが、分解されることはなく5ミリ以下のプラスチックを「マイクロプラスチック」と呼びます。このマイクロプラスチックは魚や鳥のお腹の中から見つかって、最近だとジュゴンの体内から20センチものプラスチックが見つかり、そこからの感染症で死んでしまいました。非常に可愛らしく、人気のジュゴンだったそうです。

動物だけじゃない人間の体内からもプラスチックが

 昨年オーストリア・ウィーンで開催された胃腸病学会議で発表された結果によると、参加した8人の被験者の排せつ物10グラムから、平均20個ものマイクロプラスチックが混ざっていると確認されました。1週間に換算するとクレジットカード1枚分、飲みこんでいるといわれています。

 プラスチックの微粒子は50~500マイクロメートル(10マイクロメートルが毛細血管、100マイクロメートルが紙の厚さぐらいです)で、海産物やほこり、ペットボトルを経由して体内に取り込まれた可能性があると推測されています。

 プラスチックが体内に入っても害があるのかというのは解明されていませんし、どんな影響をもたらすのかというのも分かっていません。しかしプラスチックが体内で蓄積していくと思うと、あまりいい気分ではありませんよね。

リサイクルとリカバリーの違い

 日本のプラごみ903万トン中86%は「有効利用」、残り16%は「単純焼却・埋立」となっていますが「有効利用」とは全部がリサイクルされているワケではなく、サーマルリサイクルつまり「熱」として利用されています。

 お菓子の袋やペットボトルなどは分別して出しても、お菓子が付着していたり、ペットボトルの中身の残りなどがあるものは、洗浄するための膨大な資金がいるため、ほとんどがリサイクルできず、熱源や発電として再利用されているのです。「サーマルリサイクル」とは日本の造語で、本来は「サーマルリカバリー」といわれています。詳しい数値をまとめたグラフなどはこちらをご参考にしてください。

3種類のリサイクル

 リサイクルには「マテリアル」「ケミカル」「サーマル」と3種類のリサイクルに分けられています。「サーマル」は先ほど説明した通りで、「マテリアルリサイクル」とはペットボトルごみがペットボトルへ生まれ変わったりすること、つまりモノからモノへと変わることをいいます。しかしこの方法だとリサイクルする度に分子が劣化していき、どんどん品質が悪くなってしまいます。

 そこで「ケミカルリサイクル」の方法は分子にまで分解して、プラスチック素材に変えるので何度でも再生でき、理想的なリサイクル方法ですが、分子に分解する工程に大掛かりな工場がいるため、資金やエネルギーを必要としてしまいます。

 プラごみ有効利用84%の内訳としてケミカルリサイクルがわずか4%、マテリアルリサイクルは23%とありますが、そのうち15%は中国に輸出されてからリサイクルされているので国内で考えると8%です。残り56%がサーマルリサイクルなので大半が燃やしているのです。

 燃料になったらいいのではないか? と考える人もいるでしょうが、リサイクルとは循環や回るという意味でもあるので、これはリサイクルではありません。中国が受け入れてたプラごみも中止され、総務省によると20年後には捨てる場所がなくなるというデータまで出ています。

 プラスチックごみ1番の問題点は、ごみとして受け入れる許容範囲をとっくに超えているのに、便利すぎてそこから離れなくなってしまっているということです。日本は1人あたりのプラスチック容器の廃棄量が世界2位なので、この問題の当事者ということを知るべきだと思います。 

2.すでにプラスチックの雨や雪が降っている

 米コロラド州のデンバー、ボールダーで行われた調査によると90%の雨水にマイクロプラスチックが含まれていることが分かったそうです。肉眼では見えませんが顕微鏡で確認すると、色とりどりの繊維の形状をしていると発表され、なぜ雨水にプラスチックが含まれているのか、出所も分かっていません。ちなみにこのボールダーでは、皮肉にもレジ袋を禁止している地区です。

雪にもプラスチックが

 人間が手を加えてない北極圏で1リットルの雪を調査したところ、1万個ものマイクロプラスチックが見つかりました。この研究ではプラスチックの他にゴム片、合成繊維も混じっていたそうです。

 研究ではマイクロプラスチックが風で巻き上げられ、大気中に漂い長距離飛んで北極圏まで運ばれたと推測されていますが、仕組みの全容は分かっていません。

3.プラスチックごみ問題はアルミが救う?

 米サンフランシスコ空港では8/20以降ペットボトル飲料の発売が禁止されます。同空港によれば「プラスチック汚染とプラスチックのリサイクル市場が崩壊したことに対応するための取り組みの一環」と声明を出しています。

 こうやって企業が廃棄物ゼロを目指した取り組みもあれば、米オール・マーケット(AMI)はペットボトルの代わりとなるアルミボトルを採用した精製水を海洋環境の保全に取り組む、非営利団体「Lonely Whale(ロンリー・ホエール)」と共同で開発した「Ever & Ever」を販売しました。

 ペットボトルは分解の行程や汚れたら洗浄といった行程が必要で、費用も高くリサイクル率もわずか10%という悪循環に陥ってます。しかしアルミは廃棄されて60日以内には再び商品として陳列できるぐらい、早いサイクルで何度でも再利用が行えますし、分解といった行程がいりません。

 アルミの問題点としてペットボトルと比べて、値段が高くなってしまうということです。ペットボトルの飲料水が1本あたり平均130円として、上記のアルミボトル「Ever & Ever」という飲料水は214円と値段がどうしても張ってしまいます。大企業の生産における課題は大きく、すぐにアルミボトルに変わる事はないでしょうが、環境のことを考えるならば将来的に導入されることを期待しましょう。

まとめ・見通しが甘かったプラスチック業界に消費者としてやるべきこと

 本来ならばひとりひとりが家から水筒などを使って、変わっていけるのでしょうが、この慣れ親しんでしまった「使い捨て」はなかなか、切り離せないでしょう。だからこそアルミボトルはいずれそうなるための「中間的なステップ」として、必要だと感じます。

 消費者もそうですが、企業側もいずれ変わる必要があると思います。コストの問題や消費者からのクレームなど、さまざまな問題に直面すると思いますが手遅れになる前に、やるべき行動と対処すべき課題を国があげて公表し、消費者もその事実を知るべきでしょう。

 まず私はプラスチックの消費を減らしてみることから初めてみようと思います。何気に家からお弁当や水筒を持ってきたり、レジ袋はエコバッグにしたりと考えずに行動していましたが、こういう小さい積み重ねが後々きいてくる要素なんだと改めて気付けました。

 この記事を読んで下さったあなたも、気付かない内に実践していることがたくさんあると思います。ぜひ「環境問題に貢献している」と自覚して行動を続けることが、我々のできる解決への一歩だと思います。

参考元・NHKニュースゼミ Forbes JAPAN(プラごみリサイクル率84%リサイクルに強いアルミボトル) BBC CNN 22世紀を生きる君へ AFP NEWS

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