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雨が降ると頭が痛くなる。
台風が近づくと気分が落ち込む。
天気が崩れると同時に、自分の体調まで崩れてしまう、そんな経験をしたことはありませんか?
天気が悪いときに現れる体調不良、その正体は「気象病」かもしれません。
「気象病」とは一体どんな病気なのでしょうか。
この記事では「気象病」の原因と対処法を明らかにしていきたいと思います。
「気象病」って一体どんな病気?
「気象病」とは、気候や天気の変化が原因で起こる体や心の不調の総称です。
代表的な症状としては、以下のものが挙げられます。
・頭痛 ・眩暈 ・疲労感 ・吐き気 ・首や肩の凝り
・関節痛 ・低血圧 ・古傷の痛み ・手足の痺れ ・うつ
この「気象病」、近年注目されている病気の一つで、潜在患者数はなんと1000万人にものぼると言われています。
気候変化の激しい季節の変わり目や梅雨の時期、台風が発生する時期などに多く見られる傾向があるようです。
「気象病」はなぜ起こる?
「気象病」の原因は気候や天気の変化ですが、気候や天気が崩れるとどうして体や心に不調が現れるのでしょうか。
気圧や温度、湿度などが大きく変化したとき、人間の体の中で内臓などの機能を絶えず調整してくれている神経、自律神経のバランスが乱れてしまうことが原因として考えられているようです。
特に気圧による影響が大きいと言われており、中でも「気圧が下がるとき」に症状が出やすいのだとか。
梅雨の時期は梅雨前線上を低気圧が通過するため、気圧が下がります。
また、台風はそれ自体が巨大な低気圧であるため、台風が近づくと気圧が下がります。
梅雨の時期や台風が発生する時期に気象病の症状が多く見られるのは、そうした理由からであると考えられています。
また、気圧による影響を体が受けやすい理由として、「内耳」の働きが挙げられます。
内耳は耳の中にある器官で、主な役割は耳で受けた情報を脳や神経に伝えることです。
内耳の前庭器官には、気圧の変化を感じ取る機能と場所が備わっています。
大きな気圧の変化が起こると、それを内耳のセンサーが感知し、脳や神経にそれを伝えるという訳です。
このセンサーの感度は人によって異なり、「気象病」の症状が出る人はこのセンサーの感度が何らかの原因で鋭くなっていると考えられています。
センサーが敏感であると、脳に過剰に情報が伝えられ、それによって自律神経のバランスが乱れてしまいます。
そして、自律神経のバランスが乱れたことで、様々な症状が私たちの体や心を襲う、という訳なのです。
漢方と気象病
さて、ここで一度視点を変え、漢方医学の視点から「気象病」の原因を探ってみましょう。
漢方医学の世界では、気候による体調の崩れをとても重要視しているようです。
体が受ける気候からの悪影響は、大きく6つの種類に分けられ、それぞれが体に及ぼす影響と症状が研究されています。
「気象病」が起こりやすいと言われる梅雨の時期、台風の時期は、気候の変化だけでなく、低気圧がもたらす雨の影響も大きいと考えられています。
梅雨や台風による過剰な湿気も、この時期の体調不良の大きな原因の一つだという考えです。
そして、気候の変化と過剰な湿気が合わさると、「水毒(水滞)」という状態になると言われています。
水毒(水滞)とは、全身の「水」の流れが悪くなった状態のことを言います。
つまり、汗やリンパ液など、体液の循環が悪くなった状態ということです。
全身の水の流れが悪くなると、体の各所に余計な水が溜まった状態になります。
例えばそれが頭の血管であれば、血管が拡張して神経に触ることで片頭痛が発生します。
他にも水毒(水滞)の状態では気象病のそれとよく似た症状が出るとされています。
気象病にはどんな薬が効く?
自律神経のバランスが崩れたり、全身の体液の循環が悪くなったりすることで起こる「気象病」の症状。
では、そんな辛い症状を和らげるにはどのような手段があるでしょうか。
一つ目は、頭痛などに対して市販の頭痛薬など鎮痛剤を用いる方法です。
その痛みが天候によるものであっても、鎮痛剤は痛みに対して効果を発揮します。
服用するときは、痛みがピークを迎える前に飲むと効くまでに苦しまずに済むでしょう。
二つ目は、全身の体液の循環を良くするために、漢方薬を用いる方法です。
気候の影響で一時的に水毒(水滞)になっている場合ならまだ良いのですが、元々水毒(水滞)の体質だった場合、症状の改善には時間がかかります。
漢方薬の力を借りて根本からの改善を図ると症状が良くなる場合があります。
全身の水の巡りを良くする漢方薬は種類も豊富ですので、使う際は自分の症状に合わせて選ぶことをお勧めします。
薬以外の対処法はある?
薬を飲む以外にも、様々な方法で痛みに対処したり自律神経を整えたりすることができます。
①水分の摂りすぎに注意!
暑い時期になると特に水分補給は欠かせませんが、何事も適度が一番です。
飲み物を飲むときは一気に大量に飲むのではなく、こまめに少しずつ飲むようにするだけで、水分の摂りすぎを防ぐことができます。
②食事の内容に注意!
油の多い食べ物は、漢方の世界では体内に水を溜めやすいとされています。
揚げ物やバター、マーガリンの他にナッツ類にも油が多く含まれるので、それらの食べ物の食べ過ぎには気をつけましょう。
また、豆類、瓜類、海藻類は体内の水の巡りを助ける食べ物であるとされています。
それらの食べ物を意識して食べることで、体内の水の巡りを良くすることができます。
③寝る前のスマホに注意!
スマホやパソコンなどの光を寝る直前まで浴びていると、自律神経が乱れやすくなってしまいます。
眠る時間が近づいてきたらスマホやパソコンは使わず、ゆっくりと過ごした方が自律神経を過剰に刺激せず、質の良い睡眠がとれます。
④簡単マッサージ法でリラックス
耳周りの血流を良くすることで、自律神経の乱れを整えることができます。
以前、別のライターさんが同様に気象病について書かれた際の記事に、詳しいマッサージの方法が載っています。
是非そちらも合わせて見て実践してみて下さい。
https://akari-media.com/2019/06/29/member-563/
気象病と生きていく
自律神経の乱れやすさや、体の中に水が溜まりやすい体質は、人それぞれが生まれ持ったものです。
そのこと自体を変えることは出来ません。
しかし、服薬をしたり、生活の中で工夫を重ねたりすることで、気象病の症状を和らげたり、症状が出にくくなるようにしたりすることはできます。
日々の工夫と服薬で、上手に気象病と付き合って生きていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
参考サイト
健康と天気 第1回「気象病の原因とメカニズムとは?手軽にできる対策をご紹介!」
https://panasonic.jp/life/health/160024.html
季節の変わり目にクラクラ・ズキズキの気象病におすすめ漢方薬とは?
https://www.kracie.co.jp/kampo/kampofullife/body/?p=7166
その頭痛、気象が原因!?ズキズキする、締め付けられる…。“天気頭痛”の正体とは
https://jp.rohto.com/learn-more/pick-up/tenkizutsu/
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