健康への意識➖精神面の健康こそ大事《パート1》

サービス担当者会議

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改めまして、M.Jです。

「ふ〜ん、私は身体の痛みやしびれはないので健康だよ!」

「血液検査も問題は無いので、健康には自信があります!」

 

「え〜っ、ちょっと待ったあ〜!」

健康は「身体的な健康があればオッケー!」というわけではありません

健康とは「もっと幅の広い意味」があります。

健康には「身体的な健康」のほかにも「精神的な健康」と「社会的な健康」という概念があります。

なお、「精神的な健康」が充分に保たれていないと、身体的にも社会的にも「健康の面において」大きな影響を及ぼしてしまいます

「ひどい悲しみ・モヤモヤ・イライラ」を抱えていると「精神的な健康」は得られていかないのです。

 

今回は、健康の中でも最も重要だと思われる『精神的な健康』について、さまざまな視点から掘り下げていきます。以下の項目に沿って書きます。

⚫︎WHOの健康の定義

⚫︎サービス担当者会議はものすごく大事!

⚫︎地域包括ケアシステムが導入されると・・・

⚫︎精神障がい者に対するサービスの課題

⚫︎今後の精神障がい者へのサポート➖提言

【重要】

★なお、今回の記事は精神障がいの当事者の方はもちろんのことですが、相談支援専門員のかた、就業生活支援センター担当のかた、精神科の医療関係のかたなど「支援する立場」のかたに、ぜひ読んでいただきたいです!

WHOの健康の定義

『精神的な健康』について言う前に「健康」とは・・・、という部分で戸惑っていると思います。

「健康」という言葉の意味(定義)から、M.Jと一緒に学んでいきましょう。

WHOの健康の定義

健康とは】➡︎  WHO(世界保健機関)の憲章

⚫️病気ではないとか弱ってないではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること

⚫️世界中すべての人々が健康であることは、平和と安全を達成するための基礎であり、その成否は個人と国家の全面的な協力が得られるかどうかにかかっている

⚫️健康を達成するためには、医学・心理学や関連する学問の恩恵をすべての人々に広げることが不可欠

健康についての解釈は、以下の通りです。

健康について解釈

◎健康には、以下の3つの要素があります。

①➖「身体的な健康」

②➖「精神的な健康」

③➖「社会的な健康」

◎健康であるためには「医療者を含めた周囲の協力」が必要です。

多くの人が健康になるためには、以下のことが必要不可欠です。

《1》「身体的な病気」に対する医療

《2》「精神的な病気」に対する医療

参照:日本WHO協会:世界保健機関(WHO)憲章とは

血圧計

いきなり、WHOの定義は「難しい部分が多い」と思います。

あえて、WHOの定義を出した理由は「世界的に健康とはどのようなものかを認識したほうがいい」と思ったからです。健康の本来の意味を把握することで、なお一層「精神面の重要性」を感じてほしいと思っています。

M.Jは、健康の中でも「精神面の健康」が最も大事だと思っています。

「精神面の健康」は、身体面・社会面の健康に対して大きな影響を与えます!

精神状態が悪くなると「身体が動かしづらくなる(身体的な要素)」「人との交流を避けてしまう(社会的な要素)」ということが起こります。

健康という部分で「精神面」は軽視されがちですが、意外と「精神面の健康」は「全体の健康」において重要だと思います。

精神面が不健康だと「仕事をすることが難しい」「仕事を続けることが難しい」「人間関係が悪化してしまう」ということが起こります。

仕事を行なうためにも「精神面の健康」を強く意識していきたいものです。

 

ところで、M.Jを含む「精神障がいのある人」にとって「仕事や生活において計画を立てる必要性」があります!

精神状態を良くしていかないといけないので「どのように仕事や生活をしていくか・・・」は課題となってきます。

 

M.Jは現在「就労継続支援A型事業所」で仕事をしています。1年に1回「サービス担当者会議」が開催されていて、障がい者本人の「実施する予定のサービス」「今後の目標」について立てられています

ただ、今後は「地域包括ケアシステム」によって、なお一層「障がい者の生活の充実を図る」ようにしなければならなくなります

次の項では、今後の「サービス担当者会議」について書きます。

サービス担当者会議はものすごく大事!

健康を考えていく上で『精神的健康』はものすごく大事です。

精神的な健康を得て、それを持続させるためには「目標設定」と「支援者によるサポート」が欠かせません

この2つの要素を決めて、実施するために必要なものが「サービス担当者会議」なのです。

サービス担当者会議は、どのようなものでしょうか?

