選択盲の仕組みとは? 実験で浮かび上がってくる人間の曖昧さ

選択盲

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「あなたは職場や、今の恋人を選んだ理由を説明できますか?」

 こういった問いかけに考えて、答えを出しても、おそらくほとんどがの人が「自分が選んだんだから」と、最後はそこに、落ち着くんではないでしょうか? しかし、それは本当に自分自身が選んだんでしょうか? なぜこういう疑問を投げかけているかというと、TEDといわれる海外の講演会で、「我々は自分の行動を本当に分かっているのか?」というタイトルに惹かれ、見てみるとその中に出てくる「選択盲(チョイスブラインドネス)」という心理学の講演でした。

 見応えのある面白い講演なので、お時間のある方は、動画を参照していただくと記事の内容も分かりやすいので、ぜひ、見てください。文章でも簡単に説明していきますので、そちらもどうぞ。

TEDとは
TEDは、今日の世界をリードする思想家や実践者によって短時間の(18分またはそれ以内)、パワフルなプレゼンテー ションの形で、「広めるべきアイデア(”ideas worth spreading”)を共有する」非営利団体です。

「すり替え」と「思い込み」で人間の知覚は”あやふや”に

 実験心理学者のペター・ヨハンソンは「人は自分が好きなものを選んでいると自分に思い込ませている」という現象=選択盲を研究している人です。

 参考元の動画では実際にその実験をやっていて、参加者にAの女性とBの女性の写真を見せてどちらが魅力的に見えるか? という風に何枚か見せていき、選んだらその写真を実験者が渡して、なぜそれを選んだのか? の理由を答えさせます。何回かやってる内に手品で使われるトリックを使い、選んだ方とは逆の写真をすり替えたのを、相手に渡して理由を答えさせます。そうした時に参加者はすり替えられた事に気づくのか? 選んだ理由はなんというのか? という実験です。

 選んだ方とは逆の写真を参加者は受け取っているにも関わらず、全く気付きません。理由もすり替えられた方の写真の理由を答えています。これには驚きました。

 動画の中にもある、Aの女性はイヤリングをしていない女性、Bはイヤリングをしている女性。参加者はAを選んだのに、実験者はBを渡します。Bを渡されたことに気付かずに、受け取り理由を聞くと「明るいし声をかけやすい。イヤリングもいいね」と答えます。そもそもAを選んだ時点では、イヤリングをしていない方を選んだのに、Bを渡されると選んだ理由にイヤリングをしているからと後付けに理由を付けて、自分を納得させようとしています。

 ペター・ヨハンソンは「この実験が表しているのは、選択がすり替えられていることに気付かない場合、人は即座に別の理由付けをし始めるということです。もう1つは、実験参加者は自分が好きだと、思い込まされたものを実際好むようになるということです。この効果を選択盲と言われています」と語っています。

 

視覚は騙せても味覚や嗅覚はどうなのか?

 あるスーパーマーケットで行われた実験では、研究者たちがジャムの品質を調査するコンサルタントに扮して、180人の消費者を対象に調査するという触れ込みで行います。

 ジャムの香りに集中してから好みの方を選択してもらい、実験の途中でもう一方とすり替えられたが、すり替えを認識した人は全体の3分の1に満たなかった。「私は絶対にシナモンアップル・ジャムのほうが好き」と思い込み決定しても、代わりに苦いグレープフルーツ・ジャムにすり替えられても、その違いに過半数の消費者は気付かなかったのです。人間の知覚はそれほど、曖昧なんだということがこれらの実験で分かりますね。

まとめ・「こだわり」や「意地」はもっと「ラフ」に「いま」を大切にしよう

 人間は製品に関する自分の好みや選択にこだわり、そのことに膨大な時間を費やしてます。自分も「製品」や「食」に、ある程度のこだわりがある方だと思っていますが、もっとラフに選択してもいいかもしれません。

 仕事や恋愛だったり人生は、選択の連続ですが、時には選択が間違いだったと悩んでしまう事もあります。「ちゃんと考えて選んだんだから、ここでやめると自分の選択が誤りだったと認めることになってしまう」とついつい意地になってしまいます。しかし、上記の実験でも分かるように、人間の選択は当てになりません。過去の選択にこだわるより、後付けの選択理由に惑わされずに、今の気持ちを大切にして生きてみるのも、いいんじゃないでしょうか。

 

参考・TED YOUTUBE

「こだわり」実は曖昧:知覚と「選択盲」の実験 働く人の心ラボ

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