感染性胃腸炎。2023年もノロウイルスが由来の集団感染が日本各地で報告されています。  

感染性胃腸炎

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

感染性胃腸炎とは、主にウイルスなどの微生物を原因とする胃腸炎の総称です。

例年の感染性胃腸炎の発生状況は、10月末頃から流行が始まり、5月頃まで報告数が多い傾向です。感染性胃腸炎は12月のピークはノロウイルス、春のピークはロタウイルスによるものと区分され、冬場に流行する感染性胃腸炎の大半は、ウイルス性のものが多いと言われています。この時期は、保育所をメーンとして、集団感染のケースが多数保健所に報告がいきます。

感染性胃腸炎と診断される原因であるウイルスには、「ノロウイルス」、「腸管アデノウイルス」、「サポウイルス」、「ロタウイルス」、「エンテロウイルス」、「アデノウイルス」、「アストロウイルス」などがあります。

これらの胃腸炎は、症状が発生している期間が比較的短い期間で、対症療法しかないので、ウイルス検査を実施せず、症状や流行状況から「感染性胃腸炎」と診断を受けるケースもあります。

感染性胃腸炎の中でも、特にノロウイルスは感染力がとても強力で少量のウイルスでも感染することから、社会福祉施設や学校など集団生活の場で大規模な集団感染となる場合もあります。予防策を徹底することで集団感染を予防することができます。感染性胃腸炎を防ぐためには特に手洗いが重要な鍵となります。流水と石けんで30秒以上しっかりと手を洗って下さい。

保健所の職員さんから聞いた話ですが、感染性胃腸炎の中でノロウイルスの発生源は「十分に加熱されていない二枚貝、つまり牡蠣など」です。感染経路として食事で二枚貝を食べて嘔吐や下痢をした人からの感染が多いとされています。

ノロウイルスは感染力がとても強力で少量のウイルスでも感染することから、病院、特別養護老人ホーム、社会福祉施設、学校など集団生活の場で大規模な集団感染となる場合もあります。予防策を徹底することで集団感染を予防することができます。感染性胃腸炎を防ぐためには、感染者数を多くしないことが重要な鍵となります。

ノロウイルスの場合、嘔吐と下痢があるので「素手で嘔吐物に触れない」「感染者とタオルを共用しない(できればペーパータオルの使用)」を実行することが重要です。

2023年もノロウイルスを由来とした集団感染が、日本各地で報告されています。今回は感染性胃腸炎の症状、有症期間、感染経路、治療法などについて、多角的にお知らせします。

▽症状

主な症状
    • 下痢
    • 腹痛
    • 嘔吐
    • 頭痛
    • 胃痛・胃けいれん
    • 発熱 時には高熱
    • 倦怠感
    • 背部痛
    • 筋肉痛

また、鼻水や咳など上気道炎症状を伴う場合もあります。

子どもでは嘔吐、大人では下痢の症状が多いあります。

また、症状が回復した後でも1週間程度、長い時は1ヵ月以上便からウイルスを排出するケースがあります。

▽有症期間

ノロウイルスによる胃腸炎では、有症期間は平均値で24~48時間です。ロタウイルスによる胃腸炎では、有症期間は平均値で5~6日です。

▽感染経路

ヒト→食品/調理機器→ヒト【経口感染・接触感染】

ノロウイルスに汚染されたカキ、大アサリ、ハマグリ、シジミなどの二枚貝を生あるいは、十分に加熱せずに食べた場合(基本的に85℃〜90℃でウイルスは死滅)

ノロウイルスが付いている食品等で、調理器具、タオル、ふきん、水などを汚染したり、それらを媒介するなどして、加熱しないで食べる食べ物や加熱調理した食べ物を汚染した場合

食品→ヒト【経口感染(食中毒)】

家庭で料理をしたり、スーパーなどで食べ物を作る人が感染性胃腸炎に感染していて、その人を介しての配膳や調理などから、汚染された食べ物を食べた場合

その他、ノロウイルスに汚染された井戸水や湧き水、簡易水道などを、不十分な消毒で摂取した場合 なども挙げられます。

ヒト→ヒト【接触感染、飛沫感染】

ウイルスが付着した手で触れて頬に触れた時(トイレをした後、嘔吐物や便などを処理した後に無意識に触ったりなど)

ノロウイルスが大量に含まれる患者の嘔吐物や便から人の手などからの二次感染した場合(トイレ、テーブル、お風呂、食器、ドアノブ、吊り革、共用タオルなどを介して)

感染した人の嘔吐物などのくしゃみや便、ウイルスに汚染されたちり紙や洗濯物などから、空気中で広がったウイルスを口や鼻から吸収した場合

自宅や保育園など人同士の接触する機会が多い場所で接触感染などにより、直接、人から人へと感染した場合(適切に処理が行われず床などに、残っていたノロウイルスを含む嘔吐物や便などが乾燥するなどして、ウイルスが口から侵入したりなど)

▽診断基準

腸管アデノウイルス、ロタウイルスはウイルスの検出キットがあることで時間がかからず検査が可能ですが、その他のウイルスに関してはウイルス抗体の測定やウイルスの分離培養などの手段もありますが、長い時間がかかることで、現実的な手段ではありません。