サービス担当者会議

サービス担当者会議とは・・・

⚫️相談支援専門員は「サービス等利用計画の立案・変更」や「障がい福祉サービス事業者との連絡調整」を行なう。

⚫️相談支援専門員は「サービス担当者会議」の開催により、サービス等利用計画案の「内容についての説明」を行ない、サービス等の担当者に「専門的見地」から意見も求めなければならない。

サービス担当者会議の目的

⚫️サービス担当者の視点からは・・・

→専門的な立場から意見を述べ、原案を「更に良いものにする」機会

⚫️利用者の視点からは・・・

→原案に対して実際にサービスを提供してくれる事業者との間で「確認」ができる、共有の機会

⚫️相談支援専門員の視点からは・・・

→利用者と実際にサービス提供しているサービス担当者から「現実的な情報が得られる」機会

サービス担当者会議で留意すべき点

⚫️「5W1H」を整理する。話の流れを整理する。

⚫️その人の「生活全体」を知っているからこそ見えてくるものがある。

⚫️それぞれが持っている「情報」を出し合う

⚫️相談したいことの中で、その人が「悩んでいること」「不安に思っていること」がどこにあるのか探っていく。《探りながら相談者の気持ちを整理していく》

⚫️関係者間の役割分担を提案し、それぞれが取り組むことについて確認していく。

コミュニケーション

サービス担当者会議のことについての解釈は、以下の通りです。

相談支援専門員の役割解釈

事前に利用者から話を聞く(利用者のニード・今後の目標など)

利用者から聞いた話を基に「仮の利用計画」を立てる

「就労移行支援事業所・就労継続支援事業所(以下、事業所)」と「サービス担当者会議(以下、会議)の日時など」の連絡調整をする

会議にて「仮の利用計画」について説明する

会議にて「事業所」の意見を聞く

会議で出た意見を踏まえて「利用者の同意」を得て、最終的に「利用計画」を立てる

サービス担当者会議での留意すべき点・重要なこと解釈

《1》利用者本人の日常生活・社会生活を把握する

《2》利用者本人の悩みや不安を把握する

《3》「就労移行支援事業所・就労継続支援事業所(以下、事業所)」の提供するサービスなどを確認する

《4》医療機関の治療を確認する

《5》実施する内容は利用者本人のニードに近づける

《6》事業所の職員は利用者の「得意なこと・好きなこと」を尊重する

《7》事業所の職員は利用者の「努力している部分」を引き出す

《8》相談支援専門員は全体的なことを把握して計画を立案する

注意点

⚠️サービスの提供が実現困難な場合「新たな案」を示す

《この際、利用者の同意が得られることが前提!

参照:宮城県社会福祉協議会:サービス担当者会議等におけるサービス管理責任者の役割(PDF)《2022年/3月》

 

精神障がい者の生活は「仕事」だけではなく、「精神医療」「訪問看護」「家族との関係」などさまざまなことがあります

これらのことが障がい者の「精神状態」に大きく影響するのです。

どのような「サービス計画書」が立てられるかによって、精神障がい者の「生活」は良いほうにも、悪いほうにも変わってしまいます。

精神障がい者に対してのサービスは「各職種(精神医療の提供者、就労移行支援事業所・就労継続支援事業所の職員など)」の連携が欠かせません!

連携が不足すると「障がい者の不満が爆発」「障がい者と事業所の職員とのトラブル」が発生してしまいます。

計画書を立てても「障がい者の精神状態が悪化してしまう」といったことが起こります。

よって、サービスの計画は「不足することなく十分なもの」が求められるのです。

今後は、地域包括ケアシステムによって「精神障がい者の生活の充実」が重視されるようになると考えられます。これによって「サービス担当者会議」も変わらないといけなくなります

サービス担当者会議、どのような方向性になっていくのでしょうか?

地域包括ケアシステムが導入されると・・・

前述したように、精神障がい者においては「サービス担当者会議」はものすごく大事になってきます。

10年後には、今までの「サービス担当者会議のような感じにはならない!」と思っています。その理由として「地域包括ケアシステムが導入される」かもしれないからです。

この項では「精神障がい者に対しての地域包括ケアシステム」について紹介します。

それと共に、サービス担当者会議が「どのように変化していく」べきなのかを書いていこうと思います。

地域包括ケアシステム➖精神障がい者向け

地域包括ケアシステムとは

⚫️高齢者が可能な限り「住み慣れた地域」で、「自分らしい生活」を最期まで続けることができるようにするための「地域の包括的な支援・サービス提供」体制

精神障がい者にも対応した地域包括ケアシステムとは

⚫️主に高齢者支援である、既存の「地域包括ケアシステム」を精神障がい『にも』対応した形に再構築すること→『にも」包括と呼ばれている。

⚫️精神障がいの有無や程度に関わらず、誰もが安心して自分らしく暮らすことができるよう、精神科医療機関、その他の医療機関、地域支援事業者、市町村などと「保健・医療・福祉による協議の場」を通じて、重層的な連携による「支援体制」を構築するシステム。

