TANOSHIKAの卒業生にインタビュー!新しい仕事にどう向き合っているのか?

PCで作業をする女性

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どうも、こんにちは!

いつもAKARIの記事をご覧くださりありがとうございます!

もしかしたら、気付いている方もいらっしゃるかと思いますが、現在AKARIでは、積極的にインタビュー企画を行っています。

インタビューをすることで皆さんにより具体的な情報をお届けすることもできるし、私たち自身ためになることもたくさんあるので、毎回、楽しく、そして積極的にインタビューをしています!

今回は、一般就労して卒業された元TANOSHIKAのメンバーKさんに向けたインタビューを行いました。

今は久留米市内の就労継続支援B型で支援員として立派に働かれておられます。

今回はAKARIのライターゆた、どんよりと晴れている、りんごいくらが質問をいたしました。
巻末でそれぞれの感想もありますので、ぜひ最後までお付き合いください!

Kさんへのインタビュー

インタビューをする男女

Kさんの軌跡

Q.就労継続支援B型事業所でどんなお仕事をされているんですか?

A.私は生活支援員として働いていて、利用者さんの生活面に介入を行っています。
基本的には面談をして、利用者さんのお話をしっかり傾聴をして、ご本人の目標を把握しつつ、ご提案できることを話しています。

また、欠勤の対応にも力を入れていまして、利用者さん自身に1ヶ月分のシフトを作ってもらいます。
今月はこのシフトで活動すると目標を立ててもらいます。
そこで『ちょっとお休みしたい』っていう日が出てくるので、なんでお休みするのか?を丁寧に聞いて、その中で決めたシフトを守っていく方法などを一緒に話し合いながら、自分が決めたことを守る、ということを意識して支援しています。

Q.どんな相談を受けたりするんですか?

A.「体調が整わないから、どうしたら今の段階より良くなれるのかな?」という方やまた、「今のお仕事を取り組み これからの自分は何ができるのかな?」といった、不安を抱えている方も多くいらっしゃいます。この事業所でできることを提案し、基本的には利用者さんが、何をしたいのか?をすごく尊重しています。 不安の段階はバラバラです。

Q.具体的にどのように提案しているかを聞いてもいいですか?

A.パソコンを使った仕事がしたいということで入所したけど、何をしたいかわからない、という方は多いです。そのような方にはまずパソコンを開いて検索をたくさんしてもらい、その中で世の中に何があるか、興味があることを探し見つけてもらうという方もいます。動画作りたい、イラスト描きをしたい等と目標が明確な方には職業指導員に繋ぐようにしています。

Q. 勤務時間がTANOSHIKAでの4時間から現在のB型での勤務になって延びたことで、何か変化はありましたか?適応できましたか? 

A.出勤時間は10:00〜16:45ですので6.5h勤務となります。比較的短かいのでTANOSHIKAいた頃より そんなに時間が延びた印象はなく過ごしています。もしもフルタイムの8時間勤務でしたら体感が異なっていたと思います。勤務時間が伸びることは今はないと思っています。

Q.勤務時間が伸びて体力面できつかったことはありませんでしたか?

A.体力面はTANOSHIKAにいた頃から体調管理や体力作りもしていたので、そういった不安はありませんでした。睡眠もしっかり取り、食事は3食しっかり食べていたので体調管理はしていました。

Q.一般就労に移りお給料が増えたことで、生活に変化はありましたか?

A.ONとOFFの切り替えを大事にするようになり、好きなことにお金を使えるようになりました。部屋の模様替えや家具を買い替えたり 、外食が増えたり、興味のある習い事、ヨガを始めました。

逆にお給料をもらえるありがたさを感じるようになった分、しっかり管理するようになりました。

 家計簿をきちんと書くようになり、書くことで見えるようになりドキっ!となって、これを増やそう、これを減らそう、使うのを止めよう、とすぐに決断できるようになりました。

Q.好きなことは具体的にはどんなことですか?

A.好きなことはヨガを習い事を始めたことです。元々ヨガ好きで家でしていたことを週1レッスンに通い始めました。健康的なことが好きなのかもしれないです。そのほうが気持ち良いと体感しています。

ジャンクフードも好きですが、食べると体調が悪くなると、合っていないなぁと思うこともあります。

身体を動かすとか、健康的なことをしたほうがその後の自分の調子がいいな、気持ちが明るくなるな、という体感もあります。

過去と未来、そして福祉へ

ウサギの女性と猫とペンギンの男性

Q.TANOSHIKAで身についた「楽しむ」気持ちは、現在のお仕事でどう生かされていますか?

