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こんにちは、翼祈(たすき)です。
石川県では、2024年9月21日から22日にかけて大雨の特別警報が出され、記録的な大雨となった、「能登豪雨」から1ヵ月が経過しました。
この記事は、今回の「能登豪雨」の以前から行われている、被災地支援の話となります。
北海道千歳市泉沢にある建築会社【アーキビジョン21】が開発した、移動式木造住宅『ムービングハウス』に注目が注がれています。木造の一般住宅をトレーラーに積んで移動できることで、災害発生時の仮設住宅として素早く設置できるためでした。
今回は、【アーキビジョン21】が開発した、『ムービングハウス』について紹介したいと思います。
『ムービングハウス』って、どんな移動式木造住宅?
2018年夏、移動式木造住宅「ムービングハウス」が、災害救助法に基づく応急仮設住宅として採用されました。
ムービングハウスは工場で製造する木造の一般住宅。
解体せずに基礎から建物を切り離してクレーンで吊り上げ、家具もそのまま貨物としてトラックに載せて輸送できる高い移動性を有しています。
国際規格の海上輸送コンテナと同じ形・サイズ(長さ12m×幅2.4m、広さ約30㎡が基本ユニット。
設置後は、電気・上下水道、ガスに接続すれば、すぐに生活をはじめることができます。被災地で一から職人が組み立てる建設型の応急仮設住宅に比べ、職人不足や悪天候などの影響を受けることもありません。
仮設住宅は今回の「能登豪雨」で、入居できたら安全、とは言えないものになりました。
「家が無くなって、仮設住宅に入居したいけど、どこも定員が一杯で、いつ入居できるかも未定で、困っている」
「仮説住宅に入って、あの様な被害に遭うなら、また仮設住宅に入っても、同じことを繰り返しことになるだろうし、入りたくない」
最近の被災地の様子を観ていると、この様な相反する声が聞かれる様になりました。
『ムービングハウス』は確かに設置する場所は必要ですが、貨物としてトラックで移動できて、すぐ設置できて、住めるし、もし何かあれば、また移動すればいい。
多くの被災者の方が、明日住む家を探している中で、この『ムービングハウス』があることで、仮に一時的な設置でもあっても、住む場所を確保できるという意味では、これからいつ起こるかも分からない災害にも、備えることができるものになるのではないか?、と私は考えています。
能登豪雨での影響について
「能登豪雨」で土石流やがけ崩れなどが発生した場所を、防災科学技術研究所は珠洲市と輪島市のいずれも北側を対象に、元日の地震の前後と2024年9月21日の「能登豪雨」の前後を撮影した人工衛星のデータから推定すると、地震発生によるものが約2200ヵ所だったのに対し、「能登豪雨」発生によるものも約1900ヵ所に達しました。
合計の面積は地震によるがけ崩れの規模が大きいことで、地震での被害が5.8平方キロメートル、「能登豪雨」での被害が2.6平方キロメートルとなっています。
特に、珠洲市や輪島市などの奥能登地域では、水田を中心に950ヘクタールほどの農地が冠水し、この中で約400ヘクタールで流木や土砂が堆積するという被害が出ました。
400ヘクタールの中で「大規模被害」とされる100ヘクタールは、川の流れによる浸食などで農地が原形を留めない状態になって、復旧するまでには4年から5年以上必要だという見通しだといいます。
それらのことを総合的に判断して、先日、立憲民主党は「能登豪雨」に関して、運転免許証の期限延長など行政上の手続きの特例措置を適用する「特定非常災害」に指定する様に、坂井学防災担当大臣に要望を提出しました。
「能登豪雨」の前の復興への足音と、発生以降に始まった支援など
私は2024年1月1日に発生した、令和6年能登半島地震をきっかけに、多くの災害の記事を書いてきました。
災害自体の記事や、エコノミークラス症候群や低体温症などの病気のこと、被災者を支援する社会福祉の記事など、様々な角度から、情報を発信してきました。
「少しずつ、復興が進みます様に」と、願いを込めながら、1記事ずつ書いていきました。
「能登豪雨」が発生する前は、少しずつ復興への足音が聞こえていました。詳しくは後述する参考リンクを読んで頂きたいのですが、市民の力でしてきた復興には以下のようなものがあります。
・体育館が使えなくなったとある高校で、生徒たちの発案で文化祭が開催された
・修繕されたワイナリーで、地元産の白ブドウを用いた今シーズンのワイン醸造が始まった
・被災し休業を余儀なくされた4つの飲食店が、プレハブの店舗を共同で開始
・輪島市の商業施設で、地元の飲食店など、合わせて34の店が参加したマルシェを開催
また、インフラの復旧も本格的に進んでいます。
特に、対面通行は、待望のニュースという気持ちが非常に高かったので、「後は、少しずつ復興していくだけだ」と思っていました。
これらの記事を読んでいた1週間後に、「能登豪雨」が被災地を襲いました。
台風14号が能登半島の方に向かっていたので、「大丈夫かな?」と思っていると、ニュースから飛び込んで来る、豪雨による被災地の冠水や土砂崩れなどでの荒れた様子。
最近の台風は場所が離れていても甚大な被害をもたらしますが、石川県に線状降水帯がかかり続け、地震で被害を受けて、復興へ、と思っていた被災地に無情な雨が降り注ぎました。
台風14号が温帯低気圧に変わっても、避難指示の出ていたところもありましたが、雨が落ち着き、ニュース番組のカメラが被災地に入ると、地震の時以上に酷い被害の光景に、言葉を失いました。
水害で、多くものが流され、ようやく建てられた仮設住宅も浸水で住めなくなって、「地震を乗り越えたのに、こんなことになるなんて…。これからどうしたら良いか分からない」という悲痛な声も多く聞かれました。
行政の支援もこのように有形無形で引き続き行われていますが、まだまだ色んな方面からの支援が必要だと感じました。
参考リンク
石川 能登半島地震で被災の輪島高校 借りたステージで文化祭 NHK NEWS WEB(2024年)
能登半島地震被害のワイナリー 今シーズンのワイン造り始まる NHK NEWS WEB(2024年)
石川 珠洲 被災した4つの飲食店 仮設店舗で共同の食堂始める NHK NEWS WEB(2024年)
石川 輪島 被害受けた朝市通りの出店者 地元特産品などを販売 NHK NEWS WEB(2024年)
石川 のと鉄道 能登半島地震「語り部列車」運行始まる NHK NEWS WEB(2024年)
のと里山海道と能越自動車道 全区間で対面通行可能に 石川 NHK NEWS WEB(2024年)
大雨災害発生から2週間、断水続く珠洲市にお風呂…「地元で入浴できありがたい」 読売新聞(2024年)
能登大雨での災害廃棄物 能登地震の廃棄物と一括対応へ 環境省 NHK NEWS WEB(2024年)
noteでも書いています。よければ読んでください。
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