マグネットセットなどの誤飲の恐れで、2023年6月19日から製造・販売禁止へ。 

マグネットセット 製造 販売 禁止

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こんにちは、翼祈(たすき)です。

気付かない間に深刻な事故を引き起こす「小さな時限爆弾」と称される、マグネットセットや、水を吸収すると膨らむボールのおもちゃをご存知ですか?この2つはお子さんが誤飲する事故が発生し、経済産業省は2023年6月から規制します。

経済産業省は2023年5月16日、国際基準に適合しない、強力な磁石を使用したおもちゃ「マグネットセット」と、水で膨らむボールに関して、子どもが誤飲する恐れのある小さなアイテムの製造や販売を禁止する規制を設置すると閣議決定し、明らかにしました。誤飲する事故が相次いでいることを受け、これから政令を改正し、2023年6月19日から、大きさや磁力などの基準を満たしていないアイテムは禁止します。

2023年6月19日から施行されることで、経過措置期間が終了する2023年12月19日以降販売が不可能になります。

今回は2つのおもちゃの詳細や、実際に起きた誤飲事故のことを踏まえながら、この問題について考えていきたいと思います。

2023年6月からマグネットセットや、水を吸収すると膨らむボールのおもちゃを規制へ

画像・動画引用・参考:飲んだのは、小さな “時限爆弾”~体内でくっつく・膨らむ「こどもの誤飲事故」に注意~ PR TIMES(2023年)

マグネットセットは一般的な磁石の10倍以上の強力な磁力を持つ「ネオジム磁石」などを使っています。1個の一辺の長さや直径はおよそ3~5mmで、数多くの磁石で、立方体や球状のタイプがあり、互いをくっつながら遊ぶアイテムです。海外製がインターネットモールで主に販売されています。

消費者庁や経済産業省の消費者安全調査委員会(消費者事故調)によりますと、複数の磁石を誤飲すると腸管などが挟み込まれて穴が開いて、摘出に開腹手術が必要になったり、2017年〜2022年までに、7歳までの子どもの誤飲事故がトータル11件確認されました。アメリカでは亡くなったケースも報告されています。

誤飲した被害者の年齢は0~7歳となり、複数のマグネットセットを誤飲して、それぞれが小腸や胃など違う場所に留まったことで、腸管など消化管を挟んでマグネットセットがくっつくことで臓器に穴が開く深刻なケースが多くありました。

海外では既に規制が加速していて消費者事故調は、2022年3月、数十個入り小型磁石の一部が見つからなくなっても親御さんが発見しづらく、経済産業省への法的規制が必要との報告書を公表し、求めていました。

水で膨らむボールは、直径およそ数10mmで、水を吸収すると数倍から数十倍に膨れ上がります。100円ショップなどでも購入可能です。誤飲すると腸内を圧迫し、腸閉塞などを発症する可能性があります。

2021年以降、5歳までの子どもの誤飲事故がトータル5件確認されています。2021年には1歳の男の子が水で膨らむボールを複数個誤飲し、腹部の中が膨張して開腹手術をしました。

2つとも直径が3.17cm以下のアイテムが規制の対象に入ります。マグネットセットは身体内から自然に排出できる程度の磁力に抑制しなくてはならず、水で膨らむボールは直径3.17cm未満のアイテムは、元々の形状より吸水する前より50%以上膨らまない様に改善しないと、2023年6月19日以降は製造・販売が不可能です。

消費者の身体や生命に危害を及ぼす可能性が高いアイテムに関しては、消費生活用製品安全法で規定された政令で「特定製品」として扱い、基準外製品の販売を禁止しています。現在は乳幼児用ベッドやライターなど10品目が「特定製品」で、マグネットセットと水で膨らむボールの2品目を新規に追加しました。

基準に満たしていなければPSCマークを表示することができず、販売することもできません。経過措置期間終了後にPSCマークが表示されていないアイテムは技術基準への適合を確認していないことを示す法令違反のアイテムとなり、購入を検討する時には、PSCマークの表示の有るか否かを確認して下さい。

また、経過措置期間中(2023年6月19日から2023年12月18日)は、PSCマークが表示された製品と表示されていないアイテムが混在する期間があることに注意が必要となります。その時であっても、PSCマークが表示されたアイテムを買うことを推奨したいと思います。

参考:マグネットセットなどの玩具、小型品の製造・販売を規制へ…子供が誤飲する恐れ 読売新聞(2023年)

