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こんにちは、翼祈(たすき)です。
私は2022年に下記の記事を書きました。
2020年、冷えピタでまけて、額に皮膚疾患を発症したという話でした。最近それに進展があり、実はその寛解に近い状態までに落ち着いていた皮膚疾患が、2023年6月上旬に再発し悪化してしまいました。
「酷い病気だったら困るから、大学病院を受診しよう」と決め、受診すると初めて『脂漏性皮膚炎』(しろうせいひふえん)という病気であることが分かりました。
具体的にはどんな病気なのか?今回は『脂漏性皮膚炎』を客観的に観るために、私が罹患しているこの病気の詳細と、大学病院を受診してその後どうなったのかを、あとがきで書かせて頂きます。
『脂漏性皮膚炎』とは?
頭皮や、髪の生え際、鼻、眉、耳周りなど、皮脂の分泌が盛んな部位に発生する湿疹です。
かゆみを伴った赤みや、乾燥したウロコ状のフケ、またはやや黄色味がかったフケができます。フケが悪化すると、かさぶたみたいな症状になることもあります。
皮膚科を受診する患者さんのおよそ2~3%が『脂漏性皮膚炎』とされていて、決して珍しい病気でもないです。
『脂漏性皮膚炎』が最もよく発症しやすい年齢は、通常は生後3ヵ月の赤ちゃん、10代の人、30~70歳の人の患者さんとなります。生まれた時から赤ちゃんの時期に多く見られる「乳児型」と、思春期を迎えた以降の大人によく見られる「成人型」の2つに分けられます。
生後2週~12週の赤ちゃんと思春期を迎えた以降40歳程度に『脂漏性皮膚炎』の発症の山があり、乳児型のケースでは額から頭にかけての部分に広く分布し、生後8ヵ月~12ヵ月頃までには正しいスキンケアを行っていると自然に治ります。
その反面成人型は発症すると、その大半は慢性かつ再発性に陥りやすいです。女性に少なく、思春期以降の男性によく見受けられますが、それには皮脂の分泌を促進するアンドロゲンという男性ホルモンの影響に因果関係があると想定されています。
それ以外にも、パーキンソン病などの神経の病気やAIDS・HIVの患者は『脂漏性皮膚炎』を高頻度で発症しやすく、重症化もしやすいというデータがあります。
『脂漏性皮膚炎』は、別名、脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)と呼ばれる場合もあります。
▽できやすい部位
画像・引用:脂漏性皮膚炎 さぎのみや皮膚科クリニック
『脂漏性皮膚炎』は一般的に、頭皮、胸、耳、顔のTゾーン、眉間など、皮脂分泌が多い部位に症状が出る場合が多いです。特に頭皮は『脂漏性皮膚炎』の代表格な発症部位となり、代表的な症状ではフケや痒みが現れます。重症のケースには頭部が黄色く油性のウロコの様な皮で覆われる場合もあります。
また、病変は耳の後ろと広範囲で、耳に亀裂が発生する場合もあります。顔の場合には額の生え際より下の額や眉間、眉毛、鼻唇溝という鼻の下の溝に症状が出やすく、頬にも拡大する場合もあります。
男性ではあごヒゲや口ヒゲの部分にも『脂漏性皮膚炎』の症状が発生する場合がありますが、ひげを剃ることで『脂漏性皮膚炎』を治療することや病気の管理に役立つケースもあります。目の周囲にも発生することがあって、『脂漏性皮膚炎』の唯一のフケや痒み以外の症状となる場合もあります。
身体の他の部位では、乳房下、わき、へそ、膝の裏、生殖器領域などにも『脂漏性皮膚炎』が生じることがあります。
▽原因
『脂漏性皮膚炎』は、皮脂の過酸化脂質などにより皮膚が過剰に刺激され皮膚炎を発生させると想定されていて、慢性経過を辿る疾患だと言えます。
またカビの一種の真菌で脂が多い環境が好きなマラセチアが皮脂を分解して、真菌の産生する酵素や真菌に誘導された炎症させる起因物質が皮膚を過剰に刺激することも関与していると想定されています。
また、
▶︎遺伝的要因
→皮脂の過酸化脂質の分泌が遺伝的に過剰に多い家系
▶︎睡眠不足
→寝不足から来る生活リズムの乱れ
▶︎環境要因
→入浴不足や洗顔不足・加工食品の摂り過ぎ・便秘・ビタミンB群が足りていない・紫外線の影響・喫煙など
▶︎生活環境の変化から起こるストレス
