この記事は約 6 分で読むことができます。
こんにちは、金次郎です。
今月4月1日から東京都で施行された、お店の従業員等に対する嫌がらせを止めさせる「カスハラ防止条例」。
しかし、ハラスメントの割合を業種別に見てみると、医療や介護業界で起こっているハラスメントは2番目に多いそうです。
故に「カスタマー・ハラスメント(カスハラ)」のくくりの中でも、医療・介護現場での患者からのハラスメントを『ペイシェント「患者or病人」・ハラスメント(ペイハラ)』と言って対策を打っているほどです。
特に、訪問看護師など患者の居宅に行って病気の人を診る人たちは、患者と1対1になる事もあり
・物などを投げつけられた時は、身の危険を感じた
と言い、ストレスから心の病に罹ってしまい、退職してしまう人も出て来ています。
厚生労働省の対策です。
つい先日、女優の広末涼子さんが交通事故を起こし、治療を行おうとした看護師を蹴って逮捕されたのも記憶に新しいところです。
参照元:(テレ朝NEWS)深刻化する”ペイハラ”対策は 広末さん逮捕で関心高まる(2025年4月20日)
今回は、医療・介護従事者を悩ませる「ペイシェント・ハラスメント(ペイハラ)」について書いてみます。
ペイシェント・ハラスメントの定義と行為
医療・介護従事者に対するハラスメントは、厚生労働省の「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を元にして、医療・介護従事者に特化して都道府県等が作成しています。
参考元:(厚生労働省)カスタマーハラスメント対策企業マニュアル「pdf形式60ページ」(2022年2月)
これは、平成30年度版「過労死等防止対策白書」において、
・患者からの暴言・暴力やハラスメントによるストレスが要因と考えられる看護職員の精神障害の事案
が多く取り上げられた事からです。
以下は、新潟県病院局業務課が2024年(令和6年)5月に作成した「ペイシェントハラスメント対策指針」からです。
1・ペイシェント・ハラスメントの定義
患者・家族等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の
内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通
念上不相当なもので あって、当該手段・態様により、 病院職員の職場環境
が害されるものをいう。引用元:(新潟県病院局業務課)ペイシェントハラスメント対策指針 第1基礎編 4ペイシェントハラスメントの定義「pdf形式8ページ目」(2024年05月)
この定義文の下方に、当てはまる行動や言動が書いてありますが、攻撃的な言動や威圧的な言動で職員に要求したり、治療費を払わないとか交通費を要求するなど金銭問題なども有ります。
詳しくは、上記サイトをご覧ください。
ハラスメントが起こる原因
1・患者やその家族など利用者側の原因
・本人の性格、もしくは病気や障がいから来るもの
患者やその家族など利用者にとって気に入らない事が起こると、相手を大声で
怒鳴ったり謝罪を求めたりする性格や症状が起る状態だった。
後は、医療への過剰な期待や逆に理解不足から来るケースです。
2・医療・介護現場側の原因
・診察や検査での、長い待ち時間
・症状や病状に対する、説明不足
・看護師や介護士など、職員の不適切な対応や処置ミスなど
長い待ち時間は、IT化などである程度は解決できます。
しかし、症状や病状の患者や利用者からの疑問や質問に対して、丁寧に回答する
「インフォームドコンセント(説明と同意)」が出来ていなかった事が要因にな
る場合も有ります。
参照元:(MOTTOクラウドカメラ)ペイシェントハラスメント(医療現場)とは?効果的な対策を解説(2024年12月18日)
ハラスメントに対する対応策
1・組織として対応する
職員の心身の健康を守る為に、ハラスメントにはキチンと対応する旨を分かる様に
告知します。
それは、施設内にポスターを貼ったり、ホームページなどで「ハラスメント対応
策」を提示します。
また、利用者には「ハラスメントに対してはどの様に対応します」と説明した上で
利用してもらう様にします。
2・毅然とした態度で対応します
それでもハラスメントが起こった場合は、
・今のはハラスメント行為ですので、然るべき対処を採ります
と通告した上で、施設からの退去や立入禁止の措置を取ったり、場合によっては警
察署への連絡もします。
3・記録を残しておく
上記の様な事が起こった場合に備えて、カルテなどに書いておいたり、また録音や録
画装置などで記録を取っておきます。
また、警察署とも普段から連絡体制を構築しておきます。
参照元:(新潟県病院局業務課)ペイシェントハラスメント対策指針 9 ペイシェントハラスメント対策の3本柱「pdf形式10ページ~16ページ目」(2024年05月)
終わりに
と、医療・介護現場で起こっているハラスメント記事を書いていましたら、現在大阪で開催されている関西万博で、まさにカスハラらしき事件が起こってしまいました。
ちょうど夕食を食べていた時間なのですが、「注意すべき人が、逆に注意されて土下座までしてるとか・・・、なんかおかしな世の中。」と思いながらテレビニュースを見ていました。
ハラスメントは、やっている本人は、それが「ハラスメント行為に当たる」とは思っていないところがやっかいです。
しかし、された方は心に深い傷を負い、精神的なダメージを受けます。
皆さんもう少し、心に余裕を持って相手に接しましょうよ。
→HOME
コメントを残す