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こんにちは、翼祈(たすき)です。
令和6年能登半島地震が発生して、少しずつ支援物資が被災地に届き始めています。
水は給水車が各地で、タンクの水が無くなるまで配布されていますが、特に食べ物は避難所などに避難している人は、自分の力だけで食べ物を得ることが難しく、支援物資はとてもありがたいと思います。
ですが、その支援物資にある問題が生じていることが分かりました。
被災した地域で困っている支援物資とは何なのか?
今回は被災地で今後も喜ばれるものと合わせて、今求められている支援物資を紹介したいと思います。
被災地に支援物資が続々到着。しかし、ある問題が浮上
2011年、東日本大震災で岩手県陸前高田市で自身も被災し、被災地域に住む住民の1人として避難所を運営することに携わった男性は、以前は「こうした支援物資の提供は困ります」と声を上げることが困難だったと説明しました
「実際に避難所に届いて必要となったものと、使い道がなく、廃棄せざるを得なかったもの、どちらもありました。周りの人と話をできる様になるまでに5年ほど要しました」。
被災地を支援して助けたいという想いで発送する支援物資ですが、発送する前に、本当にそれが果たして求められているものなのか?と今一度考えて欲しいといいます。
今回の能登半島地震で広域で被災した石川県や富山県などは支援物資の仕分けをするなどの手間がかかるという理由から、個人からの支援物資は受け付けていませんが、石川県七尾市にある避難所である小学校には、先日見知らぬ人などからの直接支援物資が避難所宛てに持ち込まれたといいます。
「ボツ」と大きく表記された、個人が勝手に避難所に持ち込んだ段ボールの中に入っていたのは、賞味期限がとっくの昔に切れた缶詰や乾麺、ドレッシングなどでした。
また、冷蔵保存が必要となる豆腐などの生ものも今被災者には必要なものだと、言い張って放置し、勝手に置いて帰った段ボールの中に入っていました。
小学校近くの実家が被災し、避難所で仕分け作業を手伝う大学生は、「新規に受け入れた支援物資の置き場も無くなってしまうので、賞味期限の切れたものなどは廃棄するしかないです」と悲しい胸の内を吐露していました。
お金以外で、被災地で必要となる支援物資を発送したいなと思った時、どの様にすれば良いのでしょうか?
▽被災地でこれから必要となる支援物資
自身もかつて被災した男性が、優先順位が高くないことで速やかに被災地には届かないもの、でも必要だった支援物資が「調味料」でした。
当時被災者が身を寄せていた男性たちが運営していた避難所には、約200人がいて、ご飯やカップラーメン、レトルト食品といった長期保存の効く物支援物資が届いていた反面、みそやしょうゆなどの調味料が足りなくて味を変えたい時に困り果てていました。
長期化する避難生活で食事の栄養バランスが偏っていく中で、食欲が落ちていく被災者がいた時に一味やコショウ、七味が支援物資として到着して、避難所にいた人たちが食欲を取り戻し提供された食事を食べ切ることができました。
男性の避難生活が長期化する中で、想像もしなかった支援物資が避難所に届きました。
新潟県中越地震や阪神・淡路大震災で自身も被災した人たちから届けられた、ノートやメモ用紙、名刺入れなどの事務用品、ボールペンや油性ペンなどの筆記具、パソコンなどの電子機器でした。
災害で被災した人の数を確認したり、災害の発生した爪痕の記憶を記したりと、避難所を運営していく中で、未来に遺さなくてはならない記録物としても重宝されました。
また、漫画やテレビ、コーヒーなどの嗜好品など、今は贅沢品だと感じて自分からは買わない様な物も支援物資として被災地に届いて、嬉しかったと回顧します。
▽被災地で今後も必要ではない、困り果てた支援物資
男性の記憶に残っている、実際に届いた困り果てた支援物資の1つが「コマに不足があるオセロ、カードが揃っていないトランプ」でした。
避難所にいる子ども達のメンタルヘルスの為にと、その送った方の自宅にあった遊び道具を発送したと思われますが、発送した人にとっても使えない、不要だと感じるものは、被災者にも使えない“必要のない”支援物資だといいます。
着古された肌着や衣服も、被災者の方は着れません。
「発送してくる方にとって不要なものは、被災者の方にも避難生活をする上で必要ではありません」と、男性は述べました。
支援物資の発送のやり方にも注意が必要だといいます。
男性が控えて下さいと挙げたアイテムが、1つの段ボールに色んなものがごった返した“何でもあり”な支援物資だとします。
「一人暮らしの息子に実家から両親が息子の家まで発送するイメージで、タオルや毛布、バナナや乾パンなど、あるもの全部、何でも詰め込んで入れてしまうと、避難所で仕分けをする作業に労力がかかるだけではなく、段ボールの中で被災者に渡す支援物資を仕分けをする前に、食材が腐って他の食べ物まで伝染して食べられなくなり、提供できないまま処分せざるを得ない食材も出て来ます」。
参考:WEB特集 「廃棄するしかない…」その支援物資 本当に役に立ちますか? NHK NEWS WEB(2024年)
男性は「被災地の状況は毎日と変化していく中で、情報を集めながら、支援物資を受け取る被災者側の心境や状況を想像しつつ、これが必要かな?と思い、タイミングが重なった時に支援物資を提供して、支援に繋げて頂きたいです」と説明しました。
この記事を書く前に、
前日の2024年1月11日に、支援物資という言葉が多く呟かれていました。
中身を見てみると、ある1つの記事に対する反応でした。
こちらで紹介した記事とは違いますが、短めに説明すると、
被災地に被災者に食べ物などを提供するためにシェフが現地入り。
調理をする為に、支援物資が届けられた段ボールを、シェフが避難所に到着後すぐに開けてみると、5年前(※2019年)に賞味期限が当に切れているものや、レトルト食品など長期保存の効くものであっても2023年に賞味期限が切れていて、避難している200人に提供できる食べ物がほとんどなく、捨てるものばかりだった
というもので、このシェフの方は、「被災者の人をどう思っているんだ‼︎」と、怒っておられました。
この記事で紹介した男性の、「自分が要らないと思うものは、被災地で要らないもの」という言葉が、実際にそういう現場で動いていた以上、言葉に重みをずっしりと感じました。
上記の男性が推奨するのが、NPOや企業、それぞれのお住まいの都道府県の自治体などを介して、一括で支援物資を発送する仕組みです。
「個人間で別々に発送するのではなく、それぞれの居住地の団体や企業で支援物資を一括してお願いしたり、被災地で復旧支援を担うNPOなどを活用したりして、支援物資をそれぞれ種類ごとに分類して一括して発送したりと、輸送コストの面でも効果的な行動で、支援物資を受け入れる被災地側にもメリットが大いにあると思います。」
と話していました。
被災地に届ける専門のNPOのサイトを介して発送する前に、「これは被災地には必要かな?」と、今一度考えてみませんか?
noteでも書いています。よければ読んでください。
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