精神障がい者にも対応した地域包括ケアシステム:基本的な考え方

⚫️精神疾患はすべての人に身近な病気であること

⚫️地域共生社会を目指すこと

⚫️地域課題を抽出すること

精神障がい者にも対応した地域包括ケアシステム:4つの要素

⚫️医療保健

→精神科救急システムの整備、また適切な医療体制の確保を図っている。

⚫️保健予防

→メンタル不調への早期対応、早期治療、回復支援により重症化予防を進める

⚫️生活支援

→市区町村が主体となり、民間協働により住民サービスや福祉サービス等の社会資本の充実を図る

⚫️地域共生

→こころの健康づくりの取り組みを進めるとともに、精神障がいのある方が支援の支え手として活躍の場を得る取り組みなどを進める

友人たち

地域包括ケアシステムのことについての解釈は、以下の通りです。

地域包括ケアシステム:考え方・要素解釈

精神状態が悪化する前の早期発見が大事

精神症状が出現した場合、予防する

➖必要に応じた早めの病院受診《早期発見》

状態悪化による入院や自殺となるケースを減らす

精神障がい者の地域での生活を促進する

➖地域で生活しやすいように「市区町村」のサポートを充実させる

精神障がい者の社会参加を促進する

➖障がい者が社会参加をしやすいようにサポートする

多くの人が精神的な健康に取り組む

➖精神的な健康について学ぶ機会を提供する

参照:府中市:精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの基本的な考え方について(PDF)《2022年》

参照:福岡県庁:精神障害にも対応した地域包括ケアシステム(PDF)《2023年12月14日》

 

今後の精神障がい者に対するサポートには、病気が悪化しないように「予防」を重視していくことが「基本的な考え方」になっていくようです。

地域包括ケアシステムが導入されていくと、「予防を重視する」「地域での生活を重視する」ことに力点が置かれるようになります。

よって、精神科の医療・福祉は「今までのシステムではいけない!」のです。

精神科の医療・福祉が「より良い方向に変わっていく」ためには、「生活面のフォロー」や「仕事面のフォロー」が充実していく必要性があります

ただし、そのためには精神障がい者に対するサービスの課題」を解消していかなくてはなりません

一体、どのような課題があるのでしょうか?

精神障がい者に対するサービスの課題

精神障がい者にも対応した「地域包括ケアシステム」を導入するためには、現在行なわれている精神障がい者に対するサービスでは不十分です。

その理由として「精神障がい者に対するサービス」には不足している部分や、「サービス担当者会議」には課題が多いのです。

主に、以下のことが充実していません。

精神障がい者へのサービス内容:不足しているもの

精神障がい者が就業した際の「息抜き」となる受け皿が不足している

《障がい者を対象としたしたリラクゼーション施設やパック旅行の会社》

精神障がい者が夜間・休日・祝日に相談するための「窓口」が不足している

《夜間・休日・祝日は電話相談のみが多い➖対応する相談機関が少ない》

サービス担当者会議の課題

《1》障がい者に関わる職員の役割が分断されている

→「相談支援員(A型事業所の時の担当者と一般就労の時の担当者)」が違う

《障がい者に対して全体で把握するシステムにはなっていない》

《2》医療・職場・地域事業者・相談支援員の連携が明らかに不足している

今のままでは、精神障がい者が一般就労した時の「息抜きができない」「充分なサポートを受けることができない」ことが起こってしまいます。

今後、精神障がい者の一般就労は「多くなっていく」ことも考えられます。そうなると、息抜きの場を提供する「受け皿」は必要となります。特に、夜間・休日・祝日のリラクゼーション施設は「著しく不足している」としか言えません。

このことに加えて、精神障がい者に対する「サービスが満たされる」ためには「サービス担当者会議」に関わる職種が増えていくことが必要です!

今後は、「医療面」「仕事面」「生活面」で、サポートしている職種が集まって「支援の方法」についてしっかり話し合うことが必要となります。

今後の精神障がい者へのサポート➖提言

喜んでいる人達

この記事をご覧の皆さん、いかがでしたか?

WHOの健康の定義・サービス担当者会議・地域包括ケアシステム・・・、難しい言葉が出てきたと思います。

長々と書いてしまいましたが、皆さんにお伝えしたいことは「精神面の健康が大事!」ということです。

そのためには、精神障がい者に対する「充分なサポート」が必要不可欠なのです。

今後は、精神障がい者に対して以下のことが必要となってきます。

精神障がい者に対して必要なサポート

夜間・休日・祝日に「息抜き」をする場所

夜間・休日・祝日に「‘相談する窓口」《電話ではなく実際に会える場所》

精神障がい者に関わる担当者の連携《多職種の連携》

障がい者就業生活支援センターが立案者の「サービス担当者会議」

精神障がい者担当の「産業医」

現在、上記のサポートは存在していないようです。

精神的な健康を促進するためには、仕事の後や休日などの「息抜きの場所」「息抜きのシステム」が必要となってきます。

記事をご覧いただき、どうもありがとうございました!

次回は、「息抜きの場所と息抜きのシステムについて」書いていきます。ご覧になっていただけると有り難いです。お楽しみに!

 

今回の記事は、以下の文献を参考にしました。

参考:新宿御苑前リワークセンター:『健康に必要な3つの要素』《2021年9月24日》

参考:厚生労働省:精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築の推進について《論点等》(PDF)《2019年5月29日》

 

【関連記事】

以下は、以前私が「精神科医療・地域包括ケアシステム」のことについて書いた記事です。ご覧いただけると有り難いです。

 

これまでに私が書いた記事です。ご覧いただけると有り難いです。

Noteのほうにも記事を書いています。ご覧いただけると有り難いです。

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