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こんにちは、金次郎です。
ロシアが突如、隣国ウクライナを攻撃したのが、2022年2月24日。
もう後1ヵ月ほどで1年になりますが、未だ戦闘は続いています。
国連ではロシアを非難する決議がなされ、ロシアを支持するのは僅かな友好国のみです。
各国が、ウクライナからの難民を受け入れており、日本も難民を受け入れています。
実は、この24日の軍事侵攻前日に、ロシアはネット上でウクライナを攻撃しているのです。
それを察知したのが、アメリカの大手IT企業「マイクロソフト」社です。
軍事侵攻の前日にロシアがした攻撃とは?
ロシアの軍事侵攻が行われる前日の2月23日。
ウクライナから9000Km離れたアメリカ北西部のシアトルで、ウクライナの政府機関やインフラへのサイバー攻撃が行われた事を察知しました。
この事を察知したのは、IT企業大手のマイクロソフト本社にある「MS脅威インテリジェンスセンター」と言うサイバー攻撃を監視する部門です。
サイバー攻撃をしたのは、ロシア政府の支援を受けているハッカー集団でした。
ウクライナを助けるために行った事
インテリジェンスセンターでは、直ぐに防御の為のソフトウェアを作ります。
コンピューターの動作を不安定にする「マルウェア」を特定するソフトを、わずか3時間で作りあげウクライナに送りました。
マイクロソフト社のブラッド・スミス社長は、その年の5月にロンドンで行われたイベントで「今回のウクライナ侵攻の最初の攻撃は、サイバー空間で行われ、それを最初に目撃したのは我々だ」と雄弁に語りました。
また、Google社は侵攻当日に駐英ウクライナ大使と会談して、Googleの社員が携帯型データ転送サーバーを持ってポーランドに行き、ウクライナ政府の主要データを運び出しました。
更に大手通信会社のクラウドクレア社は、ロシア国内からウクライナ政府のサイトに接続できない様に通信網の設定変更をしました。
IT企業各社の対応
今回の軍事侵攻では、戦車や大砲並みにIT技術が武器になっています。
Microsoft:侵攻前日のネット上のサイバー攻撃を察知マルウェアを特定するソフトをウクライナに提供
Google :サイバー攻撃を察知すると共に、ウクライナ政府のデータを保管し他国へ移動
Twitter :ロシア国営メディアサイトへのリンクを含む投稿に注意のラベル付け
Amazon :サイバー攻撃を監視して、ウクライナや欧米の政府と情報共有
Meta :ウクライナ語やロシア語が分かる社員を集め特別部署開設、
facebookの監視とロシア国営メディアの広告禁止および偽情報の拡散抑制
YouTube :動画投稿サイトへのロシア国営メディアのアクセス規制
アメリカの大手通信会社は「インターネット史上、政治的理由で通信を遮断するのは初めてだ」と語りました。
日本も対応に追われる
2022年8月22日に、岸信夫首相補佐官のツイッターアカウントを使って不自然な日本語で「世界は核災害の危機に瀕しています!ウクライナのミサイルは、サボリージャ原子力発電所の上空で爆発すべきではありません。」と言う投稿が拡散されました。
発信源を調べると、駐英ロシア大使館でした。
岸補佐官は、直ぐに正規のアカウントで「偽の投稿です」と発信。
そして外交ルートを通じて、駐英ロシア大使館に抗議すると共に投稿を削除させました。
これを受けて、政府は「偽情報の拡散など情報戦への対応が必要」として、民間通信事業者との連携強化を打ち出します。
しかし、あまり過度に国が介入すると、戦前の様な言論統制に繋がると少し及び腰です。
紛争はウクライナだけじゃ無くなるかも
皆さんは「台湾2026」と言う言葉をご存じでしょうか?
これは、アメリカのシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」が、「中国が2026年に台湾侵攻を実行したら?」と言う仮定で行った図上演習です。
図上演習は24回行われ、どの回も結果は「中国の台湾侵攻は失敗に終わるが、アメリカも2隻の航空母艦を失い、数万の兵士を失う」と出たそうです。
中国軍も「海軍は壊滅的な打撃を受け、やはり数万の兵士を失う」らしいですが、台湾と国境を接している日本も無関係ではいられず、海上自衛隊も多数の護衛艦を沈められ、かなりの人的被害を被るそうです。
(JIJI.com)中国の台湾侵攻は「失敗」 米シンクタンクが図上演習―日米台中に甚大な損失
終わりに
私の両親は、父も母も戦前生まれでして、特に父の長兄が親(祖父)の言う事も聞かずに軍隊に入隊して祖父の怒りを買った事を経験していますので、私が学生時代に自衛隊の幹部候補生学校の試験を受けた時は、父に猛烈に反対されました。
もう定年退官しましたが、幹部として自衛隊に入隊した中学・高校時代の友人は「今の世界情勢をどう思っているのだろう?」とか考えています。
日本では、第二次世界大戦の反省から、今まで防衛費はGDP1%以内を堅守していましたが、来年度予算では防衛費が2%と、あっさり1%以内を越えてしまいました。
野党は猛反対していますが、政府のこれらの行動は「今の世界情勢は、もう数字にこだわっている場合じゃ無い、もし中国が台湾侵攻を実行したら国境を接する日本も戦闘に巻き込まれるぞ」と言う考えからでしょう。
故に岸田首相は国会が終わったら、世界各地を飛び回り各国と防衛協定を積極的に結んでいますし、アメリカのバイデン大統領の勧めで、今後5年間で500発の「トマホークミサイル」をアメリカから購入する予定です。
※このミサイルは、緯度経度を正確に入力すればピンポイントで目標に飛んで行き、ロシアのミサイルの様に学校や病院を誤爆する様な事はありません。
日本が戦争に巻き込まれたら、私たちも今の平和な生活や仕事も出来なくなるでしょう。
現在のウクライナ国民の様に「何時ミサイルが飛んで来るか?」と脅えながら暮らさないといけなくなりますし、仕事どころではないです。
その事は、私の親世代が肌身で体験しています。
膨大な犠牲者を出した、第二次世界大戦が終わって78年。
各国とも第二次世界大戦の反省は、どこに行ってしまったのでしょうか?
参考
(朝日新聞デジタル)「最初の砲撃」米ITが察知 侵攻、強まる国家との連携
(leuters)ロシア、ウクライナ支援国をサイバー攻撃=マイクロソフト
(日本経済新聞)ウクライナ「サイバー包囲網」狙う Googleに協力要請
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