A.仕事する中で支援員さんが楽しそうな方が利用者さんにとってもきっといいよね、という認識があるんですよね。

だとしたら私が辛そうに働いているとみんなも辛くなるんじゃないか?『働くのって大変なのかな?』と いいイメージにならないと思っているので、ファッションが好きだし好きなものや服を着て働くことを意識しています。

好きなものを着ていると自然と楽しいし明るくなるし前向きになるので、ファッションを楽しもうという意識を持っていますね。

会社としても装飾はだめ なくて、アクセサリーやネイルもいいので、自由に楽しめています。

Q.現在福祉のお仕事をされていますが、以前からそのようなお仕事はされていたのでしょうか?

A.私は今まで主に接客業をしてきました。福祉のお仕事だと短期間のアルバイトで働いたことがあります。その時は福祉というか支援員としての認識はほとんど0で、なんかよくわからないけど、働いていました。

なので、福祉ってどういうものなんだろうっていうのをTANOSHIKAに来てから、わかっていった感じなんですよね。

TANOSHIKAにいたのは約2年間だったんですけど、その中で自分が利用者としているけど、面談した際の支援員さんの対応とか、普段からの関わりをみながら、福祉ってこういう仕事なんだと知っていったんだと思います。

Q.以前していた福祉のお仕事は具体的にはどんなお仕事をされていたのですか?

A.それも障害福祉でした。基本的に調理とか畑のお仕事があったんですけど、作業をする中でそのお手伝いをする感じでした。短期でのアルバイトでしたが、面談などのかかわりはなかったです。

Q.今しているお仕事で、やりがいをどんな時に感じるかお聞きしたいです。

A.利用者さん自身の変化があった時や、自分自身の可能性を感じて前向きに意欲を持たれて行動が変わったなと思う時です。支援を介入して行く中でなにか届いたのかなと、よかったなと思う瞬間です。

私自身が当事者でもあって、私は面談をするとき、自分の経験をお話しすることが多いです。私の過去はこうで、こういう風に乗り越えたよとお話しできるのは個人的にはうれしいですね。

自分のあのとき大変だった、つらかったなという思いも今話すことで、だれかの役にたったりとか、何かのヒントになるんだったら、それはやりがいというかうれしいことですね。

Q.TANOSHIKAから一般就労に変わる時に不安なことはありましたか?またその不安はどう解消されたのかお聞きしたいです。

A.私の場合はかなり長い時間、実習期間を作ってもらっていたので、かなりゆるやかに移行できたかなって思っています。

具体的にいうとまる2週間しっかりと実習して、そのあとに採用が決まって次の1カ月間は、TANOSHIKAに週3回行って、今の職場に週2回行く、両方を行き来する、1ヶ月か半月くらいすぐにポンと入らなかった。それはかなりありがたかったです。

就職してからもフォローアップ期間で、月に1回はTANOSHIKAの支援員さんと面談をしていて、半年間、そこで1時間くらいお話することでその月の自分の気持ちを整理できたので、それもすごい良かったなと思っています。

不安なことは、あらかじめ整理しておいて、準備しておくことが必要なのかなと思いました。

私は基本的には目の前のことに集中しているだけというか、その場にいたらその場のことしか考えていないですね。そういう状態にいつもいるので、うまく切り替えられているのかなと思います。

Q.TANOSHIKAを卒業されてだいぶ月日が過ぎましたが、卒業直後と現在とで自分が成長できたことなどを教えていただきたいです。

A.成長できたと言えるほどのものではまだまだ全然ないなと思いますが、卒業直後と現在の変化というと、この一年間働いていく中で会社の支援方針をどんどん理解していく中で、支援するのは寄り添ったり、優しいことだけではないというのがすごくわかってきました。

時には利用者さんのことを想って厳しいことも言わないといけないときもあるので、そういうことも利用者さんのことを想った介入が徐々にできていったと思います。

はじめはコミュニケーションを取った上での厳しい介入できる関係性を作っていくことが大事で、そういうのも時間がかかります。常に試行錯誤している感じがします。

Q.私も福祉のお仕事に興味があるのですが、実際に福祉の仕事に携わってみて、どのような点が大変でしたか?

