コロナ禍の今だから考えたいベーシックインカム

ベーシックインカム

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はじめに

新型コロナウイルスの緊急経済対策として国から国民一人当たり10万円の特別給付金が決まり、早いところではもう給付金がもらえた自治体もあります。

国が国民にお金を配るこの構図は、ベーシックインカムに似ていると感じました。その制度は数年前話題になったので、名前を憶えている人もいるかもしません。

ベーシックインカムとは【政府がすべての人に必要最低限の生活を保障する収入を無条件に支給する制度】です。 

数年前、話題になった時は将来、今ある仕事がAIなどに奪われるのではないかという不安から、ベーシックインカムに注目が集まりました。

コロナ禍の現在、倒産している会社も出てきており、収入が減った人もたくさん出てきています。

こういった緊急事態の時にだからこそ、様々な制度・対策を考える中で今回はベーシックインカムの必要性について考えていきます。

ベーシックインカムのメリット、デメリット

まずこの制度を考えるうえでのメリット、デメリットを挙げていきます。

 

メリット

国民全員に配るので貧困問題が緩和するのでは…

少子化対策の一因になるのでは…

 

ここで話がちょっとそれますが

社会現象を起こした『逃げるは恥だが役に立つ』というドラマがあります。主人公が家事を仕事にしてお金をもらう、契約結婚をするという話ですが、そのドラマの中では、今まで家事はやって当然というものだったのを時給として貰うという設定の中で男女が惹かれあう物語です。

このドラマから感じることは、家庭において家事は無償で行われてきましたが、主婦、主夫、シングルマザーにもベーシックインカムだとお金が支給されるので気持ちに余裕ができるのではないでしょうか。

また、一人暮らしでアルバイトをしながら学んでいる大学生なども学業に集中できるかもしれません。

各個人に給付されるので少子化などの問題も解消するのではないかという見立てもあります。

 

デメリット

財源をどうするのか?

労働意欲が下がるのではないか?

 

といったことが挙げられます。

それでは実際にベーシックインカムを行った一例を次の段落で紹介します。

海外で行われた社会実験

この実験では、2016年11月時点での失業手当受給者のうち、無作為に抽出した25歳から58歳までの2000名を対象に、2017年1月から2018年12月までの2年間にわたって毎月560ユーロ(約6万5520円)を支給した。なお、この期間中、就職や起業で収入を得ても、この支給額が減らされることはない。このため、低収入の仕事でも仕事に就くことができ、失業率が低くなると考えられていた。

研究チームは、同期間の失業手当受給者を対照群として、ベーシックインカムが受給者の雇用や収入、社会保障、心身の健康、幸福度、生活への満足度などに、どのような影響をもたらしたかを分析した。

実験期間終了直後に実施したアンケート調査によると、ベーシックインカムの受給者のほうが、生活への満足度が高く、精神的なストレスを抱えている割合が少なかった。また、他者や社会組織への信頼度がより高く、自分の将来にもより高い自信を示した。(Newsweekから引用)

 

上記の社会実験を含め、世界的に見ても数例程度であり、データが足りません。まだまだいろんな試行錯誤を行って地域や国に合った最適を探し分析する必要があるのだと思います。

コロナ禍の今

 

2020年4月5日、この状況を受けてスペインの経済大臣が生活困窮者にベーシックインカムを導入すると発表しました。すでに調整をはじめているというようです。また、イギリスでもジョンソン首相が、今回の新型コロナのような緊急時一時的な処置として、最低限の所得を保障するベーシックインカムを検討しているようです。

 

ここからは私見ですが、もし今の日本でベーシックインカムを導入するとすれば、まず生活に困っている人、この先または明日の生活が保証されていない人を対象に、継続的かつ限定的にするのが良いと考えます。一番に困っていくのは立場の弱い非正規労働者や、ネットカフェ難民だったりします。全国民に支給するといった観点から見るとベーシックインカムではないのかもしれません。

また、作家の佐藤 優さんは、格差をなくす社会福祉政策としてベーシック(インカム)ではなくベーシック(サービス)という考え方を2019年の本で書いています。(べーシックサービスとは? お金ではなく現物支給をするという考え方。) 例)数万円の賃貸住居を提供し、無料で食事をとれる場所を作るなど。)本の中では、子ども食堂の成功例で兵庫県明石市などを挙げていました。住居を空き家などを活用すればさらに社会問題の解決になるのではと読んでいて思いました。

最後に

今コロナ禍の中で、国や各自治体のトップがいろんな対策を打ち出しています。トライアンドエラーを繰り返しながら感染の封じ込めに注力しています。今回あげたベーシックインカムも同じように試してみてわかることがあると思うのです。だからこそ、これから実際に試す国に注視することが必要だと思います。

もし、全国民対象で、ベーシックインカムの状況下になったら自分の生活は変わると思います。現在コロナの影響でテレワークで仕事をしています。出退勤の時間が無くなり自分の時間が増えました。その時間で本を読んだり、考え事をするようになりました。ベーシックインカムでうまく働き方を変えることで時間の余裕も増えると思います。

今の状況、収入が減って仕事を失う人がいる中で、緊急事態だからこそ改めてこの制度を知り、考える契機になれば幸いです

コロナ禍の生活の中、日常の大切さがわかり、生かされているんだという感覚になりました。 経済活動ができない時、世界の空は澄みきっていました。新型コロナウイルスの脅威が収まった後の世界の日常は、人とのつながりを大切に、また人を思いやれるそんな景色が心の中で広がればいいなと願うばかりです。

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