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パリオリンピックが終り、8月末からは障害を持つ選手によるパラリンピックが始まります。
今回のオリンピックでは、受賞したメダルが急激に劣化して輝きが失われたり錆が着いた様に変色するなどのトラブルが有りました。
しかし、もっと問題なのが出場した選手や審判に対する「誹謗中傷コメント」が多発した事です。
スマートフォンが普及し、手軽にネットへ投稿出来る様になったのも一因でしょう。
今回は、「スポーツ選手への誹謗中傷コメント」について書いてみます。
ネットでスポーツ選手への「誹謗中傷コメント」が止まらない
国際オリンピック委員会(IOC)は8月18日に
・パリオリンピックの開催期間中に、選手や審判など関係者に対するネット上
での「誹謗中傷コメント」が8500件以上も有った
と発表し、この様な事をする人たちを非難する声明を出しました。
出場選手らへの「誹謗中傷コメント」は、近年国際的なスポーツ大会が開催される度に問題になっていまして、それでIOCも対策として、パリオリンピックからは
・人工知能(AI)を使用した
「ネット上の悪質投稿を検知して、選手の目に触れ無い様にするシステム」
を導入していました。
それでも、出場選手や関係者への「誹謗中傷コメント」は止まらず、選手や関係者から苦しみを訴えるケースが相次ぎました。
国際的なスポーツ大会ですら、この様な状況ですから日本国内のスポーツでも問題になっています。
今年の夏の高校野球大会で優勝した「京都国際高校」。
試合終了後の校歌斉唱で、校歌の字幕が出るやいなや「誹謗中傷コメント」が相次ぎます。
京都国際高校の前身は、韓国系の民族学校ですので校歌の歌詞はハングル文字で書かれていました。
これを理由に、民族を差別したり侮辱するコメントが寄せられました。
京都府の西脇知事は、即座にインターネット上に投稿された民族差別等の悪質なコメントを削除する様に、京都地方法務局とサイト運営者に要請しました。
更には、日本のプロ野球でも「誹謗中傷コメント」が問題になっています。
昔は「野球場で飛び交うヤジも、野球文化の一つ」と言う様な感じで大目に見られていましたが、現代では
・ネット上に、選手だけではなく、家族まで脅す様な投稿が急増している
との事で、選手会だけでは手に負えず、選手が所属する球団が投稿者を刑事告訴するなどの法的措置を講じる様な状態になっています。
参考:(読売新聞)パリ五輪で選手らへのネット中傷8500件超…IOC選手委「あらゆる形の攻撃や嫌がらせを非難する」
参考:(京都新聞)甲子園Vの京都国際高校への差別投稿、京都府知事が削除要請 韓国語校歌などに中傷相次ぐ
参考:(読売新聞)「どっか行けプロやめろ」「ゴミデブくたばれ」SNS中傷、球界でも深刻…法的措置で対抗
日本の芸能界でも・・・
派手な蛍光色の服装を身にまとい、物怖じしない発言でテレビ番組に出演していた芸人「フワちゃん」。
同じ芸人の「やす子」さんが、オリンピック選手に対して
・「生きてるだけで偉いので皆、優勝でーす」
とX(旧:Twitter)に投稿したところ「フワちゃん」がその投稿に対して
・「あなたは偉くないので、死んでくださーい」
と書き込みして問題になりましたよね。
この件では「やす子」さんの方から「仲直りしましょう」と歩み寄り、「フワちゃん」は謝罪しました。
しかし、芸能事務所や放送局は許さず、「フワちゃん」が出演予定だったテレビやラジオの番組への出演を全てキャンセルしてしまいました。
参考:(東洋経済)フワちゃん「やす子へ公開暴言」が示す根深い問題
手軽になったからこそ、ネットへの書き込みは慎重に
「フワちゃん」の様な「失言」は、ネット民が騒ぐ、いわゆる「炎上する」要因の一つです。
しかも今回は、ツイートしたアドレスが投稿者が特定出来ない方を使ったつもりが、特定出来る方でしてしまった「誤爆」と言う事もしてしまいました。
芸能人の方は、芸能活動報告する公開アドレスと仕事への愚痴を書く非公開アドレスの2種類のアカウントを持っている方が、結構いらっしゃる様です。
一般の方でも、複数アカウントを持って使い分けて投稿している方もいます。
しかし、近年増加している「ネット詐欺」等への対応から、警察庁のサイバーテロ部門は
・投稿者は誰か?
を特定出来るように通信会社やプロバイダと協力して犯罪防止に努めていますので、ネット上であまり変な書き込みを投稿をすると、プロバイダから注意を受けたり迷惑防止条例違反として告訴されたりしますので注意して下さい。
各論①で書いた、プロ野球選手への「誹謗中傷コメント」に関しては、発信者情報の開示請求を球団側がしたところ裁判所から認められましたので、刑事告訴や損害賠償請求を検討しているそうです。
参考:(日本プロ野球選手会)「プロ野球選手に対する誹謗中傷行為等への対応報告」(2024年7月)
終わりに
スマートフォンの普及により、誰でも手軽にSNS等に自分の気持ちを書き込める様になった事で増えている「誹謗中傷コメント」。
本人にその気は無くても、ちょっとした書き込みで傷ついている人がいます。
更にインターネットが手軽になった分、それを悪用する人も増えています。
この記事を書いている今、ここ九州では台風10号が通過中ですが、こんな投稿もX(旧:Twitter)で急増していますので気をつけてください。
一見何の変哲もない、台風への警戒を呼びかける投稿なのですが、台風の進路予想画像をクリックするとアダルトサイトに飛ぶ様な投稿も有ります。
台風など災害情報をX(旧:Twitter)で探す場合は、発信者のアカウント名が公的機関や報道会社・気象予報の情報会社等か?を、先ず最初に確認しましょう。
手軽になった分、気をつけなきゃいけなくなったインターネット。
本当に、生きづらい世の中になってしまいましたね。
参考:(日本ファクトチェックセンター)台風10号の接近でスパム投稿が急増 アダルトサイトに誘導
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