今回の買占め騒動で思う事

買占め騒動

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こんにちは、金次郎です。

 今回の新型肺炎による、マスク買占めに始まったトイレットペーパーやティッシュペーパーの等の買占め騒動。
 第4次中東戦争による1970年代初頭のオイルショック時も、こんな感じでガソリンやトイレットペーパーの買占め騒動が起こりました。
 私は、今回の買占め騒動を見て「あれから50年近く、当時を知っている人は55歳以上の人だろうけど、今も当時と日本人の不安心理は全然変わっていないな」と感じています。
 あの当時は、田中角栄首相による「日本列島改造論」で日本各地で不動産ブームが起き、日本全体の土地の値段が急上昇し、この影響で土地以外の物価も上がりインフレが起っている状態でした。

 今回の買占め騒動も「物が無くなる」と言う不安心理から来る一時的な騒動だと思っています。

まず、マスクが無くなる!

 毎週日曜日は、足の悪い父に代わって母の買い物に付き合います。
 3週間前、母がスーパーで買い物をしている間に、私は近くのドラッグストアに行きました。
 ここのところ毎日テレビや新聞で新型肺炎の報道が行われており、日本国内でも日々新しい感染者が報告されている状態ですので「万が一の為にマスクを買っておこう」と思ったからです。
 しかし店内を見回しても、どこにもマスクが見当たらない。
 そこで、店員さんに尋ねたところ「ここがマスクを置いていた場所です」と何も無い場所を指さしました。
 「次はいつ頃、入荷しますか?」と聞いたところ「入荷見込みが立っていません。問屋さんにも、マスクの在庫が無いそうです」との返答。
 その次の週は、別のドラッグストアに行ってみましたが、やはり「マスク在庫無し、入荷未定」の張り紙がしてありました。
 「いくら新型肺炎が流行しているからと言って、これはちょっと異常だな?」と思い帰宅後に、パソコンでオークションサイトをいくつか見てみました。
 そうしたら有りましたよ。
 「300枚で15万円」とか「100枚で10万円」等と言う法外な値段が付いた出品が山ほど出ていました。
 そう、皆さんが必要に迫られてマスクを買い求めるだろう事を見越して、悪質なオークショナーが買い占めて売っていたのです。

 政府は、オークションサイトで法外な値段でマスクが販売されている事を受け、国民生活安定緊急措置法を10日に閣議決定し、15日(日)に施行予定です。
 この法律に違反すると、1年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金に処せられます。 https://www.jiji.com/jc/article?k=2020031000216&g=pol

 

Yahoo! japanの対応

適正な価格で出品されてない事を受け、ヤフージャパンは3月14日(土)よりマスクの出品を禁止します。
「ヤフオク!ガイドライン細則の改定について(マスク等の出品について)(2)」(3月4日)https://auctions.yahoo.co.jp/topic/notice/rule/post_2732/

 楽天やメルカリ等も、異常な値段のマスクの出品はどんどん削除しています。

ネットに書かれたデマで、皆がパニック買い

  更に、次はネットに「新型肺炎の流行により、マスクを作るために中国で紙不足になる模様で、中国産のトイレットペーパーやティッシュペーパーが品薄になる」との書き込みが有り、これを見た人達がマスクに続いて、今度はそれらを求めて、大量買いに走ります。
 後に、この書き込みは、日本人の不安を煽りマスクに続いてパニック買いをさせようとするデマ書き込みで有る事が判明しました。
 日本政府も製紙業界も「トイレットペーパーやティッシュペーパーは全て日本産で、十分な在庫が有ります」とテレビや新聞で注意喚起しますが、一度「商品が手に入らなくなる」と言う不安に駆られた人達のパニック買いは収まりません。
 私が勤めている作業所の最寄り駅にあるスーパーで、3月3日の朝に久しぶりにトイレットペーパーやティッシュペーパーが商品棚に並べられました。
 しかし、店員さんが並べるそばから、お客が次々と手に取りレジに向かいます。
 店員さんが「並べ終えるまで、お待ちください」と静止しますが、店員さんの指示を無視して、皆さん商品が入っている段ボール箱からも取って行きます。
 私が勤務を終えて帰る時にスーパーを覗いて見ましたが、商品棚には何も有りませんでした。
 前日の事がスーパーの店員さんも怖かったのか、在庫が無くなったのか分かりませんが、次の日の朝に商品棚を見てみましたが補充はされていませんでした。
 あるいは、製紙会社の社長さんが「商品の在庫は十分に有るのですが、トラック運転手が足りません」と言うので、全てのお店には配送しきれていないのかも知れません。