→精神的なストレスから来る皮脂の過酸化脂質の分泌の急増
▽診断基準
問診、肉眼、真菌感染を除外する目的の顕微鏡検査などを実施し、診察で皮膚の状態を診ます。
診断は皮膚症状と発疹が発生している部位を参考にして実施しますが、尋常性乾癬やかぶれなどの別の病気との鑑別が必要となります。
また白癬やカンジダなどの真菌感染症など別の病気との鑑別の為に、カビの有る無しを検査するケースもあります。
◉乳児型脂漏性皮膚炎
乳児型脂漏性皮膚炎は、生後2~3週目頃の赤ちゃんが発症します。赤ちゃんの中で5%ほどが発症すると想定されていて、決して珍しい病気ではないです。
生後半年~1年までの間に自然治癒する場合が多く、親御さんは過剰に心配しなくても大丈夫です。ですが、痒みによって肌を赤ちゃんがかいてしまうと症状が悪化する場合もあることから、しっかりスキンケアを行って下さい。
◉成人型脂漏性皮膚炎
成人型脂漏性皮膚炎は、30~40代に最も患者が多く、女性よりも男性がその大半を発症します。乳児型と違う点は、成人型の脂漏性皮膚炎は自然治癒することはほとんどありません。
女性では妊娠・出産などでホルモンバランスが変わったタイミングで、成人型脂漏性皮膚炎を発症するケースもある様です。
乾燥で皮脂の過酸化脂質の分泌が増加し、ストレスが心身に負荷がかかると悪化しやすいです。顔や額の生え際などの皮脂の過酸化脂質の分泌が多い部分に症状が発生しやすいのが大きな特徴となります。
▽治療法
『脂漏性皮膚炎』で最も効果のある治療法は、軟骨タイプのステロイド外用薬です。短い期間に使うことで劇的に改善されますが、症状が発生しやすい顔の部分は皮膚が薄いことで、比較的刺激の少ない軟膏タイプのステロイド外用薬を使う必要があります。長い間ステロイド外用薬を使うことで伴う副作用を考慮すると、計画性を持っていないステロイド外用薬を塗り続けることは推奨しません。顔の部分などの皮膚が薄いパーツには軟膏タイプを、頭皮には液体のローションタイプのステロイド外用薬を塗ります。
そして、ステロイド外用薬は一般的に症状が寛解すると同時に使うことを止めますが、時間を経つことで、『脂漏性皮膚炎』を再発するケースがあります。それ以外にも、真菌の増殖を抑制する抗真菌薬や、痒みが発生している時はビタミン剤や抗ヒスタミン剤も一緒に飲みます。
『脂漏性皮膚炎』は、医師に早期に相談して治療を開始することを推奨します。特に成人型脂漏性皮膚炎のケースでは、症状が進行した段階で病院に受診される患者さんが多く見られますが、再発なく完治するまで時間が要してしまう場合も起こります。
かさぶたになった『脂漏性皮膚炎』の部分は、オリーブ油などを塗って皮膚を柔らかくして、石鹸で優しく洗いながら過酸化脂質を取り除くなど、丁寧に肌を扱います。
また、漢方薬においては、皮膚の毛穴に『脂漏性皮膚炎』の炎症が発生している時に使うこともあります。荊防敗毒散や十味敗毒湯などがその一例となりますが、漢方薬を使うことには科学的根拠が証明されているわけではありません。そのことから、『脂漏性皮膚炎』の炎症は重篤なケースや辛い症状がある時のみに主に用いられ、患者さん全員に一律に漢方薬を病院から処方されるわけではありません。漢方薬を使うことは他の漢方薬と併用される場合もありますが、患者さん1人1人の症例に対応して処方すべきか判断される必要があります。
2021年2月から、シャンプータイプコムクロシャンプーを呼ばれる治療薬が『脂漏性皮膚炎』の治療で使用可能になりました。
▽改善策
・毎日皮膚を清潔さを維持し、優しく、しっかりと洗うこと。洗顔(基本は朝晩の1日2回)、洗髪(基本は毎日)。
・紫外線を避けるために対策を取ること。
・ビタミンB群を多く含んだ食べ物を積極的に摂り、脂肪・糖分・コーヒー・アルコール・ナッツ類・香辛料の摂取は控えること。バランスの取れた食生活を心がけること。 ※ビタミン(B群)を多く含む食品(レバー、しじみ、牛乳、卵、きゅうり、ホウレンソウ、レタス、トマト、キャベツ、シイタケなど。)があります。
・ストレスを溜めること・過労しやすい身体になっていること・睡眠不足を解消する身体づくりをすることなどを念頭に、規則正しい生活を送ること。
▽他の人への感染は?
