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こんにちは、翼祈(たすき)です。
日本では、毎年およそ15,000人の方がリウマチを発症しているのをご存知でしょうか?
リウマチの症状として、初期は関節の炎症に伴うこわばり、痛みと貧血、腫れ、全身倦怠感(だるさ)、体重減少、微熱、食欲不良などです。口や目が乾いたり、息切れ、疲れを感じることもあります。
病気が進行すると関節の骨や軟骨が破壊され、関節の変形や脱臼などが生じる様になります。この様に症状も多彩で、発症する原因なども解明されていません。
どの年代でも起こりますが、特に30~50歳代の女性に多く発症します。
女性の発症率は男性のおよそ4倍にのぼります。
また初期には痛みもそれほど強くないことから、病院への受診が遅れがちで、早期の診断・治療が必要です。
最近の研究で、そんなリウマチの症状を抑制できる治療法が発見されました!
京都大学iPS細胞研究所(CiRA)の金子新教授や名古屋大学、武田薬品工業などの研究グループは、iPS細胞から免疫を抑制する「制御性T細胞」と同じ様な機能を持つ細胞を作製するのに世界で初めて成功しました。マウスでの動物実験で免疫の抑制効果が確認できました。
身体の免疫機能が異常に高まることで、発症したリウマチなどの治療法の開発に役立つと期待が持たれています。
この研究成果がアメリカの学術誌[セル・ステム・セル]にて掲載されました。
今回は京都大学などが発見した、「制御性T細胞」とはどんなものか解き明かします。
リウマチの治療に役に立つと期待されている、「制御性T細胞」とは?
免疫は身体を病原体や異物から守るメカニズムですが、何らかの原因で免疫機能が異常に高まると正常な細胞を攻撃してしまい、リウマチや炎症性腸疾患を発症する場合があります。現在は免疫抑制剤を使用しての治療が一般的ですが、「制御性T細胞」を使用して、正常な細胞を攻撃する免疫機能を抑制する新しい治療法が、今注目されています。
「制御性T細胞」は、通常のT細胞の様に異物を攻撃するのではなく、免疫が暴走して自分の体を攻撃しない様に「火消し役」としてバランスを維持する機能があります。がんや自己免疫疾患との関与も指摘される細胞で、発見した坂口志文・大阪大学特任教授はノーベル生理学・医学賞候補として知られています。
アメリカのカリフォルニア大学ロサンゼルス校などの研究で、iPS細胞から免疫反応の司令塔役であるヘルパーT細胞に類似した細胞を作製したケースが知られています。
ヒトのiPS細胞から、免疫反応を促進させるT細胞などを作製する方法は既に明らかとなっています。京都大学などの研究グループは今回、iPS細胞から作製したT細胞に、培養法を工夫して、4種類の試薬のかけ合わせを工夫して加えることで、「制御性T細胞」に特徴的なたんぱく質を分化させることに成功しました。
実験でこの細胞をヒトの免疫細胞と一緒にマウスの身体内に注入した結果、「制御性T細胞」と同じ様な免疫を抑制できる役割があることを確認し、マウスの正常な細胞を攻撃することを阻止しました。
参考:京都大学、iPSから免疫抑制細胞 リウマチなど治療に道 日本経済新聞(2024年)
金子教授は、「近い将来では、リウマチなど自己免疫性疾患の新しい治療法に結び付く研究に成功しました」と主張しました。
リウマチは、人によっては股関節や膝関節など大きな関節にも病変が進行し、水が溜まって動きづらくなって、痛みのために日常生活や仕事、家事に支障が出て、介助が必要になるなど、生活を送る上での機能障害が進行します。
初めは両方の足や手の指の関節が対称的に腫れて、特に朝、こわばる様になります。
全身の関節に進行していく病型の患者さんの場合、首の1番上の部分で背骨が前にずれてしまい、脊髄が圧迫され、呼吸がしづらくなったり、手足に麻痺が出現する時があります。
このように重度になると、生活や生命活動にも影響が出るリウマチの有効な治療法が発見されたことは、患者さんやその家族にとって、明るいニュースになりそうです。
母とリウマチ。その後
以前別の記事で書きました、母がリウマチかも?という話の続きになります。
母は2023年秋から手が痛かったりしました。入院生活ではほとんど痛みがなかったものの、退院した後から手の痛みが悪化したそうです。
退院後の初めての受診で、通院している病院から、「それなら膠原病内科を受診すべき」と言われて、母は探しました。
その後、私がかかったRSウイルスが移ったので、母はなかなか病院を受診できませんでした。
ようやくRSウイルスから回復後、体調が落ち着き、希望する病院に電話すると、「予約外では紹介状が必要です。かかりつけ医に紹介状を書いて貰って下さい」と言われたので、高血圧でかかっている病院で紹介状を書いて頂きました。
紹介状を持って、その病院に行くと、血液検査があったそうです。診察した医師から、「手を見せて」と言われて見せると、「あれ、内側に変形してないね。普通、リウマチの人は、内側に変形しているけど。多分リウマチではないと思うよ」と言われましたが、「それでも血液検査の結果を見ないと、確定診断はできないから、結果の出る1週間後に受診して」と言われて、帰りました。
1週間後、「リウマチでも、膠原病でもなかったよ。うちを受診する人は99%リウマチだと言われるけど、貴方は1%の方に入ったみたいだね。だからうちにはもう来なくていいよ」
と言われて、診断は「手の筋を痛めているだけ」でした。医師から、「筋を痛める位、普段何をしているの?よっほど酷使しないとこうならないよ」と言われたそうです。
これは最近母から言われたことですが、母は5年先まで分かる血液検査で、「今後5年は、リウマチや膠原病にはかからない」とも、結果が出たそうです。
「リウマチかも?」と思っていた母が、そうではなかったことに安心しました。
今は、どちらかと言うと、私が自分の身体にある心配をしています。それはまた別の機会に綴ります。
この記事にもiPS細胞が出て来ました。本当に万能な細胞だな、と思いました。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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