香港ってどんなとこ?「福祉・介護」の課題や日本との共通点とは

香港の夜景

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 前回書いた香港のデモ問題を書いている時に「香港ってどんなところかあまりよく知らないな」というのが、沸々と湧いてきました。映画などではよく香港の街並みを見たりしますが「ネオンが印象的」とかブルース・リーの出身地、香港と台湾が混ざってどっちか分からなくなったりという印象です。私のように曖昧さ(そういう人もいるはず)を払拭するため、どういう所なのかを調べて、お伝えしたいと思います。

なぜ香港でデモ?参加者「200万人」の怒りと政府の対応とは

1.香港の面積は東京都の半分

 香港を知るにはまず、土地や人口からということでまとめてみました。

面積  ・1106㎢(およそ東京都の半分)

人口  ・約748万人 ※2018年度(ほぼ愛知県と同じ)

通貨 ・香港ドル(1香港ドル=日本円だと約14円)

公用語 ・英語、中国語

リーダー ・行政長官

 香港の街並みといえばネオン街や高層ビルが密集している印象がありますが、実際には都市開発が制限されていて、都市機能が集中しています。そのため実際には、海、山、離島などの自然がたくさんあるのも特徴です。

 文化などは中国の土地でありながら、かつてはイギリス領だったことから西洋文化が残っています。階数表記も欧米流で日本でいう1階を、グランドフロアと読んだり、路上にポイ捨てや唾を吐くなどは法律で禁止させられていて、罰せられます。違反者には香港ドルで1500ドル、日本円で約2万700円ぐらいです。

家賃は東京の2~3倍?

 最近、2019年度版の外国人生活費ランキングが発表されて1位が香港、2位が東京と昨年と同じ並びの順位で、アジアがトップ10中8都市ランクインしました。香港は東京の約2~3倍ぐらいの生活費がかかるといわれていますが、一般的な年収はさほど東京と変わりません。ですから非常に貧富の差が激しく、2016年では約44倍もの格差があるというデータも出ました。

 アジアハッカーというサイトによると詳細な1人暮らしの内訳が出ています。やはり家賃はびっくりするぐらいかかりますが、他は日本とあまり変わらないですね。交通費が安かったりするのは、ポイントでしょうか。

 なぜここまで高いのかは、香港での都市開発が3割と決められていて7割は自然保護区となっているので、住居が非常に貴重な存在となっています。日本は建物1つにオーナーが付いてますが、香港では1部屋ずつでオーナーが違いますので、家具から家賃まで変わってくるという、ちょっと日本では考えられない仕様となっています。

2.香港で日本はどう見られてる?

 香港から日本とはどういう存在なのかという疑問から色々なデータを発見しました。

香港からの訪日者数と消費額

 2018年のデータでは220万7900人が日本に来ており、年々上昇しており2013年から約3倍ほど増えています。旅行者の消費額も2016年は235.6億円に対して、2018年は約3.355億円という3年で十倍以上にこちらも増えています。

日本の街はどこが人気?

 都道府県別訪問ランキングを見ると1位大阪府(35.5%)、2位東京都(27.8%)、3位千葉県(25.4%)と東京が1位かと思えばなんと大阪でした。グルメやショッピング、京都は金閣寺、銀閣寺や清水寺などを写真に収めながら歴史に触れられる、古いお寺巡りなどが人気のようです。

日本のサブカルチャーも香港でも人気がある

 90年代香港で日本ドラマブームがあって木村拓哉、福山雅治やここ数年のブームでもある新垣結衣、石原さとみ、北川景子などが特に人気のようです。またアイドルのジャニーズやAKBグループ、歌手は安室奈美恵、宇多田ヒカル、平井堅などから数年に一回香港でもコンサートを行うONE OK ROCK、ゆずなども人気を得ているそうです。

 日本のキャラクターも人気で「ドラえもん」、「となりのトトロ」、「ハローキティ」、「ポケットモンスター」、「ちびまる子ちゃん」などが幅広い年齢に愛されているようです。

留学先No.1人気は日本

 公務員、エンタメ業界、起業家の就職先を希望する人が多数いるなか、日本への留学希望者は60%とかなり関心を持たれています。ライフスタイルも似ていることや、日本語を学びたいということもあって、60%という数字を叩き出してます。

3.医療レベルは高水準だが診察料にはご注意を

 2017年度の香港平均寿命は、男性が81.70歳、女性が87.66歳とかなり平均寿命は高い方で、香港の方は冷たい飲み物を飲まずに温かいお茶やスープを飲んだり、漢方入りのスープを自家製で作ったりと体に良いことが、風習として残っています。日頃の暮らし方にもその秘訣はありますが、香港は医療サービスも日本と同等かそれ以上です。

 世界一の長寿の国を目指している香港は医療レベルも非常に高水準だと言われていて、医者の数が少ない分、臨床経験の豊富さが際立っています。しかし日本のような国民保険がないため、ほとんどが公立の病院を利用されています。病院の種類は公立、国立、開業医クリニックと3種類あってそれぞれのメリット、デメリットがあるので紹介していきます。

公立病院

 公立では香港IDがあれば診察費が安く抑えられて初診は1700円、一般的な内診は700円、緊急の処置も2500円ぐらいですが出産費用はなんと7000円ほどです。日本では一般的に50万円前後が一時的に掛かり、実質負担金は8.6万円ぐらいなので7000円とは驚きです。

