不眠症と戦い、新たな目標に挑戦するS・Sさんの物語

マイクの前でインタビューをしているふたり

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リカバリーストーリーズ

TANOSHIKAで今働いている仲間たちの「回復への道のり」をシリーズとしてお届けします。

題して、「リカバリーストーリーズ」、あなたも共感できる物語が見つかるかもしれません。乞うご期待ください。

はじめに

いつも穏やかなS・Sさん。

仕事にも一生懸命で、何冊もノートに作業内容をメモしていてすごいなと、常々思っています。

そんなS・Sさんが、TANOSHIKAにたどり着くまで、そしてチャレンジャー(※1)として、新たな挑戦をする理由を聞きました。

 

チャレンジャーとは、TANOSHIKAで新たに始まった、チャレンジプログラムの参加者のことです。

会社に直接雇用され、より一般就労に近い形で勤務し、一般就労への動きを加速させる取り組みをしています。

仕事内容も作業時間もいままでとはまったく違う形態になっています。

 

トラウマがずっとフラッシュバックする日々

病気の症状が重かったです。

全く眠れず、頭が常に働いているような感覚でした。

睡眠薬がないと眠れず、睡眠薬を飲んでも、眠れない時もありました。

薬の副作用もひどく、眠れないので、記憶することができなくて、一時期はテレビも見れず、本も読むこともできなくなっていました。

集中力がなかったのでしょう。

私はこの先、一生、不眠症が治らないかと、悩んでいました。

頭の中は、いつもトラウマとなった出来事が、フラッシュバックしていました。

枕を抱える女性

最愛の両親を亡くして

ショックだったのは、東日本大震災の年、2011年に父親を病気で亡くし、その翌年に、父親の後を追うように、母親が病気で亡くなったことです。

今でも両親のことを思い出さない日は、ありません。

私の働く姿を、両親に見せていない悔いが残りました。

自分の考えで働きたい

私は、入退院を繰り返していました。

両親の死後、私はひとり暮らしになり、主治医の診察で、働く体力と記憶力がなかった私は、B型の事業所からはじめることにしました。

B型は、1年半くらい続けて、次にステップアップしたいと思って、TANOSHIKAとは違う、A型事業所で、5年近く働きました。

そのA型事業所では、軽作業の仕事をしてきたので、今度は、自分で考えてする仕事がしたいと思いました。

そして、パソコンのA型事業所のTANOSHIKAに応募をすることにしたのです。

この応募は、私にとって、ものすごくチャレンジでした。

B型で働いている時は、眠れない時があったので、夜中に病院の緊急外来に行って、注射を打ちに行っていました。

TANOSHIKAに入った当初は、右も左も分からなかったです。

チャレンジャーへの挑戦

チャレンジャーに挑戦しようと思ったのは、就業時間を4時間から6時間に伸ばしてみたいという、気持ちがあったからです。ステップアップの意味もこめて、チャレンジャーに挑戦しました。

チャレンジャーでは、私はパソコンのスキルがあるわけではないので、分からない時は、チャレンジャーのメンバーのみなさんに、教えていただいています。

今の目標は、就業時間に慣れることと、毎日、出勤することを目標としています。メンバーのみなさんに教えていただいた時は、ノートにメモをとったりしています。

チャレンジャーに挑戦しながらも、具合が悪くなった時には、頓服の薬を飲むようにしています。

階段を上る足

不眠症との付き合い方

眠れないのは、本当につらいです。

不眠症は、20年くらい続いていました。

そのうち、一人暮らしになり、働くようになり、たまに疲れて、夜にうたたねが少しできるようになりました。

アパートに一人で暮らすようになり、アパートは、カギをかければ、個室になり、誰も入ってきません。

眠るうえでの安心感がありました。

一軒家とアパートの違いという感じでしょうか。

その安心感と、働いている環境が、私を睡眠へと導いてくれたのかもしれません。

現在の体調は、ストレスがあると、眠れない時がありますが、まあまあ、眠れています。

睡眠薬が、遠ざかっていくのには、何年かかかりました。不眠症は、急にはよくなりません。

働くという、行動を起こし、コツコツと積み重ねた年月が、私の不眠症を改善したかもしれません。

どうしても、無職になるとメンタルが不安定になると思います。

働くことで、私はメンタル面がよくなり、睡眠が改善していったのかもしれません。

毛布で眠る犬

コツコツと前向きに

これからのことは、まだ分からないし、いつ病気が再発するか分からないけれど、自分なりに歩んでいきたいです。

主治医から、あなたは病気をしたからと、いわれます。

私は、年もとったし、ブランクもあるし、病気もあります。

主治医の前向きにという、言葉を胸に歩んでいこうと思っています。

一般就労できるくらいのメンタルと、スキルがあればいいなあと思いますが、まだまだ訓練中です。

コツコツと取り組んでいけたらいいなあと思います。

ノートにメモをとる

さいごに

今回のお話を伺って、コツコツという言葉が本当にS・Sさんを表す言葉だと感じました。焦らず、コツコツと頑張りたいということは、確実に前に向かっていることだと思います。

S・Sさんは、お仕事をされて生活リズムができ、そして、不眠症も改善していったようですね。適切な睡眠薬と頓服薬の服用で、勤務時間をのばしていったS・Sさんのひたむきさがうかがい知れました。今回、インタビューを受けていただき、誠にありがとうございました。

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ABOUTこの記事をかいた人

TANOSHIKAライター。うつ病、AC(アダルトチルドレン)、機能不全家族育ち。現代詩を勉強中です。セクシャルマイノリティ当事者。読みやすい、わかりやすいをモットーに様々な記事を書いていきます。