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子どもが生まれてきて最初に見るのは、母親の顔や病院に来る父親や兄弟姉妹、病院の壁の色などになります。そして、家の中の色や形など、少しずつ世界のことを知っていきます。
水晶体や目の細胞などに異常がなければ、目から得る視覚情報が増えていきます。しかし、水晶体や目の細胞に異常が起きると、視覚で捉える情報にも影響が出てくる可能性もあるでしょう。
眼鏡やコンタクトレンズを使っても視力が回復しない場合、日常生活を困難に感じている状態を「視覚障がい者」といいます。
そこで、視覚障がい者にも見え方などによって分かれているのではないかと思い、調べてみました。この機会にどんな日常を送られていたり、手助けする方法があるのかなどを一緒に学んでみませんか?
視覚障がい者を大きくわけると下記の2つになります。
全盲
全盲というと、何も見えないというイメージがあるのですが、実は、光を感じたり狭い視野の中でも見える場合もあります。
明るい昼間では白い線が見えていても、暗くなると見えなくなります。
また、白い杖を使って道路の変化を知って、注意をしながら状況を把握しているのでしょう。
点字ブロックにも2種類あります。止まる場所には四角い形でドット柄のようなもので、歩行する場所では少し細長い棒を4本平行に並べたものです。白い杖の先で点字ブロックの種類で、障がい者がどこにいるかわかるのです。
盲導犬は全盲の人にとって大事なパートナー
盲導犬は全盲の人にとってかかせない大事なパートナーとなっています。ハーネスをつけて、人の目のかわりをしています。段差や道路の変化がある時には止まって、ハーネスから人に段差や道路の変化を教えているのです。が、危険と感じた時には、盲導犬は人のいうことをきくことはありません。
弱視(ロービジョン)
視覚障がい者の7~8割の人は弱視(ロービジョン)と言われています。
医学的には「視力の発達が障害されておきた低視力」を指し、眼鏡をかけても視力が十分でない場合をさします。しかし早期発見、早期治療で治療可能なことがほとんどです。
全盲よりは光を感じたり、多少見える範囲があったりしますが、日常生活には同じように困っています。
そこで、視覚障害について、見え方などで大きく4つに分けて書きたいと思います。
それぞれの障害と見え方
①視力障害・・・
物を見る時の細かい力を必要とします。眼鏡やコンタクトを使って矯正(視力の回復)しても、一定以上の視力回復に繋がらない時の状態のことを視力障害といいます。
②視野障害・・・
見える範囲が欠けたり狭くなることを視野障害といいます。
目で見る範囲は上下左右を広げて全体を見ることになります。
③色覚障害・・・
目が感じる色に対しての機能がわかりづらい状態のことです。
特定の色に対して(赤⇒緑)(緑⇒赤)見えることを色覚障害といいます。
見え方は下記のサイトがとても分かりやすいので興味がある方は覗かれてみてください。
関連記事:色盲の見え方、色覚異常の人の世界はどうなっている? 再現してみた (buzzfeed.com)
④光覚障害・・・
明るい光を感じたり暗くなってきた時に、調整することが難しいのです。
光の強さや暗さに順応できない光覚障害といいます。
目に問題のない人でも、明るいとこから暗い所へ行くと、目の調整に時間がかかります。
⑤それ以外の障害
聴覚や身体の障害と上記の障害(①~④)の他に、目の眼球やまぶたなどに障害があって、2つや3つと同時に症状がある人もいるのではないでしょうか?