 メリットは値段ですがそれに相応して、予約ができないので「非常に待ち時間が長い」というデメリットがあります。値段に対して仕方ないことかもしれませんが、これが非常に問題視されています。

国立病院、クリニック

 メリットはこの2つの病院は院内が非常に綺麗で、予約も取れて待ち時間が非常に短く「サービス」が行き届いてます。様々な言語での対応もしていたりして、旅行した時の体調不良はこの2つの病院が安心できるかと思います。

 デメリットは何といっても診察費の高さでしょう。診察費が約11000~15000円、薬代約4000~5600円、検査費用に至っては約42000~15万円ほど。例えばレントゲンを撮るだけで98000円ぐらいかかる驚きの値段設定です。

4.介護と福祉は課題が山積み?高齢者貧困問題とは

 香港政府は高齢者対策の原則を在宅介護としていて、わずか10%ぐらいが老人ホームや病院などで、高齢者の90%が自宅に住居しているという現状です。60歳以上の高齢者のみの世帯は1981年が6.5%だったのに対して、2016年には16.4%まで上昇し、2026年は全世帯の1/4を占める、23.4%まで増加すると政府が予測しています。ちなみに日本では65歳以上の調査ですが、1985年は12.9%、2015年は21.1%、2025年の予測では22.6%と増加率は香港ほどではありません。

高齢者貧困問題

 香港には日本のような公的な年金制度が導入されてないため、低賃金労働や子どもからの仕送りのみで生計を立てている高齢者が多く、3人に1人がこの問題に直面しています。2000年に「矯正積立年金制度(MPF)」が導入されたが、フルタイムの被雇用者および自営業者が対象であり、失業者や制度発足以前に退職した高齢者は加入できないものとなっています。

 先ほども説明した医療についてですが、国民保険もなく医療費も国立やクリニックは高額のため、公立病院を利用する人がほとんどなのですが、高齢人口の増加とともに人手やベッドが足りないなどの、サービス水準が低下していると議会で非難されています。また65歳以上の高齢者が、なんらかの福祉関連の手当を受給しているのは半分程度に過ぎず、高齢者の貧困問題はますます深刻化しています。

在宅介護の課題とは

 政府は在宅介護を主に打ち出していますが、介護を担っているのが外国人のメイドです。高齢者のみの世帯で雇用されているメイドは、2016年度で3万9609世帯、10年前の2006年では1万2807世帯と比べて3倍にも増加しています。しかし介護の専門家ではないメイドが高齢者の世話をすることに、懸念の声が高まって2017年度には「メイド老人試験計画」を政府は提案し、専門知識を身につけられるような対策を講じています。

介護施設における課題

 高齢者がメイドや家族による介護を受けることが困難の場合は、介護施設を利用することになります。政府支援系と私営系の2種類の分類されていて、どちらも入居費等は低額ですがベッド不足の慢性化や、入居の可否を決める日本の要介護認定と類似した「養老サービス評価制度」により判断されて、登録後は空室が出るまで待機しなければなりません。

2018年度の3月末の入居待機人数は、3万7919人、入居までの平均待機期間は約2年となっています。

 介護職従事者の賃金は他の職種に比べて低く、長時間勤務や厳しい労働環境により人材確保が極めて厳しく難しい状況にあります。香港の失業率は3%とほぼ完全雇用の売り手市場が続くなか、老人ホームにおける一般介護職員の不足率は18%に達していて慢性的な人手不足に陥っている状況です。政府の対応策としては、賃金の引き上げと待遇改善、人材確保を図る方針を打ち出しています。

日系企業の参戦は?

 香港はもともと日本への親和性が高いのですが、高齢化社会を迎えている日本への関心が高まっています。日本の高齢者向け技術や設備、器具などは世界から見てもトップ水準と世界からも見られていて、日本人の生活習慣や住居環境は香港と類似している部分が多く、日本式の介護は香港でも受け入れやすい側面があります。

 2018年3月末時点では香港の私営系老人ホームは548カ所ありますが、充分なサービスを提供できる施設は、ほとんどありません。外資系企業等による香港老人ホーム市場への参入事例は無く、近年ようやく日本企業が香港と連携して施設の改装や事業へのコンサルティングを通して、ノウハウや人材育成へのサポートを行うケースが見られるものの、いずれも本格的な参入にまでは至ってない。しかし日本にとっては外資参入規制がなく、日本と同様の生活水準、スタイルを持つ香港での事業展開は、新たなビジネスチャンスの1つともいわれています。

感想・香港はエネルギッシュな街だけにまだまだ発展途上

 香港という街は中国の一部ですが、独立行政区という特殊な成り立ちなのに対し、日本と似ている部分などが見えてきて親近感が湧きました。都会に対して自然が溢れていて、山や海などオアシスもあったりと羨ましいところもあります。ですがまだまだ福祉、介護が行き届いていないところもありますし、金融に関しては中心街ですが貧困の差が激しく、ニューヨークの事例もあることから、これからの政府の対応策にも注目が集まると思います。

 前回の香港デモの記事を書いてから約一週間が経ちましたが、まだ香港の街に安静は戻っていません。これから独立していた街はどうなってしまうのか、どう自由と闘っていくのかというところを見守っていきたいと思います。

参考・外務省データ 香港ポスト まっぷる RGF DEGIMA NEWS NNA Sankei Biz FAN JAPAN 

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