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こんにちは、翼祈(たすき)です。
2025年、アメリカではトップが変わってから、性別の在り方が問われることになっています。
大統領令に、「男性と女性の性別以外存在しない」と記載したからでした。
そのことで、LGBTQの団体などが抗議をしたり、議論を重ねたりしていますが、そう記載されてから、より分断や差別、偏見が拡大した様に私は感じています。
イギリスでも、特にトランスジェンダーの女性にとって、厳しいとも言える判決が、2025年4月に出たそうです。
今回は、2018年から男性として生まれてきたトランスジェンダーの女性が、「自分にも女性としての権利を平等に与えられても、良いはずだ」と、スコットランドの自治政府を主張した理由は何か?、その一連の動きを追いたいと思います。
一人のトランスジェンダーが、スコットランドの自治政府と争論になった、2018年からの動向

性自認が女性のトランスジェンダーと生物学的な女性が法的に対等に扱われるべきかそれをしないべきかが争点となった訴訟で、原告側は「法的な保護は生まれつきの女性に限定されるべきだ」と述べていました。
2025年4月16日、イギリスの最高裁判所の判決で、「平等法において性差別に関連する規定を受けているものは、男性ではなく、女性にしかない妊娠や出産などという特有の人生においての経験などです。生物学的な性別として生きて来た者でしか、法の上でも説明できない」として、法の上ではトランスジェンダーの人は女性とは決められないという判断を伝えました。
その反面、平等法は、「身体的な構造の変更」や「性別」を一緒に取り入れた色んな特性に関して、その特性に準ずる差別を排除して保護を提供し、「トランスジェンダーの人々に対する差別も禁じている」ことも伝えました。
イギリスの最高裁の判決は、イングランド、スコットランド、ウェールズ全域で、性別に基づいた権利を適用することに対し、重大なインパクトを与え、病院や刑務所、スポーツクラブ、保護施設などでも、今回の判決に基づいた対応が加速するだろうとの見方を伝えています。
参照元:NHK NEWS WEB 英最高裁“トランスジェンダー 法的に女性と定義されず”判決(2025年4月17日公開)
女性と認識するトランスジェンダーの人たちに、イギリス北部スコットランドの自治政府は、医師の診断に基づく証明書を取得すれば職場などでの差別を禁じた平等法のもとで女性として保護されるとしました。
これに対して女性の人権団体は、女性専用の病棟や学校などへのトランスジェンダーの人の立ち入りを認めれば、女性の権利が侵害されるとして訴えていました。
引用元:NHK NEWS WEB 英最高裁“トランスジェンダー 法的に女性と定義されず”判決(2025年4月17日公開)
この裁判は2022年には、以下の様に一時は女性団体の訴えが退けられる判断が出ていましたが、再び女性の権利を守る方に判断が覆った形です。
22年12月の下級審判決は、性別の定義は生物学的なものや出生時の性別に限定されないとの判断を示し、女性団体の訴えを退けた。23年11月の上級審で再び訴えが退けられ、女性団体側が上訴していた。
引用元:産経新聞 「トランスは女性と同等ではない」イギリス最高裁、法的な定義は生物学的であるべきと判断(2025年4月16日公開)
このことを受けて、考えたこと
私はTANOSHIKAに入社するまで、LGBTQの人たちのことは、そういう人たちがいるのは知っていましたが、どういう人たちなのか、よく分かっていませんでした。
2022年に手探り状態で、初めてLGBTQのことを書いた、パートナーシップ制度に関して、AKARIに書きました。
トランスジェンダーのことに関しては、同年7月に、水泳でトランスジェンダーの女性が競技に出場することを書きました。
この記事では、元男性のトランスジェンダーの女性が、水泳の女子競技に出場する様になってから、新記録を連発したり、圧倒的な差で優勝をすることが増えたという話でした。
一躍有名になったトランスジェンダーの女性はこの権利を、「自分は女性として生まれただけだ」と言いますが、女性選手からすれば、「不平等だ」と、意見が対立しました。
そのことを受け、国際水泳連盟が声明を出して、
「トランスジェンダーの人が女子競技に出場することは許可しない。出場するためには、身体的発育が始まる、身体的発育が始まるタナー段階以降の男性の思春期を全く経験していない、または、12歳前のどちらかに該当すると、出場を許可する。トランスジェンダーの人だけが参加できる枠を創設する」と言いました。
2024年7月に行われたパリオリンピックで、性分化疾患の人が、ボクシングの女子競技に出場して、連日賛否両論がありながら、優勝したことを覚えている方も多いのではないでしょうか?
重量上げも、トランスジェンダーの人が、女子競技で驚異的な記録を出しながら、ぶっちぎりで優勝したこともありました。
そのことで、IOCもLGBTQの方が参加することに関してどうしていこうか、議論を深めています。
アメリカも、2025年に大統領令で、『トランスジェンダーの女性が、今後水泳など、女子種目に参加することを禁止する』と署名されました。
知り合いに、一連の話をすると、「男性から女性に変わった人が出場すると、体力とか、体格差、発揮できるパワーも違うし、女性と一緒に出場するのは、不平等だと言われても仕方がない。それは、簡単に答えの見つからない、難しい話だよね」と言っていました。
私が女性として考えていくと、トランスジェンダーの人も女性として暮らす上で、配慮されるべきだと思いますが、そのことで、性別が生まれた時から女性として生きてきた人の権利などを圧迫してしまうことは、良くないなと感じています。
生まれた時から女性なので、それまで受けてこれた制度も全然違うと思いますし、生きて来た環境も違います。
全員に平等であって欲しいと思っても、身体的な作りだったり、元が違う性だったりで、完全に平等にはなりきれないと思っています。
トランスジェンダーではない女性にも、同様に権利を主張するなら、保護できる環境づくりも必要ですよね?
イギリスの判決は、全ての権利を認めるものではありませんでした。
それでも、全く前進していない内容だとは思っていません。
全ての人の人権を守るために、さらなる議論が世界中で必要だと感じた今回の判決でした。

noteでも書いています。よければ読んでください。
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