こんな時、障害者は健常者に比べて本当に不利です

  私は難聴で補聴器を付けていますが、補聴器も所詮機械ですから自然の耳の様に「聞きたい音だけを聞く」と言う事が出来ず、全ての音を拾いますので騒がしい場所での会話やアナウンスなどの放送を聞くのが苦手です。
 ですから、今回の様に売り場に複数のお客が集中して、皆が同時に店員にあれこれ注文の声を上げている状態では、私は少し離れた場所から推移を見守るしかありません。
 それで後日、人が少ない時に「次回の入荷はいつ頃でしょうか?」と言う感じで店員さんに尋ねるのが、現在の私には唯一の方法です。
 後、私の父の様に高齢で歩くのが不自由になり、杖をついて歩いている人はどうでしょう?
 「順番にお渡ししますので一列に並んで下さい」等と言う時など、長時間立って順番を待つと言うのは苦痛だと思います。
 この様に緊急事態の時、障害を持つ人たちは健康な人に比べて、素早い行動を起こせず本当に不利です。

終わりに

 近年は、スマートフォン全盛の時代で、高齢者も子供や孫に使い方を教えてもらいながらスマートフォンでネットにアクセスしている時代です。
 また、駅やショッピングモールの休憩所などでは、若い人は暇さえあれば、ずっとスマートフォンをいじっています。
 しかし、高齢者に限らず若い人にもネット初心者に対しては「ネットに載っている情報を、全て信じちゃダメ!、十分考えてから情報の取捨選択を」と教えても、不安になる様な情報には、敏感に反応してしまい「真実か?否か?」を考える前に不安を掻き立てられ行動に移してしまう事が多い様です。
 私が行くスーパーやドラッグストアの入口にも「デマに惑わされないで下さい」赤文字で書いた張り紙を貼っていますが、お客の中には「デマなら、早く商品を入荷して買わせろ!」と我を忘れて怒鳴っている方を見かけます。
 日本が中国を攻めた日中戦争、及び当時の日本の同盟国ドイツがユダヤ人に対して行ったホロコースト(大虐殺)を発端に始まった、第二次世界大戦。
 最終的には連合国側の物量作戦と心理作戦で、枢軸国側は負けましたが、当時を過ごした高齢者を含め、日本人はどうも昔から心理的不安な事が起こると、後先考えず行動してしまう様です。
 そう言う心理的性格が、オイルショックの時と同様に、今回も皆さん大量買いに走ってしまった原因だと思います。
 皆さんが不安に駆られて買い占めを行わなければ、トイレットペーパーやティッシュペーパーの品薄状態は今週中にも解消される見通しです。
 マスクもメーカーは工場を24時間フル稼働させて生産しています。
 「ちゃんと在庫は有るから不安にならない様に」と、呼びかけても「万が一を考えて」と大量買いしてしまう日本人。
 時代は変っても、ちょっとした事で不安がる心理的性格は、治らない日本人の特徴でしょうか?

参考
・トイレットペーパーも消えた 安倍首相が「冷静な購買」呼びかけもデマが止まらないわけ                                 (AERA dot.)
https://dot.asahi.com/wa/2020022900016.html?page=1

・トイレットペーパー「ストップ転売」 メルカリの出品、よく見たら「デマ」の注意喚起
                                 (J-castニュース)
https://www.j-cast.com/2020/02/29380960.html

トイレットペーパー品薄… 来週には解消見通し
                    (テレ朝ニュース 3月4日(水)6時18分配信)
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000177910.html

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