大人に多い感染性胃腸炎の原因であるノロウイルスも迅速診断は不可能です。

「ノロウイルス抗原検査」は、便の中に存在するノロウイルスを検査キットで検出する手段で、3歳未満や65歳以上の人などを対象に健康保険が適用されます。病院で、医師が医学的に検査キット使用が必要と判断したケースに実施され、感染性胃腸炎の診断の補完に使われます。

なお、この検査キットは、結果が早く分かるメリットがありつつ、ノロウイルスに感染していても陽性とならない時もあるので、ノロウイルスに感染していないことを確認することはできません。

細菌の場合では便の細菌培養が実施されますが、これにも数日間が必要です。感染性胃腸炎の症状が重いケースは脱水や炎症の程度、電解質のバランスの崩れを確かめるために血液検査が実施されるケースもあります。

一般的な方法では、臨床症状より判断して診断されます。

▽治療法

確立された治療法はまだ無いこともあり、症状に適した対症療法が行われます。また、細菌での感染であれば、抗生物質などが有効な治療法となります。

基本的には、胃腸を専門とする内科への受診を推奨します。市販の下痢止めは効果が得られないので使用しないことです。

病院での治療を最優先にして医師の指示通りに生活をされて下さい。

下痢は水様便などでごく稀に血便が出るケースもあります。この時に特に注意を払わなければならない症状は脱水症状です。一般的には数日で軽快し、後遺症も残りませんが、激しい下痢や嘔吐があるケースは、急激に水分や電解質を失い、飲水もできず、また発熱による不感蒸泄の増悪もあることで、脱水には要注意となります。

最初、喉の渇きが起きた時に、「糖質控えめ、塩分多め」の経口電解質液を十分に飲ませることで、脱水症を予防可能です。

特に赤ちゃんや高齢者の場合、自覚症状が現れにくいこともあって、全身疲労感の訴えやぐったりさせた時などは、脱水を想定し、迅速な病院受診が推奨されます。

市販の下痢止めを使用すると感染性胃腸炎からの回復が遅れる場合があるので、自己判断での下痢止めの服用はしないで下さい。

高齢者の場合、嘔吐物が気管に入ることで誤嚥性肺炎を発症するケースが起こり得るため、体調の変化に注意を配って下さい。嘔吐症状が改善したら水分補給を十分にし、消化しやすい食事を食べましょう。

下痢などの症状がある場合には、できるだけ浴槽に入らず、シャワーやかけ湯で済ませて下さい。

▽予防策

◉汚物(便や嘔吐物)の処理をする時のポイント

画像引用・参考:次亜塩素酸ナトリウム消毒薬の作り方 宮崎県

感染者の便や嘔吐物には数多くのノロウイルスが含まれており、ノロウイルスは乾燥すると空中に舞い上がり、これが経口感染することがあります。

このことで、嘔吐物などは迅速に処理し、処理中・処理後は十分に換気を行って下さい。

嘔吐物などには素手で握らずに、使い捨て手袋やエプロンなどを使って下さい。処理している時は、使い捨てマスクを使って、衣服を嘔吐物などで汚さない様に注意を払って下さい。

嘔吐物などで汚れた寝具類や衣服は、汚物を十分に洗い流した後、0.02%に調整した次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)におよそ30分間着け置くか、85℃以上の熱水に1分以上着け置きをします。その後、他の衣類等と一緒にせず、最後に個別で洗濯します。高温の乾燥機などを使うと、殺菌効果は上がります。

布団などすぐに洗濯できないものに関しては、よく乾燥させ、スチームアイロンを使用し高熱に当てると高い効果が得られます。なお、次亜塩素酸ナトリウムの種類ごとに、消毒時間が違う時があります。製品の用法・用量を確認をまずは行いましょう。

紙おむつは迅速に丸め、乾燥する前にビニール袋などに密閉して下さい。紙おむつを密閉する前のビニール袋は、嘔吐物などを消毒するための消毒薬も入れ込みます。処理した後は、しっかりとこまめに手を洗って下さい。

◉消毒をする時のポイント

ノロウイルスの消毒には、次亜塩素酸ナトリウムを使うことが絶対です。(※アルコールには十分な消毒効果がありません)

ドアノブ、カーテン、机、衣類、おもちゃなど、手が触れやすい物やスペースに関しては、環境消毒を実施します。最初に0.02%の濃度に薄めた次亜塩素酸ナトリウムをペーパータオルなどに染み込ませて拭いて、10分程度経過したら次に水拭きして下さい。

ドアノブなど金属部の消毒後は十分に薬剤を拭き取って下さい。

最後に、嘔吐物などがあったスペースを次亜塩素酸ナトリウムで消毒し、その際には十分に換気を行って下さい。

手洗いをする時のポイント

石けん、ハンドソープなど洗浄剤を使用する。

調理前や食事の前、トイレをした後、汚物処理をした後などには、石けんと流水で十分に必ず洗って下さい。

爪を短く切る。手洗いをする前には時計や指輪などを外す。石けんを十分泡立て、てのひら以外にも爪ブラシなどを使用して、手の甲や爪、手首まで手指をしっかり洗って下さい。