『脂漏性皮膚炎』は人に移ることはありません。人が感染者の皮膚の発疹に触ったり、プールや温泉に一緒に入ったとしても、他の人に移ることはありません。
『脂漏性皮膚炎』は、みんなが持っている真菌を作る過酸化脂質のせいで、皮膚に炎症が生じているからです。
参考サイト
脂漏性皮膚炎の原因とは?症状や治療方法、予防方法を解説 アイシークリニック
この記事を書いたきっかけは、
以前3年以上前から罹患する皮膚疾患について記事を書きました。その後は薬を塗って症状は落ち着いていましたが、
6月✕日。その時は色々なストレスの重なりで、精神的に不調でした。その日外に行く仕事で、移動しなくてはならず、外に出ると、気温の高さで暑くて額に汗をかき、寛解に近かったのに、再発・悪化し、かなり痒くなりました。
その日の午前中は額が痒すぎて、仕事にはなりませんでした。午前中に生活支援員さんに面談を入れて欲しいと言って話すと、「赤くなってますね」と言われました。
「メイクを落として、薬を塗ったら治るだろう」と思っていましたが、薬を塗っても痒みが収まらず、薬の効果が無くなり、その日から1日中額が痒い状態になりました。
次の日は公休して、かかりつけの皮膚科に行き、「大学病院で検査するために、受診したい」と言うと、紹介状を書いて貰いました。その時に混むからと、自転車で順番取りに自転車を漕いだ時にも、額に少し汗をかいてまた痒かったです。
次の週の月曜日、大学病院に行きました。月曜日なのと、さすが大学病院。初診受付をするだけで、1時間40分超経過。皮膚科受付では、「何でもっと早く来なかったですか」と言われても、言われた通り早く来ました、でも初診受付で待たされたんですよ…と、心の中で思いました。
問診票を書き、予診室で病状の話をし、初診の先生に観て頂くと、「紹介状通り、脂漏性皮膚炎だね。別名ストレス性皮膚炎。ストレスがかかったりとか、額に汗をかくことで、痒くなる病気。今日は何でそれ位の症状でうちに来たの?」と言われたので、「かかりつけの病院では、病名言われたことなくて。薬が効かなくなって来ました」と言うと驚かれ、「それなら飲み薬追加とか、塗り薬自体変えて貰えば良かったんじゃない?」。
薬を変えて貰う、そのことを思い付かなかったな。
私は検索である病気だと思っていました。それを言うと、「あれは全く汗をかかない疾患だから。貴方は汗をかくでしょう?この脂漏性皮膚炎は赤くなったり、白粉がふいたりするけど、ならなかった?」。
確かになってました。
「会社の人からは、あせもじゃない?と言われました」と話すと、「あせもは身体にできるもの。貴方は額のTの字の部分にできているから違うよ。とりあえず紹介状の返事を書いておくし、薬が無くなったら、かかりつけの病院でもあるはずだから、そこで貰えばいいよ。お大事に」。
それから塗り薬を変えて、飲み薬を飲むと、1日に1回の処方なのに、劇的に症状が改善し、それ以来汗をかいても、再発・悪化して酷くなった時よりは、痒くなくなりました。
病名も分かり、今はホッとしています。この記事では、病名が分かったので、前回の記事から再度改めて書かせて頂きました。
noteでも書いています。よければ読んでください。
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