A.私は今の会社に入る前、実習期間中から会社の代表に「福祉って二年でやっと半人前になれる、一人前になるには五年以上かかる」っていうのは初めから言われていたんですね。

当初はピンとこなくて、「そんなにかかるんだー」ぐらいの印象だったんですけど、いざ、実際に仕事をしてみるとその言葉の意味が凄くわかるんですよ。

支援ってこれが正解ですよ、っていうのはないんですよね。

正解だからこうとか不正解だから違うとかそういう話ではなくて、常に試行錯誤していくものであって。

例えば、今自分はこういう支援に介入したけど、本当にこれで良かったのかなと、かあとから思うことばっかりなんですよね。

もっとこうしておけば良かったかもって思うことばっかりで、ある意味支援の引き出しを増やしていっている段階だなっていうのは私の中で感じてて、それも経験の中で一つ一つ積み上げていけるものだと思っているので、学びながら吸収していってるって感じですね。

そういう考え方をしていると、ある意味、失敗することに意味があるんだって思うようになりました。

失敗したからこそわかることがあるし、今まで知らなかったことをどんどん吸収できる機会になるので、変にへこまなくなったなと思います。また、得るチャンスなんだっていうスタンスになりましたね。

Q.福祉の仕事は『感情労働』とも言われていますが、その辺りはどう感じていますか?

A.やっぱり面談などで個人的な内側のお話をされるんですよね。

お悩み事を聞いている私たちも親身になって、真剣に話を聞くんですけど、親身になればなるほど、一緒に揺れてしまったりとかになりがちです。

ですが、そこはしっかり相手と自分の境界線をしっかり持っておく必要があって、自分がそれでダウンしてしまったら、支援員としては全く機能しなくなるじゃないですか?

なので、自分のことはしっかり守りつつ、話を聞いてできることを探すってところはしっかりと持っておく必要があるお仕事かなと思います。

今、できること

Q.TANOSHIKAにいるとき、就職する前に準備していたことは何ですか?

A.就職ってなると、負荷がかかることは想定できるので、体調管理は徹底して行っていましたね。

環境が変わるとか、人が変わるし、内容も新しいことだし。

次の一歩に行くには恐らく負荷がかかるであろう、だとしたらその時に如何に自分を保てるか、保てる自分になっているかが大事だなと思っているので、体調管理には一番気を付けていますね。

あとは例えば、仕事で負荷がかかった時に、どういうことをすればストレス発散になるかなとか、リフレッシュ方法というのをしっかり持っておくと、安心することができますよね。

就職してもし、不安定になったときはこれを用意しておけば安心だみたいな。

自分に言い聞かせるというか、そういう準備をしておくと、自分の目標に対して突き進みやすくなるのかなって思いますね。

Q.Kさんのリフレッシュ方法って、どんなものがありますか?

A.運動もそのうちなんですけど、私、アロマテラピーが結構好きでそれを日常の中で使っていますね。風呂に入る時にバスソルトを作ったりとか、ディヒューザーで好きな香りを焚いたりとか、そういうのでリフレッシュしています。

好きなアロマオイルが一個あればティッシュとかに垂らして少し嗅ぐだけでも気分が変わったりするので。お守りになりますね。何かあってもこれを嗅げば、安心できる、みたいな。

Q.TANOSHIKAでの経験で今の仕事に役立ったことはありますか?

A.私はTANOSHIKAで福祉を知ったし、TANOSHIKAでの経験が今の仕事にもつながっていて、TANOSHIKAの支援員さんが働いている姿が私は好きだったので、TANOSHIKAにいる間、真剣に向き合ってくれる支援員さんたちが私にとって本当に支えになったんですね。

今でも仕事をしていて、躓いたときに思い出すのって、TANOSHIKAの支援員さんの働いている姿なんですよね。自分が支援を受けてきたからこそ、今の自分がいるんだなってところに立ち返ると、私も頑張ろうって。

TANOSHIKAの支援員さんみたいになりたいって思ったから今の仕事を選んでいるので、立ち返って動機づけになっているんです。

なので、TANOSHIKAの支援を受けることができたってことが今の仕事の役に立っているなと思います。

Q.今も支援員さんとの面談は続いているんですか?