嘔吐や下痢などの症状がある方は、食べ物を直接触る行動をしないで下さい。

すすぎは、便や嘔吐物の処理を行った後は石けん(液体石けんを推奨)を使用して、手洗いを2回繰り返す。

清潔なタオル又はペーパータオルで手を拭く。嘔吐物や便は、ウイルスが飛散しない様に、ペーパータオルなどで音を立てずに拭き取ります。タオルやバスタオルの共用はしない。

拭き取ったペーパータオルやその際に使った手袋やエプロン、マスクなどはすぐに外し、密閉して処分して下さい。

◉調理をする時のポイント(食中毒の予防の観点)

既に感染性胃腸炎に感染した人が料理などをすると、食べ物にノロウイルスが付き、それをウイルスに汚染されている可能性のある食べ物や加熱が必要な食べ物は、口にした人が感染する恐れがあるので注意が必要となります。カキなどの二枚貝、ウイルスに汚染されている恐れのある食べ物や加熱が必要な食べ物を調理する際は、中心部まで十分に加熱して下さい。(中心部が85~90度で90秒以上の加熱が必要となります。)

日常生活からの健康管理を実行し、下痢・吐き気、腹痛、嘔吐、発熱などの症状がある場合は、直接食べ物を触る行動は控えて下さい。早期に病院を受診して下さい。

野菜、果物など生鮮食品は、十分に洗ってから食べて下さい。

まな板、へら、包丁、食器、ふきん、タオルなどは、熱湯(85℃以上)で1分の加熱を行うことが食中毒の予防には有効な手段です。

オススメの食べ物とオススメできない食べ物

感染性胃腸炎の発症から1、2日は、こまめに水分補給が摂れていれば、無理に食事を摂る必要はありません。食欲が戻ってきたら、柔らかく煮込んだうどん、おかゆ、すり野菜のスープなど、消化されやすい食べ物を、あっさりとした味付けで食べましょう。すりおろしたりんごも口当たりが良いことでオススメできる食べ物です。

食物繊維が多いきのこ類や根菜類、脂肪分が多くある肉類などは消化しにくいこともあって、感染している時は避けるのが望ましいです。味付けは薄味を意識し、胃腸に刺激を与える香辛料を食べ物に使うことも控えましょう。

果物が食べたい時には、みかんやレモンなど柑橘系といった酸味の強いものは吐き気を催すため、避けた方が良いと思われます。ヨーグルトなどの乳製品も、消化をする時に胃腸に負担を与える可能性があるので避けた方が安心かと思われます。

参考:【医師監修】ノロウイルスになった時に、オススメの飲み物・食べ物について 健栄製薬健栄製薬

参考サイト

感染性胃腸炎(ウイルス性胃腸炎を中心に) 東京都感染情報センター

感染性胃腸炎とは ノロウイルスを中心に 福岡県

感染性胃腸炎(ノロウイルスなど)について 横浜市

ご自身やご家族に感染性胃腸炎の症状が出ている人がいるケースは、二次感染をしない様に注意が必要です。

風呂の水は毎日換えて、浴槽や洗面器、風呂の床、椅子なども清潔さを保ち掃除して下さい。下痢の症状がある人は、最後に入浴して下さい。

私には気持ちが理解できない。

私が元々外食するタイプではなく、家族が食べたくないと言って、一度も福岡県名物のもつ鍋を食べたことがなく、私も1人で外で食べようとは思っていません。

私は食べることは好きですが、同じものを毎食食べても飽きないです。

逆に母は凄く飽きやすく、過剰に1つのものを食べ続けると、胃もたれがして、もう嫌だと、身体が受け付けなくなるそうです。

そんな我が家のルールで共通しているのは生ものを食べないことです。そこまでグルメではないですし、生ものを食べて当たりたくないという考えが常にあります。

私はカキも食べたことがないのですが、私の従兄弟が祖父の葬式の時に、「カキが大好きで、何回か当たったけど、それでも好きだから食べちゃうんだよね」と笑顔で話していたのも聞いて、親子で驚愕しました。

「当たっても好き?うちは怖いという概念で、生の食べ物は食べないから、美味しいとは聞いても、抵抗を感じるのか?」と思いました。

とはいえ、私の住む福岡県もカキを売っていて、毎年牡蠣小屋がオープンしているニュースがよく流れます。

この記事を書いて、ノロウイルスなど感染性胃腸炎の怖さを再確認したのですが、牡蠣小屋でカキを食べている人たちが、とろける笑顔で頬張っているのを観て、毎年母と「一度は行った方がいいのかな?」と葛藤しながら、そのまましないという月日をずっと迎えています。

生食文化のない私はこの記事で、果物や野菜以外の生食の良さがよく分からなくなりました。分からない私は、生食が好きな人に良さをどこかで聞きたいなと思いました。

noteでも書いています。よければ読んでください。

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左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎、右手人差し指に汗疱、軽く両膝の軟骨すり減り、軽度に近いすべり症、坐骨神経痛などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。