強い磁気の磁石を複数誤飲した1歳の男の子を診察に携わった経験の持つ済生会横浜市南部病院の小児科の医師の女性は「お子さんはキラキラしたものに興味を抱きます。手が届くところに置いていると、親御さんが知らない間に誤飲してしまう恐れがあるので、手に届かない場所に置く様に心がけて頂きたいです」と注意を呼びかけてました。

誤飲させないために、押さえておきたいポイント

①お子さんに1人で触れさせないこと

お子さんが、アイテムを誤飲してしまう可能性があるので、1人にアイテムを触れさせないで下さい。特に3歳までのお子さんは、身の回りのものを口に含んで確認しようとする行動を取るので、誤飲の危険性が非常に高くなると想定されます。親御さんと一緒に遊んでいても、 僅かな時間目を離していた隙で事故に誤飲する可能性もあります。

②お子さんが持ち出せないスペースに保管しておくこと

親御さんが気付かない内に、お子さんが勝手に保管スペースからアイテムを持ち出して遊んでいて誤飲することが発生することもあります。お子さんが勝手にアイテムを持ち出せない様に、保管スペースに注意を払って下さい。

③誤飲することが危険だということを事前にお子さんに伝えておくこと

お子さんが言葉で伝えて理解可能な年齢になったら、誤飲の危険性を普段から事前に教えておきましょう。

④誤飲のリスクがあることを承知した上で購入することを検討すること。不要なアイテムを廃棄することも視野に入れること

アイテムをお子さんの手の届かないスペースに保管していたつもりでいても、いつの間にか勝手に持ち出してお子さんが誤飲するケースも発生しています。特に兄弟姉妹がいるご家庭では、年長のお子さんがアイテムを勝手に持ち出して遊んでいたことで、居合わせた年少のお子さんが誤飲するケースも発生しています。家庭内に対象年齢未満のお子さんがいる場合は、アイテムを購入することで発生する誤飲事故のリスクを十分に承知した上で購入を検討して欲しいです。

また、これから先使う予定がないアイテムを保管している場合は、誤飲を予防するためにも廃棄することも視野に入れましょう。

画像引用・参考:飲んだのは、小さな “時限爆弾”~体内でくっつく・膨らむ「こどもの誤飲事故」に注意~ PR TIMES(2023年)

3回目のお子さんの誤飲の記事を書いて、

ボタン電池に関しては知っていましたが、マグネットセットなどに関しては知りませんでした。

私には子どもがいないので、マグネットセットなどの実物は観たことがないのですが、誤飲しやすい大きさなのでしょうか?

昔よりものの性能や技術が上がって来て、かつ小型化しているので、性能がより向上している分、誤飲したら身体が大変なことになる、ということでしょうね。

私が小さい頃は誤飲になる様なおもちゃにしろ、そういうものはなかったですが、本当にこの問題は現代社会の社会問題の大きな1つだと思います。

2023年6月から製造・販売が禁止になるなど、大きな問題になっていた、今回の誤飲。そういうケースが少しでも減って欲しいー、と思っています。

noteでも書いています。よければ読んでください。

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2 件のコメント

  • ネオジム磁石の件は、自分の趣味である模型業界でも一悶着あったので、本当にびっくりしました。
    ( ゚д゚)
    どんなものでも取り扱いには気を付けないとなって改めて実感しました。
    今回も興味深い記事をありがとうございます。
    m( _ _)m

    • 動画制作班の匿名M様。

      コメントありがとうございます。何かを規制すると、別の何かで誤飲の事故が生じてしまう、難しい問題だなと思っています。

      便利な世の中になったなぁと思う反面、こういう事故も増えてしまったなと思うと、悲しいですね。この記事で、誤飲する子ども達が居なくなることを願っています。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    左耳感音性難聴と特定不能の発達障害(ASD,ADHD,LD全ての要素あり)、糖尿病、甲状腺機能低下症、不眠症、脂漏性皮膚炎などを患っているライターです。映画やドラマなどのエンタメごと、そこそこに詳しいです。ただ、あくまで“障害”や“生きづらさ”がテーマなど、会社の趣旨に合いそうな作品の内容しか記事として書いていません。私のnoteを観て頂ければ分かると思いますが、ハンドメイドにも興味あり、時々作りに行きます。2022年10月24日から、AKARIの公式Twitterの更新担当をしています。2023年10月10日から、AKARIの公式Instagram(インスタ)も2交代制で担当。noteを今2023年10月は、集中的に頑張って書いています。昔から文章書く事好きです、宜しくお願い致します。