A.現在は、相談支援専門員さんからの定着支援の面談を月に一回程度継続して受けています。

就職して半年間はフォローアップ期間なんですが、半年経過した後は定着支援に切り替わっています。

Q.仕事を長く続けるコツはありますか?

A.そうですね、私もそれこそ、働き始めて一年なので、長くとは言えないかも知れないんですけど、今、私が思っていることは自分自身の価値観を明確にしていると、働いていく中で大変なシーンがあった場合、そこが動機になると踏ん張れると思うんですよね。

「自分はなんでこの仕事を選んでやっているのか」、「自分の目的意識」みたいなところを明確にしておくと、長く続けられるんじゃないかなと思っています。

Q.A型利用者の私たちが、一般就労に向けて日頃から気にかけた方がいいことはありますか?

A.自分の目標を明確にしておくといいと思います。利用者さんの目標に対して支援員も介入できるので、自分がどうしたいか、確認できているといいと思います。。

今はTANOSHIKAで、福祉事業所なので、相談すると、客観的に意見をもらえる機会があります。

そういうことも相談しつつ、自分の目標を明確にしていったらいいと思います。

Q.最後にこれから就職を目指す方にメッセージがあれば、お願いします。

A.自分の人生は自分のもの。自分の可能性を信じて前向きに取り組んでいってください。

自己理解するのが就職には大事だと思っているので、ノートとペンで書いて、今の自分と向き合うことに取り組むのもおすすめです。その中で自分がどこに向かいたいかが分かるのでおすすめです。

今でも自分の気持ちが分からなくなったときは書いて整理しています。

書いていると自分の発見もありました。

自分にとっての答えは自分の中にあるので、外の情報に流されずに、自分と向き合って、自分の答えを見つけていったら、自分が安心するし、就職についても前向きに取り組めるんじゃないかと思います。

どこでも自分自身が安心して書ける場所ならカフェでもどこでもいい。

私は小さなノートを持ち歩いています。あとで読み返して、こんなこと考えていたんだと気付くことにもなるし、そうした取り組みを通して、自分を知っていくことにもなると思います。

以上、インタビューでした!

卒業生にインタビューしてみての感想

(りんごいくら)Kさんは、こちら側からの質問に、お手本のように応えていただきました。ありがとうございました。不思議なお言葉も多々ありました。『体感、自分自身の価値観』など。それから彼女は一般就職に向けてもありながら、日頃から物事を考えて活動をしておられるんだな、すごいなぁ見習いたいなぁ、と何度も呟きながら思っていました。ありがとうございました。

(どんより晴れている)本日はインタビューにこたえていただき、ありがとうございました。

KさんとはTANOSHIKAでご一緒させてもらったときも仲良くしていただいたので、とても話しやすい印象があります。

過去の職歴も接客業をされていたこともあり、現在の福祉のお仕事、生活支援員への転身はその素養がもともとおありになったのかなと思いました。

支援員として利用者の方にどのように接しているかのお話や、メモをとって自分と向き合って自己理解を深めていった過程などをお聞きして大変参考になりました。

自分も体調管理をしながら次へステップアップするために不安になる要素を書き出し、準備していこうと思います。

貴重なお話が聞けてよかったです。

(ゆた)本日はインタビューを受けていただき、ありがとうございます!

私はいずれは一般就労を目指していたのですが、自分の特性を知ったり、日々の生活を安定させることができるように準備しておくことが大事なんだとKさんの話を聞いて実感しました。また、福祉の仕事は一人前になるまで時間がかかる仕事ということなので、私がもし、福祉関係の仕事に就職したらそういう気持ちで仕事に取り組みたいなと思いました!

以上、我々、ライターの感想でした。

本日はお忙しい中、インタビューにお応えいただき、ありがとうございます!

これから一般就労を目指すひとたちや障害に悩んでいる人たちにとって、とても参考になるインタビュー記事になったと思います!

我々も今回の経験を活かし、日々の生活の安定、そして、一般就労に向けて邁進してまいります!

最後に、協力してくださった多くの方に感謝を述べ、記事を〆たいと思います。

ありがとうございました!

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