画像引用:国土交通省HPchapter2.pdf (mlit.go.jp)
お子さんの目の(視力)異常に気がついたら・・・
視力は、ことばや歩行などと同じく、成長に伴ってだんだん獲得する能力です。
0歳では0.1ぐらいの視力しかなく、3歳ごろに大人と同じ視力に達するとされます。
視力の成長は、他の成長と同じくいつかは止まり、臨界期(感受性期=10歳頃まで)を過ぎると治療に反応しにくくなります。早期に治療を開始するほど、治療に反応して視力が改善していきます。
子どもが物を見ている姿に「おかしい」と思われたら、迷わずに病院(専門医)に見せるといいでしょう。
もし街で視覚障がい者に支援をする際には
もしあなたが偶然駅や街中で視覚障がい者に出会って、困っているようなら、ぜひ勇気を出して声をかけてみてください。白杖を持っている方なら、白杖を掲げていればそれは困っているサインです。
・最初に声をかけます。
・必要なら肩や腕をかします。(誘導の際は半歩先を歩くといいでしょう)
・交通状況を相手がイメージしやすいように具体的に声に出して伝えます。
(上下左右・前後などの方向や、何メートル・何歩先といった距離など)
・電車が遅れたり、止まっていることを教えます。
目に障害がある人は急なことに驚いてしまうからです。
全盲、視覚障がい者にしてはいけないこと・・・
・いきなり腕をつかんだり、ひっぱらないようにします。
・無理に連れていこうとしないようにします。
・肩や腕を貸した際に、自分のペースで歩かないようにします。
(あくまで障がい者のペースで歩いてください)
このように気を配る必要があります。
視覚障がい者の仕事は・・・
それまでは、針・灸・あんま(マッサージ)が多かったですが、パソコンなどの音声入力機能や読み上げ機能の普及で、それまで難しいとされていた以下の様な事務系の仕事にも就けるようになりました。
・パソコン入力業務
・Excelなどの事務系ソフトを使用したデータの集計、計算、調査業務
・電話やメールによる社外とのコミュニケーション
・語学力を生かした簡易翻訳業務…など
今後もIT技術の発達によって、視覚障害のある方ができる仕事や就業機会は増えていくでしょう。
また、目に障害がある分音に敏感なので、その才能を生かしたのが音楽に関わる仕事をする方もいます。
楽器の奏者(ピアノ・ギターなど)や、歌手などです。
中にはスティービー・ワンダーなど、世界的なアーティストもいます。
日本人で有名なのはピアニストの辻井伸行さんです。
下記は公式HPです。気になる方はぜひご覧になってください。
辻井伸行 TSUJII NOBUYUKI OFFICIAL SITE (avex.jp)
就くのが難しいお仕事
弱視と一口にいっても、先ほど紹介したように症状も様々あります。
弱視の程度によって仕事をされているのではないでしょうか?
それでも、警察官や客室乗務員(航空機)など、一定の動きを見る仕事には就くことはできません。
参考:日本弱視斜視学会「弱視」https://www.jasa-web.jp/general/medical-list/amblyopia
仕事に対する配慮
目に障害がある人には、職場までの通勤時間や職場でよく使う会議室・トイレ・エレベーターの他に、物の配置や荷物が置いてある場所などの情報を伝えていると助かります。
また、職場内の移動をする際、白杖を使う人には、手(腕)肩など貸してあげること視覚障がい者も安心できます。
視覚障がいを持つ方の日常生活
ここでは、視覚障がいを持つ方の日常生活について述べていきます。
下記の動画に登場するのはフリー・ザ・チルドレン・ジャパンのフィリピン障害者支援事業担当の石田さんです。石田さんは現在一人暮らしをしており、通勤を含む日々の外出や、料理などの家事、メイクなど身の回りのことは基本単独で行っています。
長年視覚障害者として暮らしている者の多くにとって、それはごく当たり前のことなのですが、みなさんの中には「え、目が見えないのにいったいどうやって?」と思う方もいらっしゃるかも知れないので、百聞は一見にしかず、ぜひ動画でご覧ください!
参考:BuzzFeedNews「目が見えなくても、メイクはできる、料理もできる。27歳、全盲の彼女の日常」
まとめ
今回調べてみて、目の障害があっても仕事や食事の準備、買い物などをして、いろんな趣味をもっていることに驚かされました。弱視の人も全盲の人も普段の生活を送り、いろんなことにチャレンジをしています。
同じ障害者と感じさせない強さをみにつけることができたら、何をしたいだろうか?と考えさせられました。
1人の人間として、私なりにしっかりと歩いていきたいと思っています。
参考:NHKハートネット「視覚障害「これだけは知って欲しい」街中に潜むキケン」
参考:ヤリキリ生活「視覚障害の種類を知り、白杖を使って歩く人にもっと配慮を!」
参照:LITALICOワークス「視覚障害のある方が仕事をする上で抱える課題と働きやすい環境とは?」
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